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ジョウジ、襲撃者と戦う
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ジョウジとココナは、小高い丘の上に座っていた。ふたり並んで、のんびりと夕日を見ている。綺麗な夕日だ。隣にいるココナは少しうとうとしている。今日は、とても元気だった。取っ組み合いが、よほど楽しかったのだろうか。
ホムンクルスは今、村のどこで何をしているのだろうか。彼女は何故か、夜にしか現れない。何か事情でもあるのだろうか。
その時、ジョウジは腕をつつかれた。見ると、隣でうとうとしていたはずのココナが、不安そうな表情でこちらを見ている。
「おかしいですニャ。人の匂いがしますニャ」
「人の匂い? 村の人の匂いじゃないのか?」
「違いますニャ。知らない人の匂いですニャ。人の声も聞こえてきますニャ。大勢の人間がこっちに向かってますニャ」
「何だと……」
その言葉に、ジョウジは立ち上がっていた。どういうことだろう。ひょっとしたら、山賊がこの村に襲撃をかけようとしているのだろうか? とにかく、ここに居てはまずい。
「ひとまず村に帰ろう」
そう言うと、ジョウジはココナの手を引いて行く。
その時、凄まじい勢いで、こちらに走って来る何者かがいた。ジョウジは素早く反応する。ココナを守るために、彼女の前に立ち身構える。
だが、接近して来た者はグレイだった。ほっとするジョウジとココナだったが、グレイは恐ろしい勢いで走って来たかと思うと、ふたりの前で立ち止まる。
「大変だぞ! 村が襲われるんだ! お前ら、早く逃げろ!」
「何だと! どういうことだ!?」
思わず聞き返すが、グレイはさらに怒鳴りつけた。
「伯爵だよ! 伯爵がトチ狂い、あちこちから傭兵や冒険者を雇って女をさらおうとしてんだ! 巻き込まれたくないなら、とっとと逃げろ!」
言ったかと思うと、グレイはわき目も振らずに村に向かい走り出す。
「何だと……」
ジョウジは唖然となった。グレイは何を言っているのか? 伯爵とは何者だ? 何故、このセールイ村を襲撃する? 女とは誰だ? 何もかもが理解不能だ。
しかし、そんなことよりも優先して考えなくてはならないことがある。自分はどう動けばいい? ココナのことを考えれば、戦いは避けたいが……。
俺は、どうすればいいんだ?
ジョウジは今まで、ただユウキ博士の命令に従って生きてきた。自分で物事を決定するのは、身の危険が迫った時くらいのものだ。今、自分に直接の危険が迫っているわけではない。さっさと逃げれば、トラブルは避けられるだろう。
しかし、自分が逃げたら、彼女はどうなる?
(いつも、あなたの顔が目に浮かんでいた。私が目覚めた時、最初に見たものがあなた……私が初めて見た光だ)
ホムンクルスの言葉が甦る。村が襲われれば、あのホムンクルスはどうなるのだろうか。
確実に、ただではすまないだろう。
「ジョウジさん、どうしますニャ?」
ココナが、不安そうな声で聞いてきた。ジョウジは彼女の方を向き、安心させようと微笑む。
「まずは、村に戻ろう。安心しろ。お前のことは俺が守る」
ジョウジとココナが村に戻ると、中央の広場に村人たちが集合していた。村人の大半が、青白い顔つきだ。体つきも細く、野良仕事などしたことがないような見た目である。山の中で暮らす村民にしては妙だ。
だが、そんなことを考察している場合ではない。
「いいか、皆の衆。ロクスリー伯爵が、ついに最後の手段に出るらしい。ホムンクルスは、絶対に守り抜くぞ。いいな!」
広場に据え付けられた壇上に立ち、村長が皆に言い渡す。すると、村人全員が頷いた。村人の中には、グレイとムーランも混じっている。ふたりとも、既に臨戦態勢にあった。
一方、ジョウジはあたりを見回し、ホムンクルスを探した。どうやら、襲撃者の狙いはホムンクルスであるらしい。だが、彼女の姿はどこにも見当たらない。村のどこかに匿われているようだ。
それならば、ホムンクルスのことは村の連中に任せよう。自分はココナを守りつつ、襲ってきた者たちを撃退していく。
その時、どこからともなく矢が飛んできた。さらに、罵声と共に松明が投げつけられる。村人たちは対応に大わらわだ。
それを見たジョウジは、思わず舌打ちした。この状況で、村に火をつけられたらまずい。しかも村人たちは戦いに慣れていないらしく、完全に混乱している。このままでは、火で燻り出されてしまうのがオチだ。
「家の中でおとなしく隠れていろ」
傍らにいるココナに言うが早いか、ジョウジは戦闘モードに入った。柵を乗り越え、外にいる男たちに踊りかかって行く──
まず、手近にいる男の足元に滑り込んでいった。全体重をかけた強烈なスライディングキックを、相手の脛に見舞う。
足裏が、男の脛をへし折る。相手は悲鳴を上げたが、ジョウジはお構いなしだ。素早く立ち上がり、右手で敵の顔面を掴む。
次の瞬間、一瞬で握り潰した──
グシャッという音、飛び散る脳髄や体液。他の男たちは、驚愕の表情を浮かべた。ジョウジの超人的な強さを理解したのだ。全員、明らかに怯んでいる。
ジョウジの方は、今の動きで完全にエンジンがかかった状態である。間髪入れずに襲いかかった。
頭の潰れた死体を、力任せにぶん投げる。直後、一気に間合いを詰めた。
手近な男の顔面に、右の拳を叩きこむ。頭蓋骨が陥没し、男は膝から崩れ落ちた。
ジョウジは、さらに動き続ける。戦意を失いかけている男たちを、次々と殴り倒していった。彼の義手によるパンチは、鉄球を高速で投げつけられるのと同じくらいの威力がある。その場にいた者たちは、一瞬のうちに全員が倒れていた。
やがて、ジョウジの動きが止まった。冷静な表情で周りを見回す。呼吸は全く乱れていない。軽いウォーミングアップのようなものだ。
動いている者は見当たらない。残りの敵は退散したのだろうか。
その時、妙な点に気づいた。襲撃者の数があまりにも少ない。倒れている者は、全部で五人しかいないのだ。ひとつの村を襲うにしては、あまりに少ないように思われる。
思わず首を傾げる。その時だった。
「ジョウジ、さっさと村に戻れ。面倒なことになったぞ」
不意に、後ろから声がした。グレイの声だ。近づいて来て、倒れている男たちを見回す。
「お前がやったのか……やるじゃねえか。いや、そんなことはどうでもいい。さっさと村に戻るんだ。面倒なことになったぞ」
「何があったんだ」
ジョウジが尋ねると、グレイは顔をしかめつつ答える。
「ホムンクルスがさらわれた。そのことで、村長から話があるらしい」
ホムンクルスは今、村のどこで何をしているのだろうか。彼女は何故か、夜にしか現れない。何か事情でもあるのだろうか。
その時、ジョウジは腕をつつかれた。見ると、隣でうとうとしていたはずのココナが、不安そうな表情でこちらを見ている。
「おかしいですニャ。人の匂いがしますニャ」
「人の匂い? 村の人の匂いじゃないのか?」
「違いますニャ。知らない人の匂いですニャ。人の声も聞こえてきますニャ。大勢の人間がこっちに向かってますニャ」
「何だと……」
その言葉に、ジョウジは立ち上がっていた。どういうことだろう。ひょっとしたら、山賊がこの村に襲撃をかけようとしているのだろうか? とにかく、ここに居てはまずい。
「ひとまず村に帰ろう」
そう言うと、ジョウジはココナの手を引いて行く。
その時、凄まじい勢いで、こちらに走って来る何者かがいた。ジョウジは素早く反応する。ココナを守るために、彼女の前に立ち身構える。
だが、接近して来た者はグレイだった。ほっとするジョウジとココナだったが、グレイは恐ろしい勢いで走って来たかと思うと、ふたりの前で立ち止まる。
「大変だぞ! 村が襲われるんだ! お前ら、早く逃げろ!」
「何だと! どういうことだ!?」
思わず聞き返すが、グレイはさらに怒鳴りつけた。
「伯爵だよ! 伯爵がトチ狂い、あちこちから傭兵や冒険者を雇って女をさらおうとしてんだ! 巻き込まれたくないなら、とっとと逃げろ!」
言ったかと思うと、グレイはわき目も振らずに村に向かい走り出す。
「何だと……」
ジョウジは唖然となった。グレイは何を言っているのか? 伯爵とは何者だ? 何故、このセールイ村を襲撃する? 女とは誰だ? 何もかもが理解不能だ。
しかし、そんなことよりも優先して考えなくてはならないことがある。自分はどう動けばいい? ココナのことを考えれば、戦いは避けたいが……。
俺は、どうすればいいんだ?
ジョウジは今まで、ただユウキ博士の命令に従って生きてきた。自分で物事を決定するのは、身の危険が迫った時くらいのものだ。今、自分に直接の危険が迫っているわけではない。さっさと逃げれば、トラブルは避けられるだろう。
しかし、自分が逃げたら、彼女はどうなる?
(いつも、あなたの顔が目に浮かんでいた。私が目覚めた時、最初に見たものがあなた……私が初めて見た光だ)
ホムンクルスの言葉が甦る。村が襲われれば、あのホムンクルスはどうなるのだろうか。
確実に、ただではすまないだろう。
「ジョウジさん、どうしますニャ?」
ココナが、不安そうな声で聞いてきた。ジョウジは彼女の方を向き、安心させようと微笑む。
「まずは、村に戻ろう。安心しろ。お前のことは俺が守る」
ジョウジとココナが村に戻ると、中央の広場に村人たちが集合していた。村人の大半が、青白い顔つきだ。体つきも細く、野良仕事などしたことがないような見た目である。山の中で暮らす村民にしては妙だ。
だが、そんなことを考察している場合ではない。
「いいか、皆の衆。ロクスリー伯爵が、ついに最後の手段に出るらしい。ホムンクルスは、絶対に守り抜くぞ。いいな!」
広場に据え付けられた壇上に立ち、村長が皆に言い渡す。すると、村人全員が頷いた。村人の中には、グレイとムーランも混じっている。ふたりとも、既に臨戦態勢にあった。
一方、ジョウジはあたりを見回し、ホムンクルスを探した。どうやら、襲撃者の狙いはホムンクルスであるらしい。だが、彼女の姿はどこにも見当たらない。村のどこかに匿われているようだ。
それならば、ホムンクルスのことは村の連中に任せよう。自分はココナを守りつつ、襲ってきた者たちを撃退していく。
その時、どこからともなく矢が飛んできた。さらに、罵声と共に松明が投げつけられる。村人たちは対応に大わらわだ。
それを見たジョウジは、思わず舌打ちした。この状況で、村に火をつけられたらまずい。しかも村人たちは戦いに慣れていないらしく、完全に混乱している。このままでは、火で燻り出されてしまうのがオチだ。
「家の中でおとなしく隠れていろ」
傍らにいるココナに言うが早いか、ジョウジは戦闘モードに入った。柵を乗り越え、外にいる男たちに踊りかかって行く──
まず、手近にいる男の足元に滑り込んでいった。全体重をかけた強烈なスライディングキックを、相手の脛に見舞う。
足裏が、男の脛をへし折る。相手は悲鳴を上げたが、ジョウジはお構いなしだ。素早く立ち上がり、右手で敵の顔面を掴む。
次の瞬間、一瞬で握り潰した──
グシャッという音、飛び散る脳髄や体液。他の男たちは、驚愕の表情を浮かべた。ジョウジの超人的な強さを理解したのだ。全員、明らかに怯んでいる。
ジョウジの方は、今の動きで完全にエンジンがかかった状態である。間髪入れずに襲いかかった。
頭の潰れた死体を、力任せにぶん投げる。直後、一気に間合いを詰めた。
手近な男の顔面に、右の拳を叩きこむ。頭蓋骨が陥没し、男は膝から崩れ落ちた。
ジョウジは、さらに動き続ける。戦意を失いかけている男たちを、次々と殴り倒していった。彼の義手によるパンチは、鉄球を高速で投げつけられるのと同じくらいの威力がある。その場にいた者たちは、一瞬のうちに全員が倒れていた。
やがて、ジョウジの動きが止まった。冷静な表情で周りを見回す。呼吸は全く乱れていない。軽いウォーミングアップのようなものだ。
動いている者は見当たらない。残りの敵は退散したのだろうか。
その時、妙な点に気づいた。襲撃者の数があまりにも少ない。倒れている者は、全部で五人しかいないのだ。ひとつの村を襲うにしては、あまりに少ないように思われる。
思わず首を傾げる。その時だった。
「ジョウジ、さっさと村に戻れ。面倒なことになったぞ」
不意に、後ろから声がした。グレイの声だ。近づいて来て、倒れている男たちを見回す。
「お前がやったのか……やるじゃねえか。いや、そんなことはどうでもいい。さっさと村に戻るんだ。面倒なことになったぞ」
「何があったんだ」
ジョウジが尋ねると、グレイは顔をしかめつつ答える。
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