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第20話 嘘の発覚⑤
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「エランダ。なんということを……」
「致し方なかったのですわ。"閃光"はこの街のトップ冒険者パーティーなの。彼らの名前が消えては誰も安心してこの街に来なくなるわ」
それはお腹の子供のことにも、個人資産を奪うことと関係ないのでは?と思って声を発しようとしたが……
「子供を作った理由になっておらぬ!ジキルに迫られたのか!」
なるほど。もしかしてそうなのか?
あの姉が?ないと思うけど。交換条件で身体を差し出すような可愛い性格なんかしてないでしょ?
「違うわ。私が利用したのよ。ラクスが死んだとなれば、仕方ないでしょ?クレアを言いくるめて"閃光"はジキルに渡した。そしてラクスの遺したアイテムで強化し、ソロのメンバーを入れて強化した"閃光"にダンジョン探索をさせる。下層のモンスターさえ間引ければ問題はない。私の伴侶がリーダーであれば、出て行く心配もないわ」
まぁ、そんなとこなんでしょうね。
ジキルなんて扱いやすそうな軽い男だったし。
それでも子供まで作ったのにあっさり逃亡するほど軽くて責任感がない男だったというところは想定してなかったのでしょうね。
お父様は沈黙してしまった。
「個人資産を奪った理由にはなっていないわね」
そしてミシェールも怒っていた。どうしてそこをそんなに?とは思ったが、口を挟めるような状況じゃない。
「百歩譲って死亡扱いで市民権喪失は理解したとしても、ラクスには遺産相続人がいるのだから資産はそちらのものよ。だから今すぐ返しなさい!」
「え?」
「ラクスに遺産相続人?……どこに?」
ミシェールが完全にキレていた。それに対して姉は虚を突かれたような表情でぶつぶつ言っている。
そうだった。遺産相続人はなにも親類でなくてもいい。
たしかギルドにはもしもの時に備えて遺産相続人を登録する仕組みがあったわね。
普通は親族しか登録できないのだけども……。
「知らないと言うのか?ギルドに登録した書類を見ればわかったはずだ。それすら怠ったのか?」
「そんなことは……ギルド長はなにも……」
「驚いたな。まさかギルド長もグルか。じゃあ、教えてやろう。義理ではあるが、私は彼の姉だ!だから何かあった場合のお互いの遺産相続人として登録している!」
「えぇ?」
それは驚きだった。
それなら怒りは理解できる。知らなかったけど。
「ミシェールが?」
「あぁ。彼は私の両親の養子だ。だから義理の姉弟なんだよ。祖国では彼の方が身分が高いから積極的に話しては来なかったけどね」
つい聞いてしまった私に対しては丁寧に教えてくれた。
「さぁ、返せ。推定死亡で半年というのはつい最近と聞いたぞ?」
「……」
「なにか言いなさい。お前がやってしまったことだ。その資産はきちんと返さなければならない」
「……ないわよ……」
「はぁ?」
「どういうことじゃ!」
「もう全部使ったからないわ!」
「お前!?」
「どういうことよ!金貨1,000枚に武器やアイテムもあったでしょ!?全部使ったの!?」
「そうよ!もうないわ!だから返すお金なんてないわよ!」
「まっ、待て!」
ドッカァァアアァァァァアアアアアアア~~~~~ン!!!!!!!!!!
「致し方なかったのですわ。"閃光"はこの街のトップ冒険者パーティーなの。彼らの名前が消えては誰も安心してこの街に来なくなるわ」
それはお腹の子供のことにも、個人資産を奪うことと関係ないのでは?と思って声を発しようとしたが……
「子供を作った理由になっておらぬ!ジキルに迫られたのか!」
なるほど。もしかしてそうなのか?
あの姉が?ないと思うけど。交換条件で身体を差し出すような可愛い性格なんかしてないでしょ?
「違うわ。私が利用したのよ。ラクスが死んだとなれば、仕方ないでしょ?クレアを言いくるめて"閃光"はジキルに渡した。そしてラクスの遺したアイテムで強化し、ソロのメンバーを入れて強化した"閃光"にダンジョン探索をさせる。下層のモンスターさえ間引ければ問題はない。私の伴侶がリーダーであれば、出て行く心配もないわ」
まぁ、そんなとこなんでしょうね。
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それでも子供まで作ったのにあっさり逃亡するほど軽くて責任感がない男だったというところは想定してなかったのでしょうね。
お父様は沈黙してしまった。
「個人資産を奪った理由にはなっていないわね」
そしてミシェールも怒っていた。どうしてそこをそんなに?とは思ったが、口を挟めるような状況じゃない。
「百歩譲って死亡扱いで市民権喪失は理解したとしても、ラクスには遺産相続人がいるのだから資産はそちらのものよ。だから今すぐ返しなさい!」
「え?」
「ラクスに遺産相続人?……どこに?」
ミシェールが完全にキレていた。それに対して姉は虚を突かれたような表情でぶつぶつ言っている。
そうだった。遺産相続人はなにも親類でなくてもいい。
たしかギルドにはもしもの時に備えて遺産相続人を登録する仕組みがあったわね。
普通は親族しか登録できないのだけども……。
「知らないと言うのか?ギルドに登録した書類を見ればわかったはずだ。それすら怠ったのか?」
「そんなことは……ギルド長はなにも……」
「驚いたな。まさかギルド長もグルか。じゃあ、教えてやろう。義理ではあるが、私は彼の姉だ!だから何かあった場合のお互いの遺産相続人として登録している!」
「えぇ?」
それは驚きだった。
それなら怒りは理解できる。知らなかったけど。
「ミシェールが?」
「あぁ。彼は私の両親の養子だ。だから義理の姉弟なんだよ。祖国では彼の方が身分が高いから積極的に話しては来なかったけどね」
つい聞いてしまった私に対しては丁寧に教えてくれた。
「さぁ、返せ。推定死亡で半年というのはつい最近と聞いたぞ?」
「……」
「なにか言いなさい。お前がやってしまったことだ。その資産はきちんと返さなければならない」
「……ないわよ……」
「はぁ?」
「どういうことじゃ!」
「もう全部使ったからないわ!」
「お前!?」
「どういうことよ!金貨1,000枚に武器やアイテムもあったでしょ!?全部使ったの!?」
「そうよ!もうないわ!だから返すお金なんてないわよ!」
「まっ、待て!」
ドッカァァアアァァァァアアアアアアア~~~~~ン!!!!!!!!!!
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