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幼い頃に体験した怖い話
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これは、私が幼い頃に体験した話です。
その日、私は母と一緒に近所の家にお邪魔しておりました。何の用事かは覚えていませんが、母とその家の人とは友人でして、特に用がなくとも会っていた記憶があります。大人たちは何やら話が盛り上がっているようでしたが、幼い私は退屈でした。そんな状態で、時間が経過していったのです。
やがて、午後九時を過ぎました。母は私に、ひとりで先に帰るように言いました。私はウンと答え、そのお宅を出ました。
外に出れば、辺りは既に暗くなっております。私は、ひとりでとことこ歩き始めました。友人宅から私の自宅まではさほど遠くありません。五分から十分程度で着く距離でして、さほど不安はありませんでした。
ところが、その日は予定外のことが起きました。
歩いていくうち、細い路地裏に通じる裏道の交差する十字路を通りました。ちなみに私の住んでいた場所は東京の下町でして、木造の家がゴチャゴチャと建てられており、細い道や行き止まりの袋小路なども多かったのです。
そこで、私は何気なく裏道の方を見ました。すると、そこには数人の男女が座り込んでいたのです。ぐったりしたような感じでした。今にして思えば、おそらくは十代後半の少年少女だったのでしょう。全員、Tシャツを着ていたような記憶も残っています。
もっとも、十代後半とはいえ、幼い私から見れば大人の人たちにしか見えません。なんだか見てはいけない雰囲気を感じ、私はそっと通り過ぎようとしました。
その時です。いきなり、ひとりの男が立ち上がりました。何やら奇怪な笑い声をあげながら、私に近づいて来たのです。
私は怖くなり、走って逃げようとしました。その時、後ろから声が聞こえて来たのです。
「ヒャハハハハ!」
振り返ると、男は奇声を発しつつ、ゾンビのように両手をあげながら、私を追いかけて来ていました。
当然ながら、私は必死で逃げました。どうにか家に逃げ帰り、ドアを閉め布団を被ったことははっきり覚えています。
今にして思えば、あの少年たちは酒を飲み酔っぱらっていたか、あるいはヤバい薬でもキメて酩酊状態だったのでしょう。そんな時に幼い子供が通りかかったため、ちょっとからかってやるか……みたいなノリだったのではないかと。
ただ、当時の私にとっては映画などで観る幽霊やモンスターよりも、その少年の方が怖かったです。
その日、私は母と一緒に近所の家にお邪魔しておりました。何の用事かは覚えていませんが、母とその家の人とは友人でして、特に用がなくとも会っていた記憶があります。大人たちは何やら話が盛り上がっているようでしたが、幼い私は退屈でした。そんな状態で、時間が経過していったのです。
やがて、午後九時を過ぎました。母は私に、ひとりで先に帰るように言いました。私はウンと答え、そのお宅を出ました。
外に出れば、辺りは既に暗くなっております。私は、ひとりでとことこ歩き始めました。友人宅から私の自宅まではさほど遠くありません。五分から十分程度で着く距離でして、さほど不安はありませんでした。
ところが、その日は予定外のことが起きました。
歩いていくうち、細い路地裏に通じる裏道の交差する十字路を通りました。ちなみに私の住んでいた場所は東京の下町でして、木造の家がゴチャゴチャと建てられており、細い道や行き止まりの袋小路なども多かったのです。
そこで、私は何気なく裏道の方を見ました。すると、そこには数人の男女が座り込んでいたのです。ぐったりしたような感じでした。今にして思えば、おそらくは十代後半の少年少女だったのでしょう。全員、Tシャツを着ていたような記憶も残っています。
もっとも、十代後半とはいえ、幼い私から見れば大人の人たちにしか見えません。なんだか見てはいけない雰囲気を感じ、私はそっと通り過ぎようとしました。
その時です。いきなり、ひとりの男が立ち上がりました。何やら奇怪な笑い声をあげながら、私に近づいて来たのです。
私は怖くなり、走って逃げようとしました。その時、後ろから声が聞こえて来たのです。
「ヒャハハハハ!」
振り返ると、男は奇声を発しつつ、ゾンビのように両手をあげながら、私を追いかけて来ていました。
当然ながら、私は必死で逃げました。どうにか家に逃げ帰り、ドアを閉め布団を被ったことははっきり覚えています。
今にして思えば、あの少年たちは酒を飲み酔っぱらっていたか、あるいはヤバい薬でもキメて酩酊状態だったのでしょう。そんな時に幼い子供が通りかかったため、ちょっとからかってやるか……みたいなノリだったのではないかと。
ただ、当時の私にとっては映画などで観る幽霊やモンスターよりも、その少年の方が怖かったです。
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