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先手必勝!
しおりを挟むそして、会議が始まったが、特に話題も無いため、なかなか最初に話し出す人が現れなかった。
「あれ~?今回は皆しゃべらないね?メンバーが変わっちゃったから?」
「そうでしょうね。20人中6人が新メンバーなんです。今まで通りのようには行かないでしょう。」
「まぁ、それもそうだね~。」
主催者が何とか会話をさせようとしたが、全然話はつながっていかなかった。
「う~ん。こんなに膠着するとは…これは主催者の力が試されているのか?」
こんな感じで、基本的に陽気な主催者だったが、さすがに現状、このまま会議が終わるのはまずいと思ったのか、ある話題を出した。
「う~ん。本来はこんなに早くやることではないんだけど、早速やるか!土産交換~!」
主催者がそういった瞬間、元からいたメンバーは驚いていた。
「おいおい、まだ新入りで発表も最近の奴らにも、土産を持ってくるように言ってあったのかよ。」
「うん。そうだけど?」
「あんたが作った制度だけど、この土産交換の大切さ分かってるのか?」
「ああ、分かっているとも!この土産交換によって、その国の力を見せ付けるんだよ。自分で作った制度くらいは覚えてるよ。」
「分かっているのか…それじゃあ、何で発表されてからあまり日時が無かった新入りたちにも持たせるってのは酷じゃないのか?」
「そんなのは分かっているよ。だから、皆も今回の新入りたちの土産にはそこまで期待してあげないでね?しょぼくても、しょうがないことだから。」
そして、主催者だけには、全員の顔が見えているらしく、新入りたちが、最後に渡す形になるように、配慮をしてくれたようだ。
そして、元から居たメンバーは自国の力を見せ付けるために、このプレゼントには力を入れていて、高価な金属や弱い国では国宝になるくらいの武器を参加国に配っていた。
「よしよし、これで、元からいたメンバーは配り終わったな?…よし、それじゃあ、新入りたちも配り始めても良いぞ。」
そして、新入りのメンバーらしき黒い影も配り始めていた。
その中には、現金を渡している者もいたので、それでも良いんだとアインは安心した。
「あれ?君は配らないのかい?」
アインは席に座ったままだったので、主催者から話しかけられてしまった。
「ああ、配ります。…これは国力を示すので、上限はありませんよね?」
そして、アインのその一言によって、他の人は一斉にアインを見た。
「おいおい、新入りよ。それはどういうことだ?」
「あ、いえ。最初ということで、何を渡せば良いのか分からなかったので、現金にしたんですが、上限があるのか気になっただけです。」
「何だ。そういうことか。」
アインの言葉は俺は超金持ってるけど、上限とかあるの?引っかかりそうなんだけど。という風にも聞こえるのだった。
「無いぞ。言ってしまえば国自慢でもあるからな。上限があったら、それ以上自慢できないだろ。」
主催者からもそういわれたので、アインは全員の前に小さな袋を置き、こう言った。
「急遽、この会議に参加できることを知ったので、少しのお金しか用意できませんでした。僕が昨日1日で全力でモンスターを倒しまくったときにもらった報奨金と、自分がやっている商会の給料を合わせた額を皆様に渡しました。」
「何だこれは?こんなに少ないのか?」
その袋は一目見るだけでマジックアイテムでないことが分かるので、本当に少量しか入っていなかったのだ。
「ええ、それだけでは足りなかったのでしょうか?」
「当たり前だ!ぱっと見、30枚くらいしか入っていないじゃないか。」
「ええ、よく分かりましたね?30枚です。」
「よく分かりましたでは無い!なめているのか!」
アインはそういわれてしまったので、一言でその言葉を撤回させることにした。
「それでは中を見てください。」
そして、各国の王は袋の中を見た。
袋の中に入っていたのは全て黒金貨だった。
「これでも、足りないのでしょうか?」
アインは、会議早々、他国に対し、国力の差を見せ付けにかかった。
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