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憤怒と王

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           そして悪魔はすぐに帰ってきた。2対の悪魔を連れて…

「やぁ、帰ってきたよ。」

「本当に悪魔を追加で契約するのですね。」

「君にはそれができるからね。」

「そうなんですか…」

「それじゃあ、紹介するよ。こっちの女の子がサタン。憤怒を司る悪魔だね。昔はルシファーとも呼ばれていたんだけど、基本的にサタンって呼んであげてね。」

「よろしくお願いますね。これからは主に協力できるようにがんばりますね。」

「あれ?」

「どうしたの?」

「なんか、憤怒って聞いていたから怒っているイメージがあったんだけど…」

「そんなことは無いよ。だって、僕だって憂鬱を司っているけど、今は全然憂鬱な雰囲気を感じないでしょ?」

「た、確かに。」

「司っているものが何で感情かと言えば、僕たちはその感情になったときの反応が激しいんだ。」

「?どういうこと?」

「憤怒の彼女が一番分かりやすいんだけど、普段はおとなしい彼女は一回怒ってしまえば、全てを破壊しつくすまで暴走を続けるまさに憤怒の悪魔なんだ。」

「本当に、その当時の皆様には申し訳ないと思っているわ。」

「まぁ、こんな感じで、普段はおとなしいから安心してね。」

「わ、分かりました。」

そして、話題はもう1人の男性に移った。

「そして、彼が最後の契約者なんだけど…」

「どうかしたの?」

「魔界で君と契約をしたい人を募集したんだけど、まさか彼がくると思っていなかったから、なんて紹介すれば良いのか分からないんだ。」

「そうなの?」

「まぁ、僕の口から説明できることだけ話すね?」

「それで良いですよ。」

「彼の名はハデス。原初の悪魔さ。」

「原初の悪魔?それってどういう…」

「一番最初に生まれた悪魔にして、最強の悪魔。姿を現すことですら珍しいのに、何で今回は契約までしたのか、僕にも分からない。」

「そんな人と契約して、自分は大丈夫なんでしょうか?」

「大丈夫だと思うよ。彼は君に危害を加えるつもりは無いらしいから。それでも、君は悪魔と契約している人の中で最も敬うべき人になるね。」

「悪魔と契約している人ってそんなに居るのですか?」

「居るよ。それに、国民が全員悪魔と契約している国もあるくらいだから。」

「そ、そんな国が正常に回っているのですか?」

「ああ、さっきも説明したが、理性を完全に失う訳ではないからな。」

「そうでしたね。」

「それじゃあ、さっさと契約してみようか。」

しかし、ハデスは何もしゃべらない。

「よし、良いね。」

「え?良いの?」

「うん。ハデス様の意思はなぜか悪魔には伝わるから。」

「そうなんだ。」

「それじゃあ……はい。できたよ。」

「え?呪文は?」

「え?そんなの邪魔じゃん。とにかくもう大丈夫だよ。それじゃあ、現実に帰ってね~。」

そして、セノヴァは現実に戻ってきた。
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