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第1章 なんで私が追放なのよ!
第2話 勇者の言い分
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side 勇者ライエル
「お前を僕のパーティーから追放する!」
ついに言ってやった!
まぁショックを受けるだろうが、役立たずになったんだからしょうがないよな?
泣かれたら面倒だけど、それくらい理解するだろう。
「はぁ、それは陛下も了承されているお話でしょうか?」
「父は関係ない!僕はこのパーティーのリーダーとして判断し、話をしている!」
国王である父上にすがろうと言うのか?
僕の予想を超える酷い反応だった。
このパーティーのリーダーは僕だぞ?
「はぁ……」
ため息なんかつきやがって、バカにしているのか?
……そうか、婚約のことを気にしているのか?そんなものは解消だ!
すぐにそう言ってやりたいが、さすがに父上が決めた婚約を勝手に破棄するのはまずい。
「まぁ、お前が僕の婚約者なのはこのパーティーのメンバーとして女性で公爵家の出身という理由だろうから、追放してほどなくすれば解消になるとは思うがな!」
「はぁ……」
どうして将来国王になる僕が、しかも勇者でもある僕がお前なんかと結婚しないといけないんだよ。
僕の計画にケチばっかりつけるし、愛想も可愛げもないお前なんかと。
「理由を伺っても?」
「はっ、理由など。魔族の四天王の1人・ダーウェルドを倒すのに間違いなくお前の精霊術……特に大精霊モルドゥカは役に立った。しかしその力は次の攻略先であるロデリグ大陸では役に立たないことが先日の探索でわかった。だからだ!」
そんなこともわからないのか?
役に立ったのはお前じゃなくて大精霊だろ?しかもその大精霊は当然ながらルーディア大陸を離れられない。
さらに、ロデリグ大陸は長く魔族の支配されていたせいで精霊が見当たらなかった。
つまり、今後もお前は戦力にはならないということだろ?
なら、連れて行く必要がないじゃないか。僕のすることに文句ばっかり言うお前なんか。
「そういうことで、すみませんねエメリアさん」
僕の言葉を引き継いで、魔法使いのスーメリアがさようならしている。
見ろよエメリアのあの悔しそうな顔。笑える。
スーメリアの実家のペリオリア侯爵家はエメリアの実家のノーザント公爵家のライバルだから悔しいのだろう。
そんなことは僕には関係ないがな。
戦力にならない自分のひ弱さこそ反省しろ。
そもそもお前が面倒なことを言わなければもっと早くルーディア大陸を解放できたんだ。
勇者である僕と、優れた戦士であるディルクで火力は十分だ。
あとは、僕に従順な魔法使いのスーメリア。
それに今回、エルフの王族であるラーヴェが加われば、ロデリグ大陸での攻略には十分だろう。
ラーヴェは魔力は多いし、支援魔法や回復魔法も使える。
考えれば考えるほどエメリアは不要だった。
貴族家のバランスを保つためだけの存在だ。
「わかったらさっさと出て行け!」
「今後精霊術は不要だと?」
まだわからないのか?
いらないのは精霊術ではなくお前だ。だから追放だと言っているのに。
もしかしてこの僕が何か短気を起こして追放だと言っているのかと思っているのか?バカか。
もうお前なんかに価値はない。泣いてすがられたら気持ちも揺らいだかもしれないがな。
「お前の精霊術は不要だ。なぜならここにいるラーヴェが協力してくれるからだ!彼女はなんとエルフの王族の血を引いている。精霊たちとも交信可能なのだ!」
「はぁ……」
これはショックだろうな。
唯一の存在価値がなくなったのだから。
精霊や、特に大精霊が有効なのは認める。人間が依頼するには大量の魔力が必要だが、得られる効果は大きい。
事実としてルーディア大陸解放には役に立ったが、精霊のいなロデリグ大陸では人間の精霊術師が活躍するのは難しいらしい。
一方で、エルフの王族は精霊をその場から動かすことができるらしいから、ロデリグ大陸に連れて行けば精霊術が使える。
「それで私は不要になったということですね?」
「そうだ!やっと理解できたか!!」
やれやれだ。
可愛くもなんともないクソみたいな表情で僕を見るこいつが本当に嫌いだ。
僕が勇者であり、王子なんだぞ?
「では、わかりました。パーティーのお金や入手したアイテムについてはこの収納袋に入れていますので、私の分は差し引いてお返しします。転移の魔道具を扱う許可は個人に帰属するものなので、それはお渡しできませんので、そこのエ……ラーヴェさんでしたか……その方の者はライエル様のほうでご申請ください」
申請?面倒だな……。
「ラーヴェに渡せないのか?」
お前にはもう不要だろう。
なぜそんな面倒なことを勇者であり王子でもある僕がするんだ?
「許可は国から譲渡不可能なギルドカードに付与されるのですが?」
「あぁ、わかってるさ」
僕はお前にやっておけという意味でいったんだ。わかれよ。
「では、私はこれで……」
くそ、逃げやがった。
まぁこんなやつに頼らなくても大臣やスーメリアにやらせればいい。
まったく最後まで可愛くないやつだな。泣いて頼まれたら政略結婚の婚約破棄くらいは考え直してやってもいいかなと思っていたが、やっぱりなしだ。
とっとと出て行け。もう顔も見たくない。
「ようやく諦めたようですね。いくらライエル様の勇者パーティーから追放されるのが嫌だからと、あのような言い方をされるとは……」
僕の腕にしなだれかかりながらスーメリアがエメリアを非難する。
「悔しさもあるのだと思います。しかし、仕方ありませんね。あの方は優秀な精霊術師なのでしょうが、残念ながら人間です。可愛そうですが、大陸を超えて彼女についていくような精霊はいないでしょうから、精霊がいないロデリグ大陸で戦うのは厳しいでしょう」
もう片方の腕にまとわりつくラーヴェがエメリアにとって悲しい事実を告げる。
「では、今日からこの4人でパーティーを組むとして、至急ラーヴェが転移の魔道具を使えるよう申請して、許可が下り次第ロデリグ大陸に渡るぞ!」
ルーディア大陸を解放した功績で、僕の国王就任は安泰だ。
しかし僕はその先を見ている。
ルーディア大陸に加えてロデリグ大陸すら傘下に置いたバルグート王国の隆盛をな!
「お前を僕のパーティーから追放する!」
ついに言ってやった!
まぁショックを受けるだろうが、役立たずになったんだからしょうがないよな?
泣かれたら面倒だけど、それくらい理解するだろう。
「はぁ、それは陛下も了承されているお話でしょうか?」
「父は関係ない!僕はこのパーティーのリーダーとして判断し、話をしている!」
国王である父上にすがろうと言うのか?
僕の予想を超える酷い反応だった。
このパーティーのリーダーは僕だぞ?
「はぁ……」
ため息なんかつきやがって、バカにしているのか?
……そうか、婚約のことを気にしているのか?そんなものは解消だ!
すぐにそう言ってやりたいが、さすがに父上が決めた婚約を勝手に破棄するのはまずい。
「まぁ、お前が僕の婚約者なのはこのパーティーのメンバーとして女性で公爵家の出身という理由だろうから、追放してほどなくすれば解消になるとは思うがな!」
「はぁ……」
どうして将来国王になる僕が、しかも勇者でもある僕がお前なんかと結婚しないといけないんだよ。
僕の計画にケチばっかりつけるし、愛想も可愛げもないお前なんかと。
「理由を伺っても?」
「はっ、理由など。魔族の四天王の1人・ダーウェルドを倒すのに間違いなくお前の精霊術……特に大精霊モルドゥカは役に立った。しかしその力は次の攻略先であるロデリグ大陸では役に立たないことが先日の探索でわかった。だからだ!」
そんなこともわからないのか?
役に立ったのはお前じゃなくて大精霊だろ?しかもその大精霊は当然ながらルーディア大陸を離れられない。
さらに、ロデリグ大陸は長く魔族の支配されていたせいで精霊が見当たらなかった。
つまり、今後もお前は戦力にはならないということだろ?
なら、連れて行く必要がないじゃないか。僕のすることに文句ばっかり言うお前なんか。
「そういうことで、すみませんねエメリアさん」
僕の言葉を引き継いで、魔法使いのスーメリアがさようならしている。
見ろよエメリアのあの悔しそうな顔。笑える。
スーメリアの実家のペリオリア侯爵家はエメリアの実家のノーザント公爵家のライバルだから悔しいのだろう。
そんなことは僕には関係ないがな。
戦力にならない自分のひ弱さこそ反省しろ。
そもそもお前が面倒なことを言わなければもっと早くルーディア大陸を解放できたんだ。
勇者である僕と、優れた戦士であるディルクで火力は十分だ。
あとは、僕に従順な魔法使いのスーメリア。
それに今回、エルフの王族であるラーヴェが加われば、ロデリグ大陸での攻略には十分だろう。
ラーヴェは魔力は多いし、支援魔法や回復魔法も使える。
考えれば考えるほどエメリアは不要だった。
貴族家のバランスを保つためだけの存在だ。
「わかったらさっさと出て行け!」
「今後精霊術は不要だと?」
まだわからないのか?
いらないのは精霊術ではなくお前だ。だから追放だと言っているのに。
もしかしてこの僕が何か短気を起こして追放だと言っているのかと思っているのか?バカか。
もうお前なんかに価値はない。泣いてすがられたら気持ちも揺らいだかもしれないがな。
「お前の精霊術は不要だ。なぜならここにいるラーヴェが協力してくれるからだ!彼女はなんとエルフの王族の血を引いている。精霊たちとも交信可能なのだ!」
「はぁ……」
これはショックだろうな。
唯一の存在価値がなくなったのだから。
精霊や、特に大精霊が有効なのは認める。人間が依頼するには大量の魔力が必要だが、得られる効果は大きい。
事実としてルーディア大陸解放には役に立ったが、精霊のいなロデリグ大陸では人間の精霊術師が活躍するのは難しいらしい。
一方で、エルフの王族は精霊をその場から動かすことができるらしいから、ロデリグ大陸に連れて行けば精霊術が使える。
「それで私は不要になったということですね?」
「そうだ!やっと理解できたか!!」
やれやれだ。
可愛くもなんともないクソみたいな表情で僕を見るこいつが本当に嫌いだ。
僕が勇者であり、王子なんだぞ?
「では、わかりました。パーティーのお金や入手したアイテムについてはこの収納袋に入れていますので、私の分は差し引いてお返しします。転移の魔道具を扱う許可は個人に帰属するものなので、それはお渡しできませんので、そこのエ……ラーヴェさんでしたか……その方の者はライエル様のほうでご申請ください」
申請?面倒だな……。
「ラーヴェに渡せないのか?」
お前にはもう不要だろう。
なぜそんな面倒なことを勇者であり王子でもある僕がするんだ?
「許可は国から譲渡不可能なギルドカードに付与されるのですが?」
「あぁ、わかってるさ」
僕はお前にやっておけという意味でいったんだ。わかれよ。
「では、私はこれで……」
くそ、逃げやがった。
まぁこんなやつに頼らなくても大臣やスーメリアにやらせればいい。
まったく最後まで可愛くないやつだな。泣いて頼まれたら政略結婚の婚約破棄くらいは考え直してやってもいいかなと思っていたが、やっぱりなしだ。
とっとと出て行け。もう顔も見たくない。
「ようやく諦めたようですね。いくらライエル様の勇者パーティーから追放されるのが嫌だからと、あのような言い方をされるとは……」
僕の腕にしなだれかかりながらスーメリアがエメリアを非難する。
「悔しさもあるのだと思います。しかし、仕方ありませんね。あの方は優秀な精霊術師なのでしょうが、残念ながら人間です。可愛そうですが、大陸を超えて彼女についていくような精霊はいないでしょうから、精霊がいないロデリグ大陸で戦うのは厳しいでしょう」
もう片方の腕にまとわりつくラーヴェがエメリアにとって悲しい事実を告げる。
「では、今日からこの4人でパーティーを組むとして、至急ラーヴェが転移の魔道具を使えるよう申請して、許可が下り次第ロデリグ大陸に渡るぞ!」
ルーディア大陸を解放した功績で、僕の国王就任は安泰だ。
しかし僕はその先を見ている。
ルーディア大陸に加えてロデリグ大陸すら傘下に置いたバルグート王国の隆盛をな!
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