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第4章
サイトウと稲荷大明神様 ⑤
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「ほら、俺らの番だぜ」
思ったよりも小さな社だ。屋根と鳥居に囲まれて、窮屈な感じ。
「見な」
サイトウが指差す方を振り向いて見、はな六は思わず「おわぁ!」と声を上げた。
「でかっ! 何でこんなところに“お飾り”が!?」
「おめぇよぉ。神様のもんに対して“お飾り”は失礼だんべ?」
「何で失礼なのさ? まさに飾ってあるのに」
「後で説明すらぁ。今はお祈りの時間だ」
はな六はしぶしぶ鈴緒の前に立ち、小さな社に向き合った。
「お賽銭入れねぇとな」
サイトウは懐から熨斗袋を取り出した。そして中から内袋を引き出すと、そのままぽいっと賽銭箱に放り込んだ。
「今の何?」
「あ? マサユキがくれた結婚祝い」
サイトウは、空の熨斗袋を上着の内ポケットに仕舞いながら、平然と言った。
「えー、それ丸ごと全部お賽銭しちゃったの!? せっかくマサユキがくれたのに!?」
「いいじゃねぇかよ、別によぉ。俺とおめぇが出逢えたことへのお礼と、ガキを授けて貰う為の金だ。これほどのご祝儀の有効活用法っちゃ、他にねぇだろ」
サイトウはケケケと笑った。はな六は別に金が惜しい訳ではないのだが、心が言い様のないモヤモヤに被われた。
「さてと。稲荷大明神様、昨年ははな六に出逢わしていただき、どうもありがとうございました」
神妙な顔で頭を垂れているサイトウを、はな六はこっそりと窺った。
「大明神様に結んで頂いたご縁、末長く大事にしていきますんで、どうか温かく見守ってください。そんでまた、今年も一つ、お願いを聞いていただけないでしょうか。どうか俺らの間にガ……じゃなかった、子供をお授けください、よろしくお願いします。絶対に、大切に育てますんで」
サイトウがはな六に視線を送って来た。どうやら“お前もお願いしろ”という意味らしい。それではな六も、
「お、お願いします」
と、深々と頭を下げた。そして鈴緒を掴み、ガラガラと鈴を鳴らす。それで帰るのかと思いきや、サイトウははな六の腰を捕まえて、引き寄せた。
「誓いのチューしようぜ」
サイトウが耳許で囁いた。
「えー、何それ」
「俺らが夫婦として、互いに手と手を取り合って生きてくっていう誓いだ」
「誓い?」
「そうだ。俺らはもう夫婦だ。はな六、おめぇもう、俺から逃げらんねぇぜ」
サイトウは神前には相応しくないどす黒く染まりきった目ではな六をじっと見詰めた。はな六は背中にびりっと電流のようなものを感じて震えた。
「あ……それって、サイトウも、おれから逃げられないってことだよね?」
「おぉ。逃げらんねぇよ。俺は二年前からずっと、永遠に、おめぇのもんだ」
サイトウの唇が、はな六の唇に押し当てられた。長い舌が唇を割り、口内に侵入してくる。本気の口付けに脳髄がとろけさせられ、身体中から力が抜ける。反対に、“お飾り”は身体中の全精力が集まったかのようにピンと立ち上がった。サイトウの腿がそこにぎゅっと押し当てられる。強い快感と痛みに、はな六は呻いた。目尻からぽろりと涙がこぼれた。はな六は必死に抵抗し、サイトウをなんとか引き離した。
「んー、やめてってばサイトウ! これ以上いたずらされたら、お漏らししちゃうよぉ」
サイトウはケケケと愉快そうに笑った。ふと振り向けば、すぐ後ろに並んでいた女の子達が目と口を丸くして唖然としており、彼女達の背後からこちらに向けてられていた携帯端末達が、ササッと引っ込んだ。
はな六はサイトウに腰を抱かれたまま、稲荷神社の裏手に連れて行かれた。裏手、とはいっても、そちらの方が日が差していて明るい。ちょうど社の背後、岩の上に天を指すように立つ細長い石があった。
(こんな所にも、お飾りが……)
これも神様のものなので“お飾り”と呼んではいけないのだろうと思い、はな六は口には出さなかった。
「ほれ、なでなでしな」
ちょっとたじろいだはな六の手首を、サイトウは掴んで、石の頂にはな六の掌を押し付けた。
「これをなでなですると、子供を授かるご利益があるんだってよ」
「へぇ」
はな六は言われるがまま石を撫でた。
「でもさぁ、子供を一番欲しがってるのはサイトウなんだから、サイトウが撫でた方がいいんじゃないの?」
「ケケケ、おめぇじゃなきゃ意味がねぇの」
「んー、どういうこと?」
「おめぇが嫁だからさ」
はな六とサイトウは歩き出した。サイトウの手はまだはな六の腰に回されている。境内には沢山の人々がまだ並んでおり、並んでいない人々はそこかしこで記念写真を撮ったり、立ち話に興じたりしていた。
「ねぇサイトウ。何でおれのお飾りは“お飾”りで、神様のあれは“お飾り”って呼んじゃいけないの?」
「あ? おめぇのお飾りちゃんは何も授けねぇけど、神様のはガキを授けてくれるからだよ」
「へぇ、何も授けないから“お飾り”かぁ。じゃあ、サイトウのだってマサユキのだって、人間のは神様のじゃないから“お飾り”でよくない? なのに何で、お客さんはあれを“お飾り”って呼んだら怒るのかなあ」
「そりゃおめぇ、人間のそれもガキを授けるからさ」
「んー? だったら、神様にお参りしてお願いしなくたっていいのに。サイトウも子供を授けられるんでしょ。だったら、それを使っておれに子供を授ければいいんだ」
するとサイトウはゲラゲラと笑い出した。笑いの発作は中々止まず、サイトウは腹を抱え、前のめりに倒れそうなほど笑い続けた。しまいには苦しそうにひぃひぃ言い出したので、はな六は慌ててサイトウの背中を擦った。
「サイトウ、大丈夫?」
「ひぃぃぃ、おめぇ頭がいいなぁ」
頭が良い、と褒められたはずなのに、何故だか逆に、頭が悪いと馬鹿にされたような気分。
「何で? ねぇ何で? サイトウ」
サイトウはやっとのことではな六の肩につかまりながら身体を起こした。通行人がチラチラとこちらを横目でうかがっている。どうもサイトウと歩くと、注目を浴びがちだ。
「はな六よぉ。俺様は毎日毎晩おめぇにガキを授ける行為をしてんだよ。それがセックスってヤツだよ。だが何度やったっておめぇはガキを授からねぇだろ。それはおめぇが男で、しかもアンドロイドだからだ」
「んー?」
「野郎と野郎の間にガキは出来ねぇし、人間とアンドロイドの間にガキは出来ねぇんだ。だから困った時の神頼みってやつさ」
「んー? 神様にお願いしないと、子供ってもらえないの? 申請書類を書いて出して審査に通ればもらえるんじゃないの? 工場から送られて来るんじゃないの?」
「おめぇ、質問が一度に多いって」
サイトウは再び笑いの発作にみまわれてしまい、今度は地面に跪いて爆笑した。はな六はおろおろしながらサイトウの背中を擦り、発作が治まるのを待たなければならなかった。
「あー、久しぶりに死ぬほど笑ったぜ。はな六、おめぇはやっぱり最高だな。最ッ高に可愛いぜ」
サイトウは地面に両手と尻を着いて座った。はな六はサイトウの前に膝を着き、ハンカチをポケットから出した。
「ねぇサイトウ、何で泣いてるの?」
サイトウの皺だらけの目尻が涙に濡れている。
「泣いちゃいねぇよ。涙ってぇのは笑い過ぎても出るもんなの」
「そうなんだ?」
はな六はサイトウの顔をハンカチでごしごしと拭いた。サイトウの顔には日光が差していて、そのせいか、いつも闇の底に沈んだように真っ黒く塗り潰されているサイトウの目の虹彩が、本来の色を見せていた。
「あ……」
もっとよく見ようとはな六はサイトウに顔を近づけたが、サイトウは眩しそうに目をつぶってしまった。
サイトウはゆっくりと立ち上がった。はな六も立ちあがり、膝についた埃を払った。すると埃が黒い手袋を白く汚したので、ぱしぱしと両手を打ち合わせた。
「ガキがどうやって出来るかってのは、また今度、寝物語にでも教えてやるよ。人間とアンドロイドの間にはガキが出来ねぇから、申請して養子を貰うしかねぇってのはわかんだろ?」
「うん」
はな六はこくりと頷いた。サイトウはまたはな六の腰を抱き、歩き始めた。順番待ちをしている間は途方もなく広く感じた境内だが、実はそんなに広くはなく、すぐに大通りに出てしまった。
「申請してガキを貰うってぇのは、俺様が前科者なせいで難しいしよ、第一、俺様の主義には合わねぇんだな」
「どういうこと?」
「俺様は、親っちゅうのはお偉いさんに選ばれてなるもんじゃねぇと思うし、ガキは親から選ばれて来るもんじゃねぇと思うのさ」
「よくわからない」
「運命ってヤツだ。俺様とおめぇが出会ったみてぇにな。だから、俺様とおめぇは、ガキにも運命的に出逢う必要がある」
「どうやって?」
「俺様がおめぇと出逢う為に使った手段を、使うのさ」
サイトウは闇に墜ちた目を細め、口からやけに白くて綺麗に並んだ歯を剥き出して、「ゲヘヘ」と笑った。
思ったよりも小さな社だ。屋根と鳥居に囲まれて、窮屈な感じ。
「見な」
サイトウが指差す方を振り向いて見、はな六は思わず「おわぁ!」と声を上げた。
「でかっ! 何でこんなところに“お飾り”が!?」
「おめぇよぉ。神様のもんに対して“お飾り”は失礼だんべ?」
「何で失礼なのさ? まさに飾ってあるのに」
「後で説明すらぁ。今はお祈りの時間だ」
はな六はしぶしぶ鈴緒の前に立ち、小さな社に向き合った。
「お賽銭入れねぇとな」
サイトウは懐から熨斗袋を取り出した。そして中から内袋を引き出すと、そのままぽいっと賽銭箱に放り込んだ。
「今の何?」
「あ? マサユキがくれた結婚祝い」
サイトウは、空の熨斗袋を上着の内ポケットに仕舞いながら、平然と言った。
「えー、それ丸ごと全部お賽銭しちゃったの!? せっかくマサユキがくれたのに!?」
「いいじゃねぇかよ、別によぉ。俺とおめぇが出逢えたことへのお礼と、ガキを授けて貰う為の金だ。これほどのご祝儀の有効活用法っちゃ、他にねぇだろ」
サイトウはケケケと笑った。はな六は別に金が惜しい訳ではないのだが、心が言い様のないモヤモヤに被われた。
「さてと。稲荷大明神様、昨年ははな六に出逢わしていただき、どうもありがとうございました」
神妙な顔で頭を垂れているサイトウを、はな六はこっそりと窺った。
「大明神様に結んで頂いたご縁、末長く大事にしていきますんで、どうか温かく見守ってください。そんでまた、今年も一つ、お願いを聞いていただけないでしょうか。どうか俺らの間にガ……じゃなかった、子供をお授けください、よろしくお願いします。絶対に、大切に育てますんで」
サイトウがはな六に視線を送って来た。どうやら“お前もお願いしろ”という意味らしい。それではな六も、
「お、お願いします」
と、深々と頭を下げた。そして鈴緒を掴み、ガラガラと鈴を鳴らす。それで帰るのかと思いきや、サイトウははな六の腰を捕まえて、引き寄せた。
「誓いのチューしようぜ」
サイトウが耳許で囁いた。
「えー、何それ」
「俺らが夫婦として、互いに手と手を取り合って生きてくっていう誓いだ」
「誓い?」
「そうだ。俺らはもう夫婦だ。はな六、おめぇもう、俺から逃げらんねぇぜ」
サイトウは神前には相応しくないどす黒く染まりきった目ではな六をじっと見詰めた。はな六は背中にびりっと電流のようなものを感じて震えた。
「あ……それって、サイトウも、おれから逃げられないってことだよね?」
「おぉ。逃げらんねぇよ。俺は二年前からずっと、永遠に、おめぇのもんだ」
サイトウの唇が、はな六の唇に押し当てられた。長い舌が唇を割り、口内に侵入してくる。本気の口付けに脳髄がとろけさせられ、身体中から力が抜ける。反対に、“お飾り”は身体中の全精力が集まったかのようにピンと立ち上がった。サイトウの腿がそこにぎゅっと押し当てられる。強い快感と痛みに、はな六は呻いた。目尻からぽろりと涙がこぼれた。はな六は必死に抵抗し、サイトウをなんとか引き離した。
「んー、やめてってばサイトウ! これ以上いたずらされたら、お漏らししちゃうよぉ」
サイトウはケケケと愉快そうに笑った。ふと振り向けば、すぐ後ろに並んでいた女の子達が目と口を丸くして唖然としており、彼女達の背後からこちらに向けてられていた携帯端末達が、ササッと引っ込んだ。
はな六はサイトウに腰を抱かれたまま、稲荷神社の裏手に連れて行かれた。裏手、とはいっても、そちらの方が日が差していて明るい。ちょうど社の背後、岩の上に天を指すように立つ細長い石があった。
(こんな所にも、お飾りが……)
これも神様のものなので“お飾り”と呼んではいけないのだろうと思い、はな六は口には出さなかった。
「ほれ、なでなでしな」
ちょっとたじろいだはな六の手首を、サイトウは掴んで、石の頂にはな六の掌を押し付けた。
「これをなでなですると、子供を授かるご利益があるんだってよ」
「へぇ」
はな六は言われるがまま石を撫でた。
「でもさぁ、子供を一番欲しがってるのはサイトウなんだから、サイトウが撫でた方がいいんじゃないの?」
「ケケケ、おめぇじゃなきゃ意味がねぇの」
「んー、どういうこと?」
「おめぇが嫁だからさ」
はな六とサイトウは歩き出した。サイトウの手はまだはな六の腰に回されている。境内には沢山の人々がまだ並んでおり、並んでいない人々はそこかしこで記念写真を撮ったり、立ち話に興じたりしていた。
「ねぇサイトウ。何でおれのお飾りは“お飾”りで、神様のあれは“お飾り”って呼んじゃいけないの?」
「あ? おめぇのお飾りちゃんは何も授けねぇけど、神様のはガキを授けてくれるからだよ」
「へぇ、何も授けないから“お飾り”かぁ。じゃあ、サイトウのだってマサユキのだって、人間のは神様のじゃないから“お飾り”でよくない? なのに何で、お客さんはあれを“お飾り”って呼んだら怒るのかなあ」
「そりゃおめぇ、人間のそれもガキを授けるからさ」
「んー? だったら、神様にお参りしてお願いしなくたっていいのに。サイトウも子供を授けられるんでしょ。だったら、それを使っておれに子供を授ければいいんだ」
するとサイトウはゲラゲラと笑い出した。笑いの発作は中々止まず、サイトウは腹を抱え、前のめりに倒れそうなほど笑い続けた。しまいには苦しそうにひぃひぃ言い出したので、はな六は慌ててサイトウの背中を擦った。
「サイトウ、大丈夫?」
「ひぃぃぃ、おめぇ頭がいいなぁ」
頭が良い、と褒められたはずなのに、何故だか逆に、頭が悪いと馬鹿にされたような気分。
「何で? ねぇ何で? サイトウ」
サイトウはやっとのことではな六の肩につかまりながら身体を起こした。通行人がチラチラとこちらを横目でうかがっている。どうもサイトウと歩くと、注目を浴びがちだ。
「はな六よぉ。俺様は毎日毎晩おめぇにガキを授ける行為をしてんだよ。それがセックスってヤツだよ。だが何度やったっておめぇはガキを授からねぇだろ。それはおめぇが男で、しかもアンドロイドだからだ」
「んー?」
「野郎と野郎の間にガキは出来ねぇし、人間とアンドロイドの間にガキは出来ねぇんだ。だから困った時の神頼みってやつさ」
「んー? 神様にお願いしないと、子供ってもらえないの? 申請書類を書いて出して審査に通ればもらえるんじゃないの? 工場から送られて来るんじゃないの?」
「おめぇ、質問が一度に多いって」
サイトウは再び笑いの発作にみまわれてしまい、今度は地面に跪いて爆笑した。はな六はおろおろしながらサイトウの背中を擦り、発作が治まるのを待たなければならなかった。
「あー、久しぶりに死ぬほど笑ったぜ。はな六、おめぇはやっぱり最高だな。最ッ高に可愛いぜ」
サイトウは地面に両手と尻を着いて座った。はな六はサイトウの前に膝を着き、ハンカチをポケットから出した。
「ねぇサイトウ、何で泣いてるの?」
サイトウの皺だらけの目尻が涙に濡れている。
「泣いちゃいねぇよ。涙ってぇのは笑い過ぎても出るもんなの」
「そうなんだ?」
はな六はサイトウの顔をハンカチでごしごしと拭いた。サイトウの顔には日光が差していて、そのせいか、いつも闇の底に沈んだように真っ黒く塗り潰されているサイトウの目の虹彩が、本来の色を見せていた。
「あ……」
もっとよく見ようとはな六はサイトウに顔を近づけたが、サイトウは眩しそうに目をつぶってしまった。
サイトウはゆっくりと立ち上がった。はな六も立ちあがり、膝についた埃を払った。すると埃が黒い手袋を白く汚したので、ぱしぱしと両手を打ち合わせた。
「ガキがどうやって出来るかってのは、また今度、寝物語にでも教えてやるよ。人間とアンドロイドの間にはガキが出来ねぇから、申請して養子を貰うしかねぇってのはわかんだろ?」
「うん」
はな六はこくりと頷いた。サイトウはまたはな六の腰を抱き、歩き始めた。順番待ちをしている間は途方もなく広く感じた境内だが、実はそんなに広くはなく、すぐに大通りに出てしまった。
「申請してガキを貰うってぇのは、俺様が前科者なせいで難しいしよ、第一、俺様の主義には合わねぇんだな」
「どういうこと?」
「俺様は、親っちゅうのはお偉いさんに選ばれてなるもんじゃねぇと思うし、ガキは親から選ばれて来るもんじゃねぇと思うのさ」
「よくわからない」
「運命ってヤツだ。俺様とおめぇが出会ったみてぇにな。だから、俺様とおめぇは、ガキにも運命的に出逢う必要がある」
「どうやって?」
「俺様がおめぇと出逢う為に使った手段を、使うのさ」
サイトウは闇に墜ちた目を細め、口からやけに白くて綺麗に並んだ歯を剥き出して、「ゲヘヘ」と笑った。
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