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動き出す戦場

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            隊長が発動させた魔法具の効果によって、隊の周りは、大きな魔法の壁で覆われた。

「よし、これで一旦休めるな。
手の空いているものは、怪我をしたものの治療に当たれ!」

隊長の命令によって、隊は一旦安全になったように思われた。

しかし…

「隊長!魔法壁を張ったのに、カマイタチが収まりません!」

そう、カマイタチは魔法壁の中でも全然起きていたのだった。

「な、何故だ…魔法壁はカマイタチのような、少しでも攻撃性能があったら、自然のものでも防いでくれるのに…」

そう、本来魔法壁は使用者に対して、ダメージが入るようなものは基本的に全てをカットするのだった。

しかし、それがないということは…

???「一番良い状態じゃないか。楽になったぜ。」

例の声の正体は魔法壁を張られた後、すぐにカマイタチの強さを上げた。

「まさか…この中にいるのか!このカマイタチを発生させている奴が!?」

隊長も、そのことには気がついたが、それでも、多くの隊員を指揮する彼には、誰が犯人まではわからなかった。

その後も、カマイタチの正体は分からず、魔法壁内で、カマイタチが炸裂していった。

「隊長!この魔法壁解けないんですか!?」

「無理だ!この魔法壁は本来、休憩用に作られたものなので、発動から、一定の時間は解除できないようになっているんだ!」

そんな欠点がいまさら見つかったが、それでも、現状では、そんな事を気にしている時間は無かった。

そして、兵が何とか防御に徹して、ある程度疲弊をしてきたとき、魔法壁内で大きな出来事が起きた。

「隊長…」

「何だ?見ない顔だな。大丈夫か?カマイタチの被害にはあっていないのか?」

「ええ、大丈夫です。」

「そうか…それでは、持ち場に戻ることだ…
しばらくは動けないだろうからな。」

「そうですか…
ありがとうございます。






いえ、ありがとうございました。」

そして、隊長に近づいていた兵はいきなり大振りの剣を取り出し、その後、隊長の胸を貫いた。

「は?…は?」

隊長は、一瞬何が起きたのか分からなかったが、それでも、体が感じる痛みによって、現実を見させられた。

「お前…どういうことだ…」

「どういうことも何も、このカマイタチの正体だといえば一番理解が早いでしょうか?」

「まさか…」

隊長は、この時点で他の兵にこの事を伝えようとしたが、なぞの兵は隊長ののどを潰した。

「困るのですよ。これでもアサシン。
静かにやりたいのです。」

彼は大振りの剣を持っていて、ばれそうだったが、隊長は他の兵とは一定の距離をとって、全体を俯瞰していたので、他の兵からは気づいてもらえなかったのだった。

「安心してください。
彼らもすぐに貴方の元に送ってあげますよ…」

そんな言葉を聴きながら、隊長の意識は闇の中に消えていったのだった…

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