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196.解放宣言①(8月18日)
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収容されていた54人の被害者達の治療は深夜にまで及んだ。
アリシア達の魔力が尽きる前に、何とか治療を終える事ができたのである。時間を置いてスキャンしても、誰も澱んだ魔力反応を示す者はいなくなった。
ルイサとグロリアのちびっ子達、イザベルやアイダのような治癒魔法に秀でていない子達も、風魔法で換気をしながら被害者達の身体を拭き部屋の掃除をするなど献身的に働いてくれた。
一段落した頃には夜半過ぎになっていた。
室外で待機していたクレアルを招き入れる。
彼の身内は件の少年だったようだ。彼はまだ眠っている少年に取り縋り、声を上げて泣く。その姿にアリシアとルイサがもらい泣きしはじめる。この二人だけではない。イザベルもビビアナもアイダも相当に無理をしているのだ。
少年が収容された詳しい事情はわからない。少なくとも少年自身は相当窶れてはいたが発症していなかった。自ら進んで収容される事を選んだのか。とすれば何故。或いは父親の罪の責任を共に果たそうとしたのだろうか。
クレアルが落ち着くのを待って、朝からやらねばならない事を打ち合わせる。
事態は次のフェイズに移った。これから最優先とすべきは赤翼隊への対応だ。“人狩り”と恐れられてはいても、赤翼隊隊長シドニア伯ガスパールは正常な判断ができる男のように思う。いきなり街を包囲して火を放つような真似はしないだろう。それでも兵士達は暴走するかもしれない。暴走した集団心理への対応を誤れば危険なことは、十分承知している。
◇◇◇
翌朝、まだ日も登る前に、被害者達に掛けていた鎮静魔法を解いて順番に目覚めさせる。事情も分からず呆然としている被害者達に白湯を、次いで暖かい麦粥を食べさせる。治癒魔法の効果だろうか。数日から数週間は絶食していただろう胃腸にも、しっかりと食物は受け付けられたようだ。
皆に食事が行き渡り、置かれた状況についての疑問を口々に囁き出すのを待って、クレアルがゆっくりと話し出した。
「皆、よく今日まで耐えてくれた。皆の献身と自己犠牲、自らの命を賭して街の皆を守ろうとしたその勇気を、我が同胞は決して忘れないだろう。そして聞け!ここにアルカンダラから遣わされた魔物狩人とアルテミサ神殿の神官が在わす。こちらの方々こそが、我らの罪を濯いでくださったのだ。見よ!隣の友の、兄弟の、肉親の、そして我が同胞達の顔を。死を覚悟した我らが、すっかり癒えている。これこそが女神アルテミサの奇跡だ!」
クレアルの落ち着いた声が、被害者達の間に沁み渡っていく。
「助かった……のか?」
「本当に……もう魔物にならなくて済むのか……」
事態を把握し始めた者が呟き出す。
心得たとばかりにグロリアが演台に立ち上がった。
「我はアルテミサ神殿より遣わされたグロリア エンリケスじゃ!女神アルテミサの名において、汝らの受難が終わったことを宣言する!女神アルテミサを讃えよ!」
被害者達がドッと湧き立つ。
同時にイザベルが高周波ブレードを駆使して扉を開いた。
扉の外には多くの住民が集まっていた。あらかじめクレアルが呼び集めていたのだ。
その前にソフィアが進み出る。
「マルチェナの皆さん。収容されていた全ての怪我人は治癒しました。取り憑いていた魔物も全て浄化されました。もう心配いりません。女神アルテミサに賛美を!そして皆さんの愛する者を抱きしめてあげてください!この街は浄化されました!」
紺色の神官服を身に纏ったソフィアによる宣言は絶大な効果をもたらした。
名を呼びながら次々と室内に入っていくのは収容者の身内や家族だろう。
それ以外の住民達は、口々にアルテミサの名を呼びながらソフィアを付し拝む。
「皆さんにご紹介します。此度の奇跡をもたらしたアルテミサ神殿から遣わされたグロリア エンリケス様、そしてアルカンダラ王立魔物狩人養成所教官にして巡検師たるイトー カズヤ様です!お二人に感謝を!」
誓って言うが最後のクダリは筋書きにはないものだ。ソフィアが紹介するのはグロリアだけだったはずなのだ。
住民達の熱い視線が俺にまで向けられて、俺は天を仰ぐしかなかった。
◇◇◇
その夕方である。
赤翼隊がマルチェナに辿り着き、あっという間に街を包囲した。まったく見事な手並みだ。大慌てで俺達も配置に着く。皆の服も装備もいつもどおりだが、俺だけが正装、つまり黒のトラウザーズに薄いブルーのワイシャツ、黒のベルトにネクタイ、グレーのジャケット。黒の編み上げブーツ、肩章の縁取りと同じ赤いベレー帽を被り、白いガンベルトにはUSPハンドガンを装着したスタイルだ。何のことはない、オフ会のネタとして揃えたドイツ連邦軍の軍服である。
「さてと。ここまではカズヤの予想どおりだが、どう出てくると思う?」
門の両隣に併設された物見櫓の上で様子を窺いながらカミラが囁く。
ちなみにこちら側の櫓には俺とカミラ、マルチェナ衛兵隊副隊長のエウリコ クレアル、反対側にはソフィアとビビアナが陣取っている。アリシアとアイダ、イザベルとルイサ、それにグロリアとフェルは万一に備えて街の人々と一緒に広場にいる。仮に赤翼隊が暴走し、門で食い止めることが出来なければ、彼女達が街の人々を守る最後の盾になる。
「そうだな。代表者が口上を述べるぐらいはするだろう。ガスパールが出張ってくると思うか?」
「彼奴ならいいが。私とソフィアでどうにでもなる」
伯爵の肩書きを持つ貴族様を“どうにでもなる”呼ばわりするのも如何かと思うが、どうやらこの3人の間には何やら曰くがあるらしい。
果たして、数名の大楯兵と副官のルイスを従えて進み出たのはシドニア伯ガスパールその人であった。
アリシア達の魔力が尽きる前に、何とか治療を終える事ができたのである。時間を置いてスキャンしても、誰も澱んだ魔力反応を示す者はいなくなった。
ルイサとグロリアのちびっ子達、イザベルやアイダのような治癒魔法に秀でていない子達も、風魔法で換気をしながら被害者達の身体を拭き部屋の掃除をするなど献身的に働いてくれた。
一段落した頃には夜半過ぎになっていた。
室外で待機していたクレアルを招き入れる。
彼の身内は件の少年だったようだ。彼はまだ眠っている少年に取り縋り、声を上げて泣く。その姿にアリシアとルイサがもらい泣きしはじめる。この二人だけではない。イザベルもビビアナもアイダも相当に無理をしているのだ。
少年が収容された詳しい事情はわからない。少なくとも少年自身は相当窶れてはいたが発症していなかった。自ら進んで収容される事を選んだのか。とすれば何故。或いは父親の罪の責任を共に果たそうとしたのだろうか。
クレアルが落ち着くのを待って、朝からやらねばならない事を打ち合わせる。
事態は次のフェイズに移った。これから最優先とすべきは赤翼隊への対応だ。“人狩り”と恐れられてはいても、赤翼隊隊長シドニア伯ガスパールは正常な判断ができる男のように思う。いきなり街を包囲して火を放つような真似はしないだろう。それでも兵士達は暴走するかもしれない。暴走した集団心理への対応を誤れば危険なことは、十分承知している。
◇◇◇
翌朝、まだ日も登る前に、被害者達に掛けていた鎮静魔法を解いて順番に目覚めさせる。事情も分からず呆然としている被害者達に白湯を、次いで暖かい麦粥を食べさせる。治癒魔法の効果だろうか。数日から数週間は絶食していただろう胃腸にも、しっかりと食物は受け付けられたようだ。
皆に食事が行き渡り、置かれた状況についての疑問を口々に囁き出すのを待って、クレアルがゆっくりと話し出した。
「皆、よく今日まで耐えてくれた。皆の献身と自己犠牲、自らの命を賭して街の皆を守ろうとしたその勇気を、我が同胞は決して忘れないだろう。そして聞け!ここにアルカンダラから遣わされた魔物狩人とアルテミサ神殿の神官が在わす。こちらの方々こそが、我らの罪を濯いでくださったのだ。見よ!隣の友の、兄弟の、肉親の、そして我が同胞達の顔を。死を覚悟した我らが、すっかり癒えている。これこそが女神アルテミサの奇跡だ!」
クレアルの落ち着いた声が、被害者達の間に沁み渡っていく。
「助かった……のか?」
「本当に……もう魔物にならなくて済むのか……」
事態を把握し始めた者が呟き出す。
心得たとばかりにグロリアが演台に立ち上がった。
「我はアルテミサ神殿より遣わされたグロリア エンリケスじゃ!女神アルテミサの名において、汝らの受難が終わったことを宣言する!女神アルテミサを讃えよ!」
被害者達がドッと湧き立つ。
同時にイザベルが高周波ブレードを駆使して扉を開いた。
扉の外には多くの住民が集まっていた。あらかじめクレアルが呼び集めていたのだ。
その前にソフィアが進み出る。
「マルチェナの皆さん。収容されていた全ての怪我人は治癒しました。取り憑いていた魔物も全て浄化されました。もう心配いりません。女神アルテミサに賛美を!そして皆さんの愛する者を抱きしめてあげてください!この街は浄化されました!」
紺色の神官服を身に纏ったソフィアによる宣言は絶大な効果をもたらした。
名を呼びながら次々と室内に入っていくのは収容者の身内や家族だろう。
それ以外の住民達は、口々にアルテミサの名を呼びながらソフィアを付し拝む。
「皆さんにご紹介します。此度の奇跡をもたらしたアルテミサ神殿から遣わされたグロリア エンリケス様、そしてアルカンダラ王立魔物狩人養成所教官にして巡検師たるイトー カズヤ様です!お二人に感謝を!」
誓って言うが最後のクダリは筋書きにはないものだ。ソフィアが紹介するのはグロリアだけだったはずなのだ。
住民達の熱い視線が俺にまで向けられて、俺は天を仰ぐしかなかった。
◇◇◇
その夕方である。
赤翼隊がマルチェナに辿り着き、あっという間に街を包囲した。まったく見事な手並みだ。大慌てで俺達も配置に着く。皆の服も装備もいつもどおりだが、俺だけが正装、つまり黒のトラウザーズに薄いブルーのワイシャツ、黒のベルトにネクタイ、グレーのジャケット。黒の編み上げブーツ、肩章の縁取りと同じ赤いベレー帽を被り、白いガンベルトにはUSPハンドガンを装着したスタイルだ。何のことはない、オフ会のネタとして揃えたドイツ連邦軍の軍服である。
「さてと。ここまではカズヤの予想どおりだが、どう出てくると思う?」
門の両隣に併設された物見櫓の上で様子を窺いながらカミラが囁く。
ちなみにこちら側の櫓には俺とカミラ、マルチェナ衛兵隊副隊長のエウリコ クレアル、反対側にはソフィアとビビアナが陣取っている。アリシアとアイダ、イザベルとルイサ、それにグロリアとフェルは万一に備えて街の人々と一緒に広場にいる。仮に赤翼隊が暴走し、門で食い止めることが出来なければ、彼女達が街の人々を守る最後の盾になる。
「そうだな。代表者が口上を述べるぐらいはするだろう。ガスパールが出張ってくると思うか?」
「彼奴ならいいが。私とソフィアでどうにでもなる」
伯爵の肩書きを持つ貴族様を“どうにでもなる”呼ばわりするのも如何かと思うが、どうやらこの3人の間には何やら曰くがあるらしい。
果たして、数名の大楯兵と副官のルイスを従えて進み出たのはシドニア伯ガスパールその人であった。
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