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189.威力偵察①(8月16日)
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ドローンによるマルチェナの街の監視をアリシアに任せて、俺達は野営の準備を進める。
“監視などせずとも転移魔法で一気に街中に進出すればいい”
アイダはそう考えたようだが、リスクが大きすぎると判断した。もしかしたら街ごと屍食鬼が乗っ取っている可能性だってあるのだ。
街の門を監視するには今いる森の切れ目の小高い丘の上がベストポイントだ。その周囲に土魔法で深さ2mの堀と高さ2mの土塁を築く。都合4mの土壁である。屍食鬼の運動能力がどれほどのものかわからないが、4mの高さを易々と乗り越えられるのなら街の門に取り付いたりはしないはずだ。
結果として中央に停めた荷馬車から見れば半径5m、高さ2m、土塁の厚さ2mの簡単な砦が出来上がった。土塁の上端は外側を土手状にしたから誤って外に落下することもないし、G36VやPSG-1のバイポットも展開できる。
魔物が弓矢などの飛び道具を使うとは考えにくいが投石はあるかもしれない。上空には細かい網状の結界魔法と風の障壁を張って、飛来物に備える。
そうこうしているうちにすっかり日が翳りはじめ、周囲の探索兼食糧調達に行っていたイザベルとルイサが戻ってきた。
「うわぁ……街みたいになってる……」
「街は言い過ぎじゃない?でもこれで監視に専念できるってもんよ。あ、真ん中にお風呂欲しい」
お風呂はともかく、下水の行き先を確保して井戸を掘ればしばらく篭っていられるかもしれない。いや、士気の確保には風呂も必要だろうか。そういえば娘達には最近水浴びしかさせてやれていない。
「ねぇ、気付いてます?」
「もちろん。ビビアナも?」
イザベルとビビアナがこっちを見る。
周囲の魔力反応が増加したのを2人も察したようだ。
「街の東から魔物が近付いている。反応は……10体、いや15体か」
「東から……アリシアさん、ドローンの目で見えませんの?こちらからは街の影になって」
「ちょっと待って。一旦戻さないと飛べなくなっちゃうの!」
折悪く充電切れになるところらしい。アリシアが懸命な操縦でドローンを帰投させる。
「日暮れが近い。ドローンを飛ばすのはラストチャンスだ」
予備のバッテリーを渡しながらアリシアに告げる。
「らすとちゃんす?わかりました!」
本当にわかったのだろうか。どうにもカタカナ表記される表現を使うと、娘達は小首を傾げる傾向がある。ニュアンスを汲み取って理解し行動してくれるから支障はないのだが、気を付けなければ。
それはそうと、アリシアが手早くドローンのバッテリー交換を行い再び飛翔させる。
ドローンは街を飛び越え、こちらからは見えない景色をモニターに映し出す。
高度50mからの鳥瞰図、その一点に映ったのはゆっくりとこちらに向かう何かの集団だった。
「近付いてくれ」
「了解です」
モニターの正面に陣取ったアリシアがドローンを慎重に近付けていく。
「これがネクロファゴ……」
娘達が息を呑む。
モニターに映し出されたソレは、全身が死斑のような黒っぽい紫色の人間の形をした何かであった。
◇◇◇
モニター越しのソレは肩や腕に傷を負った者が多く、足を引き摺る者もいる。欠損した者は見当たらないが、単に移動できないだけなのかもしれない。
先頭を進む3体は鎖帷子を着用しボロボロになった濃い小豆色のマントを纏っている。
「これで8人の内6人は見つかったわけだ。カズヤ、こいつらにも治癒魔法が効くと思うか?」
「わからないな。試してみるには近付いてみるしかないか」
わからないとは言ってみたが、正直なところ効くとは思っていない。治癒魔法は自身の治癒力を最大限にまで引き出す魔法だと考えている。生命活動が停止した屍に効果があるはずもないのだ。
「んじゃ試してみる。ビビアナ、治癒魔法をお願い」
イザベルがPSG-1のマガジンをビビアナに手渡す。
ビビアナは小首を傾げながらも15発のAT弾が装填されたマガジンを受け取り、魔法を掛けてイザベルに渡した。
「方向はこっちだよね。ドローンの高度は?」
「20メートルだよ」
「んじゃこれくらいでいいか。いっくよ~」
土手の上にPSG-1を45度弱の角度に据えたイザベルが、いささか気の抜ける掛け声と同時に1発撃つ。
「なんですの?そんな明後日の方向に……」
「しっ!黙って」
イザベルに話し掛けようとするソフィアをカミラが制する。
イザベルはドローンが映し出す映像をじっと見つめる。
「そこだっ!」
イザベルが叫ぶと同時に、先頭の屍食鬼が光に包まれた。
◇◇◇
「ダメだね。転んだだけだ」
そうである。
ビビアナがAT弾に込めてイザベルが放った治癒魔法は、一体の屍食鬼に発動したと思われる。だが起き上がったソレは何事も無かったように街に向かって歩き出した。
「次、浄化魔法をお願い」
「効くと思いまして?」
「どうかなぁ。でもやってみる」
イザベルが今度は浄化魔法を込めたAT弾を屍食鬼に叩き込む。治癒魔法の発現よりも眩い光に包まれたソレはもがき苦しむ様子を見せるが、その前進を止めるには至らない。
「う~ん。ダメか」
「この距離を狙いも付けずに攻撃できますの?」
「練習したからね!」
「いやいや、練習もしたんだろうけど固有魔法のおかげだろ」
ソフィアの呟きに笑顔で答えるイザベルがアイダにツッコまれるのはよくあるパターンだ。
「やれやれ。見えもしない目標を撃破できるのなら、もう全部倒せばいいじゃないか」
文字通り肩を竦めるカミラだが、続くイザベルの言葉に今度は肩を落とした。
「あの数は無理。そもそも“必中”は1日で使える回数制限があるからね。数を減らすことはできても全部は無理だ」
それも当然だ。魔法の難易度と魔力消費量は密接に関係している。特に固有魔法発動時の魔力残量は文字通り“みるみる減っていく”感覚があるらしい。いかにイザベルといえどもそう何度も使えるものではない。
「イザベル、あと何回使える?」
「う~ん……この距離で見えない目標だから……3回かな。目で見えてさえいれば全部倒せるけど」
「じゃああと2回だけ頼めるか。ビビアナ、1発に治癒と浄化を重ね掛けしてくれ」
「了解ですわ。残り1回はどうしますの?」
「加えて貫通魔法も併用してみよう」
「それって……」
「近距離で有効な打撃が見つからないなんて事態は避けたいからな。できることは試してみたいが、イザベル、頼めるか?お前にばかり負担が掛かることになる」
この小柄なハーフエルフの少女は普段は疲れたとか眠いとかお腹空いたとか文句ばかり言っているが、こここういう場面では弱音を吐かない。だからこそ不安にもなる。
「大丈夫。これは私にしかできないし、あの硬いグサーノの時みたいなのは嫌だからね!」
娘達の脳裏にはイリョラ村を襲った巨大イモムシが蘇っているに違いない。あの時はルシアが大剣を上空100mから突き刺してなんとか倒したが、巨大イモムシが迫ってくる時の無力感と言ったら半端なものではなかった。
「そ・れ・に・、魔力が尽きたら今夜はお兄ちゃんと一緒に眠れるでしょ」
わざわざ俺の耳元に寄せたイザベルの唇から発せられる声が耳をくすぐる。
「こらイザベルちゃん!目的を間違えないで!」
ドローンをホバリングさせながら、アリシアがイザベルを睨む。
「わかってるって。じゃあ治癒と浄化、行くよ!」
イザベルが放った次弾は2番手の屍食鬼の肩に命中するが、目立った変化はない。
「ダメですわね」
「う~ん。完全にネクロファゴになっちゃうと、もうどうしようもないのかも」
「そのようだな。すまんイザベル。あの魔物を殺す。頼めるか」
「了解。いつまでも魔物になったままってのも可哀想だし。任せて」
イザベルは大きく深呼吸してトリガーに指を掛ける。
この引き金を引かせるのは俺だ。思わずイザベルの肩に手を置く。小さな肩が僅かに震えている。
「行くよ」
小さな声と共に発射されたAT弾が、モニターの向こう側で屍食鬼の肩口に食い込んだ。
“監視などせずとも転移魔法で一気に街中に進出すればいい”
アイダはそう考えたようだが、リスクが大きすぎると判断した。もしかしたら街ごと屍食鬼が乗っ取っている可能性だってあるのだ。
街の門を監視するには今いる森の切れ目の小高い丘の上がベストポイントだ。その周囲に土魔法で深さ2mの堀と高さ2mの土塁を築く。都合4mの土壁である。屍食鬼の運動能力がどれほどのものかわからないが、4mの高さを易々と乗り越えられるのなら街の門に取り付いたりはしないはずだ。
結果として中央に停めた荷馬車から見れば半径5m、高さ2m、土塁の厚さ2mの簡単な砦が出来上がった。土塁の上端は外側を土手状にしたから誤って外に落下することもないし、G36VやPSG-1のバイポットも展開できる。
魔物が弓矢などの飛び道具を使うとは考えにくいが投石はあるかもしれない。上空には細かい網状の結界魔法と風の障壁を張って、飛来物に備える。
そうこうしているうちにすっかり日が翳りはじめ、周囲の探索兼食糧調達に行っていたイザベルとルイサが戻ってきた。
「うわぁ……街みたいになってる……」
「街は言い過ぎじゃない?でもこれで監視に専念できるってもんよ。あ、真ん中にお風呂欲しい」
お風呂はともかく、下水の行き先を確保して井戸を掘ればしばらく篭っていられるかもしれない。いや、士気の確保には風呂も必要だろうか。そういえば娘達には最近水浴びしかさせてやれていない。
「ねぇ、気付いてます?」
「もちろん。ビビアナも?」
イザベルとビビアナがこっちを見る。
周囲の魔力反応が増加したのを2人も察したようだ。
「街の東から魔物が近付いている。反応は……10体、いや15体か」
「東から……アリシアさん、ドローンの目で見えませんの?こちらからは街の影になって」
「ちょっと待って。一旦戻さないと飛べなくなっちゃうの!」
折悪く充電切れになるところらしい。アリシアが懸命な操縦でドローンを帰投させる。
「日暮れが近い。ドローンを飛ばすのはラストチャンスだ」
予備のバッテリーを渡しながらアリシアに告げる。
「らすとちゃんす?わかりました!」
本当にわかったのだろうか。どうにもカタカナ表記される表現を使うと、娘達は小首を傾げる傾向がある。ニュアンスを汲み取って理解し行動してくれるから支障はないのだが、気を付けなければ。
それはそうと、アリシアが手早くドローンのバッテリー交換を行い再び飛翔させる。
ドローンは街を飛び越え、こちらからは見えない景色をモニターに映し出す。
高度50mからの鳥瞰図、その一点に映ったのはゆっくりとこちらに向かう何かの集団だった。
「近付いてくれ」
「了解です」
モニターの正面に陣取ったアリシアがドローンを慎重に近付けていく。
「これがネクロファゴ……」
娘達が息を呑む。
モニターに映し出されたソレは、全身が死斑のような黒っぽい紫色の人間の形をした何かであった。
◇◇◇
モニター越しのソレは肩や腕に傷を負った者が多く、足を引き摺る者もいる。欠損した者は見当たらないが、単に移動できないだけなのかもしれない。
先頭を進む3体は鎖帷子を着用しボロボロになった濃い小豆色のマントを纏っている。
「これで8人の内6人は見つかったわけだ。カズヤ、こいつらにも治癒魔法が効くと思うか?」
「わからないな。試してみるには近付いてみるしかないか」
わからないとは言ってみたが、正直なところ効くとは思っていない。治癒魔法は自身の治癒力を最大限にまで引き出す魔法だと考えている。生命活動が停止した屍に効果があるはずもないのだ。
「んじゃ試してみる。ビビアナ、治癒魔法をお願い」
イザベルがPSG-1のマガジンをビビアナに手渡す。
ビビアナは小首を傾げながらも15発のAT弾が装填されたマガジンを受け取り、魔法を掛けてイザベルに渡した。
「方向はこっちだよね。ドローンの高度は?」
「20メートルだよ」
「んじゃこれくらいでいいか。いっくよ~」
土手の上にPSG-1を45度弱の角度に据えたイザベルが、いささか気の抜ける掛け声と同時に1発撃つ。
「なんですの?そんな明後日の方向に……」
「しっ!黙って」
イザベルに話し掛けようとするソフィアをカミラが制する。
イザベルはドローンが映し出す映像をじっと見つめる。
「そこだっ!」
イザベルが叫ぶと同時に、先頭の屍食鬼が光に包まれた。
◇◇◇
「ダメだね。転んだだけだ」
そうである。
ビビアナがAT弾に込めてイザベルが放った治癒魔法は、一体の屍食鬼に発動したと思われる。だが起き上がったソレは何事も無かったように街に向かって歩き出した。
「次、浄化魔法をお願い」
「効くと思いまして?」
「どうかなぁ。でもやってみる」
イザベルが今度は浄化魔法を込めたAT弾を屍食鬼に叩き込む。治癒魔法の発現よりも眩い光に包まれたソレはもがき苦しむ様子を見せるが、その前進を止めるには至らない。
「う~ん。ダメか」
「この距離を狙いも付けずに攻撃できますの?」
「練習したからね!」
「いやいや、練習もしたんだろうけど固有魔法のおかげだろ」
ソフィアの呟きに笑顔で答えるイザベルがアイダにツッコまれるのはよくあるパターンだ。
「やれやれ。見えもしない目標を撃破できるのなら、もう全部倒せばいいじゃないか」
文字通り肩を竦めるカミラだが、続くイザベルの言葉に今度は肩を落とした。
「あの数は無理。そもそも“必中”は1日で使える回数制限があるからね。数を減らすことはできても全部は無理だ」
それも当然だ。魔法の難易度と魔力消費量は密接に関係している。特に固有魔法発動時の魔力残量は文字通り“みるみる減っていく”感覚があるらしい。いかにイザベルといえどもそう何度も使えるものではない。
「イザベル、あと何回使える?」
「う~ん……この距離で見えない目標だから……3回かな。目で見えてさえいれば全部倒せるけど」
「じゃああと2回だけ頼めるか。ビビアナ、1発に治癒と浄化を重ね掛けしてくれ」
「了解ですわ。残り1回はどうしますの?」
「加えて貫通魔法も併用してみよう」
「それって……」
「近距離で有効な打撃が見つからないなんて事態は避けたいからな。できることは試してみたいが、イザベル、頼めるか?お前にばかり負担が掛かることになる」
この小柄なハーフエルフの少女は普段は疲れたとか眠いとかお腹空いたとか文句ばかり言っているが、こここういう場面では弱音を吐かない。だからこそ不安にもなる。
「大丈夫。これは私にしかできないし、あの硬いグサーノの時みたいなのは嫌だからね!」
娘達の脳裏にはイリョラ村を襲った巨大イモムシが蘇っているに違いない。あの時はルシアが大剣を上空100mから突き刺してなんとか倒したが、巨大イモムシが迫ってくる時の無力感と言ったら半端なものではなかった。
「そ・れ・に・、魔力が尽きたら今夜はお兄ちゃんと一緒に眠れるでしょ」
わざわざ俺の耳元に寄せたイザベルの唇から発せられる声が耳をくすぐる。
「こらイザベルちゃん!目的を間違えないで!」
ドローンをホバリングさせながら、アリシアがイザベルを睨む。
「わかってるって。じゃあ治癒と浄化、行くよ!」
イザベルが放った次弾は2番手の屍食鬼の肩に命中するが、目立った変化はない。
「ダメですわね」
「う~ん。完全にネクロファゴになっちゃうと、もうどうしようもないのかも」
「そのようだな。すまんイザベル。あの魔物を殺す。頼めるか」
「了解。いつまでも魔物になったままってのも可哀想だし。任せて」
イザベルは大きく深呼吸してトリガーに指を掛ける。
この引き金を引かせるのは俺だ。思わずイザベルの肩に手を置く。小さな肩が僅かに震えている。
「行くよ」
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