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過剰な自信家

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            アインは今、この後どうしようか悩んでいた。

(この貴族に、僕がこの屋敷に入るのを阻止されることは、何とか防げたけど、嘘をついて入ってきたものが、狙っていた子の婚約者って言うのは、怒るだろうな…)

アインがそんな事を考えている間にも、目の前にいる当主は、手紙を読み始めていた。

「何々?『今回は、我が娘の婚約が速く結ばれることになった。
そのため、もう少しで結婚式をすることも決まっている。
申し訳ないが、そういうことだから、娘とそなたの息子の結婚に関しては、あきらめてもらいたい。』だと!?」

王からしても、いい加減うっとうしいと思っていたので、王も子の手紙に関しては、自分から進んで書いてくれた。

しかし、こんなことしても良いのかと思ったのだが、元々、最近のリリスとの婚約に執着してからは、元々ありえないくらいの赤字を出しており、そろそろ爵位を1つ下げて良いレベルで、子の国に大きなダメージを与えていたのだ。

だからこそ、今回の事はチャンスでもあった。

この事実をしっかりと受け止め、元に戻ってくれれば、なかなか作ってしまった赤字は消えないだろうが、それでもこれまでのように安定した収入を得る貴族に戻ってくれるだろうと考えて、王はチャンスを出したのだ。

しかし…

「な、何だと…我が息子を放っておいて、他の男と結婚をするだと!?」

本人が目の前にいるというのに、そんな事を気にもしていないかのように、大声でそのようなことを言った。

「隣国の王だ?元々、世界ランク3位のこの国が今さら外交に力を入れる必要もあるのか!
いや、無いはずだ!」

実際には、その隣国というのが世界ランク1位で、しかも、リリス本人の前でそんな事を言ってしまえば、戦争によって物事を解決しようとするものだと、王政のほうに、警戒されてしまうのに、それでも、彼は言い放った。

「結局、王女もただの女か。権力が高いだけの男に群がるような野蛮なものだったのだな。」

この発言は、完全に罪にとらわれる発言だ。

そもそも、王族の婚約に関しては、基本的に下のものは何も言わないで、従うべきなのに、それを何とか見逃しておいてやったのに、無視し続ければ、非難を浴びせてくる。

そして、この国のトップである王族に対する暴言、侮辱、これに関しては、完璧に不経済といっても良いだろうし、内容によっては、国家反逆罪を言い渡されても仕方は無いような状態だった。

「元々、今回はすぐに変えるつもりではなかったのだろう?ならば、ここで死んでもどの街でやられたかわからないよな!
この国のトップに貴様のような屑はいらない!
ここでその首を貰い受ける!」

アインからしてみれば、完全に貴族のほうが屑なのだが、そんな事を今の彼に行ったところで、何の効果もないだろう。

息子を愛しているのか、それとも、自分の遺伝子を受けているのだから、優秀だと信じてやまないのかは知らないが、とにかく、彼はどこから出てくるか分からないような自信があるらしい。

しかし、そんなもの、自身であって実力ではない。

だからこそ、今回の報告でこのようなものたちを排除して行き、安全に結婚が出来る体制を作り上げることにしたのだった。

「みんな。飛ぶよ。」

それに、アインがここでしたかったことはすでに達成されたので、アインは一旦バルバロット帝国のとある装置に向かって転移したのだった。
        
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