上 下
425 / 554

先祖の時代

しおりを挟む

            中は真っ暗だった。

「な、何なんだこれは?」

「分かりませんが、少なくとも、今までとは何か雰囲気が違いますね…」

すると、部屋の奥のほうから、声がしてきた。

『生体反応を確認。
これから、所有者の確認に入ります。』

すると、前方から赤い閃光が光ってきた。

「な、何なんだこれは…」

その光が体に当たっても、何も変化が起こらなかった。

しかし、声の反応は変わった。

『生体反応の分析中……
完了。
この部屋への入室が許可されし者は、1名。
もう1名を排除します。』

そして、部屋の四隅から、剣が飛び出てきた。

領主は、見えていなかったが、それでも音で何かが高速で体の近くを通っていることが分かったので、身の危険は感じることが出来た。

(嵌められた!?)

そう思ったのだが、しばらく経って、自信が何も食らっていないのに、音がやんだことが分かったのだった。

(な、なんだったんだ?)

しかし、音がやんで、しばらくしてから、部屋の中に、光が差し込んできた。

(な、なんだったんだ?)

しかし、何が行われていたかは、すぐに分かることになった。

「お、おい。いったい何があったんだ?」

領主が従者に聞いたが、返事は何も返ってこなかった。

「どうしたのだ?」

そして、彼が元々、従者のいたほうを向くと、そこには木っ端微塵になった肉片があった。

「お、おい。
まさか…」

『真なる所有者よ。
汝がここに訪れたということは、我が一族に何かしらの問題が起きたのだろう。
しかし、安心しろ、お前の先祖は、力強きものだ。
そう、私はかつて、この国で英雄と呼ばれし者だ。
私はかつて、他国の兵に文字通り一騎当万をやっていた。
そして、私は武器などのアイテム作りに関してもある程度の才能があった。
だからこそ、我が一族は途絶えてはいけない。
血が薄まったとはいえ、私の子孫なのだ。
簡単に死なれては困る。
だからこそ、汝には我が作ったアイテムを授けよう。
鑑定でもして、自分にあったものを選べ。
このメッセージの終了とともにロックを解除しておこう。』

そう言った後、声は聞こえてこなくなってしまった。

そして、からは気がついていないが、来るまでに、勝手にアイテムを取ろうとしていては、防衛システムに殺されてしまっていたのだった。

「な、なるほどな…それでは、アイテムを取っていくか…」

しかし、彼には鑑定のスキルは使えなかった。

なぜ、先祖様が自身の血を含んでいない者を殺したのかというと、先祖は自身の血を含んでいないものは、勝手についてきたものであって、彼を助けるための人とは思わなかったのだ。

それもそのはず、彼の時代では、鑑定のスキルを使えないものなどいないといわれているほど、全人類が今以上に平和ボケをしていないで、完全に訓練をしていたのだった。

女であっても、鑑定なんかは、10歳になるまでには覚えているような必須スキルであったのだった。

「し、仕方がない。
もしかすると、ここから一旦出てしまっては、また最下層まで潜らなくてはいけなくなってしまうので、自分で取っていくか。」

そして、彼は階段に戻って、適当にアイテムを持っていくのだった。
        
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています

もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。 使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。

称号は神を土下座させた男。

春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」 「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」 「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」 これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。 主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。 ※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。 ※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。 ※無断転載は厳に禁じます

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“  瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  だが、死亡する原因には不可解な点が…  数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、 神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

ゴミスキルでもたくさん集めればチートになるのかもしれない

兎屋亀吉
ファンタジー
底辺冒険者クロードは転生者である。しかしチートはなにひとつ持たない。だが救いがないわけじゃなかった。その世界にはスキルと呼ばれる力を後天的に手に入れる手段があったのだ。迷宮の宝箱から出るスキルオーブ。それがあればスキル無双できると知ったクロードはチートスキルを手に入れるために、今日も薬草を摘むのであった。

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

処理中です...