上 下
408 / 554

排除できない脅威

しおりを挟む

            そして、4人は、王の私室にやってきた。

「今日は誰も来客がないの?」

「そう言っていたわ。」

何も、王というのは常に玉座の間にいるわけではない。

もちろん休みがあって、自室もあるのだ。

「それじゃあ、中に入ろうか。」

そういったアインは、深呼吸をした後に、扉をノックした。

「誰だ?」

「アインです。久しぶりです。」

「おお、アイン君か。
中に入って良いぞ。」

そういわれたので、アインは扉を開け、中に入っていった。

「ん?何だ?3人も一緒なのか?」

アインの声しかしていなかったので、王は、アインしかいないと思っていたので、少しだけ驚いていた。

「ええ、まぁ、今回は大事な話があるので。」

アインのその言葉を聞いて、王は、真顔に戻った。

「どんな話だ?」

「重大な話なんですが、そんなに深刻にはならなくて良いです。
ただ、重大な話です。」

「そうか…それじゃあ、一旦座りたまえ。」

そして、4人は私室にあった、ソファーに座った。

「それで、どんな話だ?」

「実は…娘さんとの結婚を早めていただきたいのです。」

「何だと?それはまた何故?」

「私は、今まで、いろいろな大陸に行って、さまざまな問題を解決してきました。
しかし、これからは、その問題を解決した国の先を見届けなければいけません。
そのため、これから先、僕にはさまざまな責任という問題が来るでしょう。
その時に、支えてくれるものが近くにいたほうが良いのです。
それに、なるべく早く、こちらの生活にも慣れてもらいたいのです。」

「しかし、こんなに早い結婚、世間が認めるか分からないし、それに、わが国の貴族にも、どう説明したほうが良いか…」

「それに関しては、私の国のほうは大丈夫です。
私に反抗するものはいないので。」

これだけ聞くと、大粛清でもしたかのようだが、そうではなく、基本的に、バルバロット帝国民に関しては、殆どの人がアインに国の行く末をゆだねているのだ。

「そうか…それでは、この国の貴族に関してはどうするのだ?
実を言うと、この国には、リリスは婚約しているといっているのに、それでも狙ってくるやからがいる。」

「そうなんですか…それは厄介な…」

「まぁ、そんな事いってきている貴族は大体、この国以外のことをあまり知らない貴族だがな。」

「どんな紹介をしているんですか?」

「隣国の王とだけ伝えている。
まぁ、それ以前に隣国とは仲が良いことだけ入っているがな。」

「それなのにリリスを狙うか…」

当の本人に関しては、自分の責任ではないはずなのに、どこかばつの悪そうな顔をしていた。

「う~ん。それほどまでにこの国に自信があるのか…」

「まぁ、この国の王としての責任として、例の国力ランキングみたいなものの、自国の順位を後悔することになっているのだが、それで、今回は3位だったので、この大陸では、無敵だと思っているのだろう。」

「それ以前に、前まではこの大陸以外のことを知りませんでしたからね。」

元々、他の大陸に関しては、確認されていなかったが、アインの力によって、他の大陸に行くことができ、そして、例の世界会議の人に見つかって、参加しているのだった。

しかし、それでも、世界で3位の国の貴族といえば、驕ってしまうのも仕方ないのかもしれない。

「まぁ、それでも地道に説得させて見せますよ。」

「そうか…がんばれよ。全ての貴族が穏やかな訳ではないからな。」

「はい。」

そう。何も全ての貴族が穏やかな訳ではない。

問題だと分かっていても、排除できないのが貴族なのだから・・・
        
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています

もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。 使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
 初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎  って、何故こんなにハイテンションかと言うとただ今絶賛大パニック中だからです!  何故こうなった…  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  そして死亡する原因には不可解な点が…  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのかのんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

おもちゃで遊ぶだけでスキル習得~世界最強の商人目指します~

暇人太一
ファンタジー
 大学生の星野陽一は高校生三人組に事故を起こされ重傷を負うも、その事故直後に異世界転移する。気づけばそこはテンプレ通りの白い空間で、説明された内容もありきたりな魔王軍討伐のための勇者召喚だった。  白い空間に一人残された陽一に別の女神様が近づき、モフモフを捜して完全復活させることを使命とし、勇者たちより十年早く転生させると言う。  勇者たちとは違い魔王軍は無視して好きにして良いという好待遇に、陽一は了承して異世界に転生することを決める。  転生後に授けられた職業は【トイストア】という万能チート職業だった。しかし世界の常識では『欠陥職業』と蔑まされて呼ばれる職業だったのだ。  それでも陽一が生み出すおもちゃは魔王の心をも鷲掴みにし、多くのモフモフに囲まれながら最強の商人になっていく。  魔術とスキルで無双し、モフモフと一緒におもちゃで遊んだり売ったりする話である。  小説家になろう様でも投稿始めました。

世界最強の強くてニューゲーム

ゼクト
ファンタジー
とある男はあるゲームが大好きだった。 そんな男が、画面に映し出された確認ボタンの内容を一切見ないで、始めてしまったことによって始まる、1つの物語… ある事情から世界で一番このゲームをやりこんでいる男による、その世界での最強物語、ゲームとの違いも感じる中で彼はいったい何を目指すのだろうか? R15は保険

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

処理中です...