上 下
397 / 554

習慣

しおりを挟む

            結果、アインは2人が帰ってくるまで、特に何もしていなく、久しぶりに何も考えない時間を得ていた。

「アイン君?」

そこに2人が帰ってきたのだが、アインは現状、何も考えていない。

もちろん、話しかけられれば、意識が元には戻ってくるが、2人は一回疑問を口にしただけで、そこからは何も言わなかった。

その後、30分くらいすると、アインの意識が戻ってきた。

「ふ~。久しぶりにこんな時間を使えたな。」

そして、アインは意識が戻った瞬間、すでに部屋の中に反応があることに気がついた。

「あれ?もしかして、もう帰ってた?」

「そうよ。」

アインにとっては、何で待っていてくれたのかが気になったので、聞いてみることにした。

「呼びかけてもらったら、いつでも反応できたんだけど、どうして待っててくれたの。」

「それは…」

「アイン君がいつも以上に真面目な顔だったしね。」

「そうそう。あんな顔見たこと無かった。」

真面目というより、何も考えていなかったので、真顔になっていただけだったのだが、自分たちが見たこと無いような表情をしているアインを2人は起こせなかったらしい。

「そうだったんだ。まぁ、これから先、何回かこれをやるかもしれないけど、話しかけて大丈夫だよ。
これは完全に時間を潰す作業だから。」

実際、何も考えなくなるのだから、アインにとっては、気がついたら時間が進んでいた状態だったのだ。

だからこそ、この状態のアインは本当に暇な状態なので、逆に話しかけてもらいたいくらいだった。

「それで、もう上がっていたんだね。」

しかし、そんな頃を今、言えるわけが無かったので、アインはいつでも話しかけて良いよというごまかしをして、その上、話を元に戻すことにした。

「うん。」

「結構前だけどね。」

「そんなに前にいたんだ。まぁ、上がったんなら後は暇な時間が続くだけだけど、何かしたいことってある?」

ここからは就寝時間まで暇になる。

アインはこの時間には、新たな魔法の研究をしていた。

現状、この世に存在する魔法は全て使えるので、アインにとってのこれ以上の強化というのは、新たなる魔法の閑静だったのだ。

しかし、その作業自体にはそもそもこだわりがあまり無く、イメージがわかなければまったく何も出来ないような作業なので、アインの心の中でも優先順位は最も低かった。

「う~ん。私たちも、アイン君が今日はなしがあるって言ってきたから、この場所で何かをしようとは思っていなかったんだよね。」

「そうなんだよ。だから、アイン君に任せようかな。」

アインはそういわれてしまったので、国内にある面白いものを思い出そうとした。

そして、面白いかは分からないが、世にも珍しいものは見せることが出来ると思った。

「それじゃあ、この城の地下に行こうか。
王国や他の国には無いものがあるし。」

そういうと、2人はアインの後を付いていった。

そして、厳重に固められた大きな扉の前に着いた。

「アイン君…中に何が入っているの?」

「安心して、別に危険なものが入っているわけじゃないから。」

そして、アインは扉を開けるのだった。
        
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています

もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。 使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。

称号は神を土下座させた男。

春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」 「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」 「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」 これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。 主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。 ※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。 ※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。 ※無断転載は厳に禁じます

ゴミスキルでもたくさん集めればチートになるのかもしれない

兎屋亀吉
ファンタジー
底辺冒険者クロードは転生者である。しかしチートはなにひとつ持たない。だが救いがないわけじゃなかった。その世界にはスキルと呼ばれる力を後天的に手に入れる手段があったのだ。迷宮の宝箱から出るスキルオーブ。それがあればスキル無双できると知ったクロードはチートスキルを手に入れるために、今日も薬草を摘むのであった。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“  瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  だが、死亡する原因には不可解な点が…  数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、 神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

処理中です...