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同盟宣言

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            そして、彼女は、悲しい過去を語り始めた。

「あれは、わたしがまだ10歳くらいのときでした…教会は、有望な子を見つけるために、いろいろな街や、むらを回っていたそうです。」

「それで…何が起こったの?」

「わたしが住んでいた村にも、教会はやってきました。そして言ったのです。」

『おお、彼女はすごい。こんなに素質が高い人間は久しぶりに見た。これは、即刻教育をせねば。』

「その女の子は、私の妹でした。そして教会は何も言わないまま、勝手に妹を協会に連れて帰ってしまったのです。」

「それは…ひどい。」

「ええ。しかし、そこが問題ではないのです。私は一回は妹が教会に連れていかれることに喜びました。」

「え!何で!」

「教会とは、いってしまえば最高の職場という肩書きがあったのです。確かに、妹をいきなり取られたことには大きなショックを受けましたが、妹が出世したと思ったら、うれしく思えたのです。」

そして、彼女の表情はさらに影を増していった。

「そして、私も妹に追いつこうと思って、教会に入ったのです。そして、妹を探すためにいろいろ聞きまわったのですが、なかなか見つかりませんでした。」

「あれだけ、才能が有るといわれていたのに?」

「ええ、なので、教会に所属している人の名前が記入されている大きな本を借りて、本気で探し始めました。すると…」

そこで、彼女は驚愕の言葉を言った。

「私の妹の名前はありました。最後のページ。教会もまだ3体しか作っていない。人工天使の欄に…」

アインは、人口天使の意味が分からなかったので、思い切って聞いてみた。

「人工天使って言うのは…」

「人工天使というのは、読んで字のごとく、人工的に天使を作る計画によって作られた作品です。」

実際、人工的に天使を作るといっているが、人工天使の力は天使よりも劣ってはいる。

しかし、それでもハイヒューマンが何人も束にならないと勝てないくらい強かった。

そして、この人工天使には大きな欠点があった。

「この人工天使は、教会が秘匿しているらしい魔法との相性がとても良くなくてはいけないのです。さらに…この人工天使は、完成させ、最初に戦闘をさせてから、10分以内に確実に死にます。」

そう、彼女の妹は、教会の実験に使われ、教会が過去に、国を攻めていた頃に、爆弾に変えられて、使われていたのだった。

「それは…教会はそこまで黒かったか…」

「ええ、最初は、無駄に金を集める組織だと思っていましたが、その事件を境に、私も教会に対する心構えが変わりました。」

「そして、今は、復讐を誓っていると…」

「そうです。今、わたしが生きている理由は、教会に復讐をするためだけです!なので、私を教会に帰してください。」

アインはそういわれたが、それを拒否することにした。

「それは出来ない。」

「な、何故!今の話を聴いた上で、さらに我慢しろというのですか!」 

「いや、復讐を誓うのは良いが、どうやって教会に復讐するつもりだったんだ?」

「それは、内部からだんだんと壊していって。」

「どうやって?」

「教会の教えを2つに分けます。そして、両軍で当たるのです。」

アインはなんとなく察しがついていたが、この計画は絶対に成功しないことが分かっていた。

「その計画は、確実に失敗する。」

「な、何故そんなことがいえるのですか!」

「だって、教会の中を2等分することは、いくら時間をかけても出来ない。なぜなら、あれは信仰がすごいのではなく、ただの洗脳だからだ。」

そう、信仰がすごいだけなら、その信仰を変えさせる希望も、まだあるが、洗脳はそのささやきを完全に遮断するので、絶対に成功しなかったのだった。

「そ、それなら私はどうすれば良いのですか!」

「僕と一緒に来て。そして、教会に負けないくらいの同盟を作るんだ。」

そう、アインは宣言をした。
        






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