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第12話 デートの目的は完璧に達成してエフィとの幸せな1日を味わった件
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いつもとは違う、少し豪華な馬車に乗って王都を行く俺とエフィ。
正直言って、幸せすぎてやばい。
隣にいる天使よりもかわいいエフィを直視できない。
彼女は俺が手配したドレスを着てくれて、俺が用意したアクセサリーを付けて、俺がさり気なく侍女たちに薦めた髪型にして、俺の好みの化粧をしてくれていて幸せですもう死んでもいいかもしれないです完璧すぎて心が飛び出しそうですありがとうございました。
心の中を落ち着けるために少し時間を貰ったことを許してほしい。
それくらいエフィが可愛かったんだ。
これのどこが地味なんだろうか?
普段のエフィはほぼノーメイクという貴族の子女としてあり得ない格好をしているからそのせいだろうか?
もしくは、エフィは決して弱い女性ではない。計算高い女性でもない。純朴で素直な娘だ。
貴族の男ウケするようなアザとらしさや、常に男を立てるようなタイプの可愛らしさはない。
だからだろうか?
そうだとするならば見る目がないと言いたい。
むしろ今から押しかけて殴り倒して顔に書いてやろうか?
むしろ節穴な目なんか必要ないから抉って魔法研究の道具に使ってしまおうかな???
「お兄様、ありがとうございます。とても美味しいです」
評判が良いレストランの中でも、俺のお眼鏡にかなう店を選びに選んだ結果、エフィは満足してくれたようだ。
よかった。
部下たちに命じて手当たり次第に探らせた後、候補を絞り込み、その全てを実際に訪れて選んだかいがあった。
もちろん今日のデートのための準備じゃないぞ?
いつかこういうこともあるだろうと、前々から準備していたのだ。
段取り力。準備力と言ってもいいこの能力こそ必要だと思うだろ?
全てがこれで上手くいく。
その後、"魔女"を描いた劇を観た。
が……これははまらなかったらしい。表情でわかるし、俺としてもちょっと期待外れだった。
あとで推薦してきたレオンは折檻しておこう。
もっと魔法の素晴らしさの一端にでも触れたような内容を期待していたけど、実際は恋愛劇だった。
実物を一応でも知ってる俺からすると、『あのババアが恋愛だと!?ウケるwwwwwwwww』と思ってしまうが、実際にこうして目の前に娘がいるわけだし、そういうこともどこか遠い世界で展開されていたのだろうと頭の中を落ち着けてじっくり観劇した。
一方、エフィは本人のことは知らないからただの一作品として観たようだが、やはり魔法の素晴らしさに傾倒しているエフィとしては物足りなかったようだった。
「ちょっと期待していた内容と違ったな。すまない」
「えっ、そんなことは……ごめんなさい。たしかに、若き日の"魔女"と聞いて、かの有名な大魔法である"世界を切り裂く不可避の一撃"が生み出された経緯などに降れるのかと思っていました」
きっとそんな劇は流行らないとは思う。
誰も理解できないだろうから……。
ていうか何その魔法。もし本当ならやばすぎて習いたいけども。
それから王立公園の近くを横切りながら馬車は進んでいく。
何も起こらなかったか……。
まぁ、ここの池で事件があったとすると"魔女”の生きた時代より遥か昔のはずだしな。
さすがに時代が合わないだろう。
となると怪しいのは墓地公園か、
今の時間からそこに直行するのはちょっと変だ。
なにがだって?
デートプランとしてに決まってるだろ!
君たちは俺が何をしにこうやってエフィを連れ出してると思ってるんだ?
えっ?悪霊だと?
そんなものはただのオマケだ。
エフィとデートしたいからに決まってるだろ!!!!
だが、劇が残念だったうえに、あんまり興味なさそうというより危害が与えられそうなところに連れて行くのはさすがに男としてどうかと思ってしまう。
ここはあれだな。
間違いなくエフィの興味を惹く場所に行くべきだ。
ん?それがわからないから苦労してたんじゃないのかって?
1つだけなら何の問題もない。わかりきった場所がある。
そのカードを切ればいいだけさ。まぁ見てな。
「エフィ、魔道具屋にでも行ってみるかい? この先に魔石を特別に卸していた店があるんだけど」
「行きます! 行ってみたいです!」
ほらな。ばっちりだろ?
えっ?
魔道具屋はデートとして相応しくないだって?
何を言うんだ!!!
定番だろ!?
ちょっとエッチで大人なあれこれを揃えるために皆一度は行ったことがあるだろう!!!
えっ。ない?
それは失礼しました。ぜひいつか行ってみてください。
「ここだ」
「まぁ……」
ほら、嬉しそうな表情をしてるだろ?
これで良いんだ。
お決まりの定番コースを回るのも悪くはないが、一番大事なのは相手が喜ぶこと。次に自分が楽しいことだ。
これがあればいつだって楽しいし、何回だって行ける。
いいかい?
覚えておくといいよ。
それが両立できることが一番だけど、俺はエフィと一緒なだけで満たされてるからどこだっていい。
だったらエフィの好きな場所こそが最高のデートコースさ。
それに目的のアレも出てきたようだしな。
拘束魔法で無力化して地面に埋めたから、夜にでも倒しに行くとして、今は魔道具を見て興味津々なエフィに色々説明してあげるというまさに正当なデートを楽しんだ。ごちそうさまでした。
正直言って、幸せすぎてやばい。
隣にいる天使よりもかわいいエフィを直視できない。
彼女は俺が手配したドレスを着てくれて、俺が用意したアクセサリーを付けて、俺がさり気なく侍女たちに薦めた髪型にして、俺の好みの化粧をしてくれていて幸せですもう死んでもいいかもしれないです完璧すぎて心が飛び出しそうですありがとうございました。
心の中を落ち着けるために少し時間を貰ったことを許してほしい。
それくらいエフィが可愛かったんだ。
これのどこが地味なんだろうか?
普段のエフィはほぼノーメイクという貴族の子女としてあり得ない格好をしているからそのせいだろうか?
もしくは、エフィは決して弱い女性ではない。計算高い女性でもない。純朴で素直な娘だ。
貴族の男ウケするようなアザとらしさや、常に男を立てるようなタイプの可愛らしさはない。
だからだろうか?
そうだとするならば見る目がないと言いたい。
むしろ今から押しかけて殴り倒して顔に書いてやろうか?
むしろ節穴な目なんか必要ないから抉って魔法研究の道具に使ってしまおうかな???
「お兄様、ありがとうございます。とても美味しいです」
評判が良いレストランの中でも、俺のお眼鏡にかなう店を選びに選んだ結果、エフィは満足してくれたようだ。
よかった。
部下たちに命じて手当たり次第に探らせた後、候補を絞り込み、その全てを実際に訪れて選んだかいがあった。
もちろん今日のデートのための準備じゃないぞ?
いつかこういうこともあるだろうと、前々から準備していたのだ。
段取り力。準備力と言ってもいいこの能力こそ必要だと思うだろ?
全てがこれで上手くいく。
その後、"魔女"を描いた劇を観た。
が……これははまらなかったらしい。表情でわかるし、俺としてもちょっと期待外れだった。
あとで推薦してきたレオンは折檻しておこう。
もっと魔法の素晴らしさの一端にでも触れたような内容を期待していたけど、実際は恋愛劇だった。
実物を一応でも知ってる俺からすると、『あのババアが恋愛だと!?ウケるwwwwwwwww』と思ってしまうが、実際にこうして目の前に娘がいるわけだし、そういうこともどこか遠い世界で展開されていたのだろうと頭の中を落ち着けてじっくり観劇した。
一方、エフィは本人のことは知らないからただの一作品として観たようだが、やはり魔法の素晴らしさに傾倒しているエフィとしては物足りなかったようだった。
「ちょっと期待していた内容と違ったな。すまない」
「えっ、そんなことは……ごめんなさい。たしかに、若き日の"魔女"と聞いて、かの有名な大魔法である"世界を切り裂く不可避の一撃"が生み出された経緯などに降れるのかと思っていました」
きっとそんな劇は流行らないとは思う。
誰も理解できないだろうから……。
ていうか何その魔法。もし本当ならやばすぎて習いたいけども。
それから王立公園の近くを横切りながら馬車は進んでいく。
何も起こらなかったか……。
まぁ、ここの池で事件があったとすると"魔女”の生きた時代より遥か昔のはずだしな。
さすがに時代が合わないだろう。
となると怪しいのは墓地公園か、
今の時間からそこに直行するのはちょっと変だ。
なにがだって?
デートプランとしてに決まってるだろ!
君たちは俺が何をしにこうやってエフィを連れ出してると思ってるんだ?
えっ?悪霊だと?
そんなものはただのオマケだ。
エフィとデートしたいからに決まってるだろ!!!!
だが、劇が残念だったうえに、あんまり興味なさそうというより危害が与えられそうなところに連れて行くのはさすがに男としてどうかと思ってしまう。
ここはあれだな。
間違いなくエフィの興味を惹く場所に行くべきだ。
ん?それがわからないから苦労してたんじゃないのかって?
1つだけなら何の問題もない。わかりきった場所がある。
そのカードを切ればいいだけさ。まぁ見てな。
「エフィ、魔道具屋にでも行ってみるかい? この先に魔石を特別に卸していた店があるんだけど」
「行きます! 行ってみたいです!」
ほらな。ばっちりだろ?
えっ?
魔道具屋はデートとして相応しくないだって?
何を言うんだ!!!
定番だろ!?
ちょっとエッチで大人なあれこれを揃えるために皆一度は行ったことがあるだろう!!!
えっ。ない?
それは失礼しました。ぜひいつか行ってみてください。
「ここだ」
「まぁ……」
ほら、嬉しそうな表情をしてるだろ?
これで良いんだ。
お決まりの定番コースを回るのも悪くはないが、一番大事なのは相手が喜ぶこと。次に自分が楽しいことだ。
これがあればいつだって楽しいし、何回だって行ける。
いいかい?
覚えておくといいよ。
それが両立できることが一番だけど、俺はエフィと一緒なだけで満たされてるからどこだっていい。
だったらエフィの好きな場所こそが最高のデートコースさ。
それに目的のアレも出てきたようだしな。
拘束魔法で無力化して地面に埋めたから、夜にでも倒しに行くとして、今は魔道具を見て興味津々なエフィに色々説明してあげるというまさに正当なデートを楽しんだ。ごちそうさまでした。
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