灰色のエッセイ

本当に、教養のない人たちの話

　先日Ｘを見ていたら、こんなポストが流れてきました、

「教養の無い男と話していると、話題が酒、タバコ、ギャンプル、車、女のことばかりでつまらない」

　このポストに対し「教養があってもそういう話は盛り上がれる」「そういう人とも話が出来るのが本当に教養のある人」などなど、賛否両論ありました。
　私は、このポストに賛成も反対もしませんが……本当に教養のない人との会話は、はっきり言って恐ろしいです。　




　私はかつて、とある地方の工場に務めていました。そこは、応募してきた人間は誰でも採用するとんでもない場所です。
　まず、同じ班にいた三十歳の男は……偶数奇数がわかりませんでした。班長に向かい、真顔で「偶数奇数がわかりません」と言った時には、初めギャグで言っているのではないかと思ったほどです。
　他にも、何度教えても作業の手順（Ａを一段目、Ｂを二段目に置くという単純なもの）が覚えられない五十男、ローマ字が読めない二十代の男、重機で建物を破壊し現場関係仕事に就けなくなった三十代の男などなど……恐ろしい人がそろっておりました。

　こういう人たちと話すと、基本的には一種類の話しか聞けません。

「俺は喧嘩がメチャクチャ強くて芸能人の友だちも多くてヤクザにも顔が利いて女にもモテモテだ。今は訳あってここにいるけど、来年には億の仕事をやるからな」

　多少の違いはありますが、だいたいほこんな嘘話です。「俺は凄い。俺は偉い。だから俺を崇めよ」というシンプルな話が九割ですね。酒、タバコ、車、ギャンブル、女と五種類の話が出来るなら、まだマシではないかなと思うのですよね。
　で、こういう人同士が話をすると……「俺の方が凄いよ」「いや俺の方が凄い」という話になります。まあ、最終的にほ殴り合いになり、周りのまともな人間が止めに入るというオチがほとんどでした。