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ジョウジ、ライカンと交流する
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ジョウジの目の前に、軽薄そうな若い男が姿を現した。
長い栗色の髪を後ろで結び、皮の服を着ている。体格は小柄で、顔には愛嬌がある。一見すると、片手で捻り潰せそうな相手だ。
しかし、ココナの怯え方は尋常なものではない。何より、前に見た怪物と似た匂いがする、という言葉が気になる。ジョウジは左手にナイフを握りしめ、右手を前に出して構えていた。
かつてジョウジは、任務の最中に交通事故に遭い右腕を切断した。そのため、組織から「廃棄処分」の命令が降っていた。本来、彼は消される予定だったのだ。
だが、ユウキ博士はジョウジの右腕に、特別な義手を移植して逃がした。この義手は、一見すると生身の腕だが……無数のナノマシンにより構成されているものだ。従来のサイボーグ技術とは全く別の発想により生み出された義手には、様々な特徴がある。
石を腕に吸収し、銃弾のように発射させられるのも、その特徴のひとつだった。
「お前、何者だ?」
低い姿勢で構えつう尋ねる。目の前の男からは、今のところ敵意も殺気も感じない。
だが、ココナは怯えている。今も震えながら、自分の後ろに隠れているのだ。自分よりも、危険を察知する能力が高いと思われる少女が異様に警戒している。
用心だけはしなくてはならない。妙な動きをしたら、すぐに殺す。
「い、いや……まあ一応は人間じゃないんだけどさ、悪者でもないぜ。あ、そうだ! お前ら干しブドウ食わないか?」
そう言うと、男は背負っていた荷物を降ろした。中をガサゴソ探っていたかと思うと、小さな皮袋を取り出す。
男はその皮袋から、干しブドウを一粒つまみ出した。こちらに放り投げる。
すると、ココナの表情が変わった。
「ニャ? 美味しそうな匂いがしますニャ……」
そう言って、近づいて行こうとする。だが、ジョウジは彼女の腕を掴んだ。男を睨みながら口を開く。
「ココナ、少しだけ待つんだ。お前、まず自分でそいつを食べて見せろ」
「まったく、用心深い奴だな。毒なんか入ってねえのに……失礼な男だよ」
ブツブツ言いながら、男は干しブドウを口に入れる。次の瞬間、笑みを浮かべて、ふたりの顔を交互に見た。
「美味いぜ。ほら、食べなよ」
言いながら、皮袋を放り投げる。すると、ココナはジョウジの顔を見上げた。
「ジョウジさん! いい匂いですニャ! 美味しそうですニャ! 食べたいですニャ!」
目を輝かせ、ジョウジに訴える。彼はため息をつき、頷いた。
「ああ、いいよ。ただし食べ過ぎるな」
そう言った後、今度は男の方に視線を移す。
「あんた、何者だ? 何が目的だよ?」
ジョウジの問いに、男は笑みを浮かべる。
「俺の名はチャック。お察しの通り、ライカンさ。なあ、あんたら……この辺りで、他のライカンを見たのか?」
「ら、らいかん?」
訝しげな表情になるジョウジ。らいかん、なる言葉は知らない。この世界では有名なのだろうか。
すると、チャックと名乗った男は苦笑した。
「何か、会話が噛み合ってないみたいだなあ。あんた、ちょっと変だぜ。まずは、落ち着いて話そうよ」
チャックから聞いた話は、驚くべきものだった。
ライカンとは……人間に似てはいるが、狼のような姿に変身できる生物であり、この世界でも最強の種族だという。人間とは対立しており、その数は減少している。
数日前にジョウジとココナが出会ったのは、そのライカンらしい。
さらにチャックは言ったのだ。自分もライカンだ、と。
「じゃあ、お前もあんな姿になれるのか……怪物、あ、すまん……その、狼みたいな姿に……」
ジョウジは、すぐに言い直す。怪物呼ばわりは、どう考えても失礼だろう。すると、チャックは笑みを浮かべた。
「気を使わなくていいよ。あんたら人間から見れば、俺たちは怪物みたいに見えるのも仕方ないさ。ただな、覚えておいてくれ……俺たちから見れば、あんたら人間こそが怪物なんだよ。鉄の武器と圧倒的な人数と魔法で、他の生き物を片っ端から殺していく。俺たちライカンは、いずれ人間によって絶滅させられるだろうさ」
チャックはそこで言葉を止めた。訝しげな表情でジョウジを見る。
「あんた、いったい何者だ? どこから来たんだよ? ちょっと物を知らなさ過ぎるぜ」
「あ、ああ……実は、頭を打ったらしくてな。気がついたら、この山にいたんだよ。記憶を失ってしまったらしい」
ジョウジは、とっさに思い付いた話で誤魔化した。自分が違う世界から来た……そんな話をしたところで、余計な混乱を招くだけである。ならば、適当な話で誤魔化した方がいい。
チャックは、じっとジョウジを見つめる。首を捻りながらも、再び語り出した。
「ふーん……何か怪しいが、まあいいや。ところでな、ここから少し歩いたところに、小さな村がある。セールイ村っていう、地図にも載ってないような村さ。まずは、そこに行ってみるんだな。二、三日くらいなら、泊めてくれるだろう」
「待ってくれ。この娘は、この辺りに村はなさそうだと言ってたんだが……」
言いながら、ジョウジはココナを指差す。彼女は、傍らで寝息を立てていた。
「ここからは、少し遠いからな。この子も気づかなかったのかもしれない。それに、ケットシーは人間との接触を避けているからな……人間の住む村には行きたくなかったのかもしれないよ。ケットシーも、人間たちには酷い目に遭わされているんだしな。ココナちゃんに悪気はなかったと思うよ。ただ、人間のあんたの前でこういうことを言うのは何だが、ほとんどの種族から、人間は嫌われているんだ。はっきり言うとな、ケットシーが人間にこんなに懐くのは珍しいんだぜ」
優しい目でココナを見ながら、しみじみと語る。
そんなチャックの姿を見ているうちに、ジョウジは心に痛みを感じた。人間である自分に懐いてくれたココナ。だが、別れなくてはならないのだ。
復讐のために。
「ま、ココナちゃんを責めないでやってくれ。明日、俺が村の近くまで案内してやるから。おっと、その前に……あんたらが会ったっていうライカンについて教えてくれ」
長い栗色の髪を後ろで結び、皮の服を着ている。体格は小柄で、顔には愛嬌がある。一見すると、片手で捻り潰せそうな相手だ。
しかし、ココナの怯え方は尋常なものではない。何より、前に見た怪物と似た匂いがする、という言葉が気になる。ジョウジは左手にナイフを握りしめ、右手を前に出して構えていた。
かつてジョウジは、任務の最中に交通事故に遭い右腕を切断した。そのため、組織から「廃棄処分」の命令が降っていた。本来、彼は消される予定だったのだ。
だが、ユウキ博士はジョウジの右腕に、特別な義手を移植して逃がした。この義手は、一見すると生身の腕だが……無数のナノマシンにより構成されているものだ。従来のサイボーグ技術とは全く別の発想により生み出された義手には、様々な特徴がある。
石を腕に吸収し、銃弾のように発射させられるのも、その特徴のひとつだった。
「お前、何者だ?」
低い姿勢で構えつう尋ねる。目の前の男からは、今のところ敵意も殺気も感じない。
だが、ココナは怯えている。今も震えながら、自分の後ろに隠れているのだ。自分よりも、危険を察知する能力が高いと思われる少女が異様に警戒している。
用心だけはしなくてはならない。妙な動きをしたら、すぐに殺す。
「い、いや……まあ一応は人間じゃないんだけどさ、悪者でもないぜ。あ、そうだ! お前ら干しブドウ食わないか?」
そう言うと、男は背負っていた荷物を降ろした。中をガサゴソ探っていたかと思うと、小さな皮袋を取り出す。
男はその皮袋から、干しブドウを一粒つまみ出した。こちらに放り投げる。
すると、ココナの表情が変わった。
「ニャ? 美味しそうな匂いがしますニャ……」
そう言って、近づいて行こうとする。だが、ジョウジは彼女の腕を掴んだ。男を睨みながら口を開く。
「ココナ、少しだけ待つんだ。お前、まず自分でそいつを食べて見せろ」
「まったく、用心深い奴だな。毒なんか入ってねえのに……失礼な男だよ」
ブツブツ言いながら、男は干しブドウを口に入れる。次の瞬間、笑みを浮かべて、ふたりの顔を交互に見た。
「美味いぜ。ほら、食べなよ」
言いながら、皮袋を放り投げる。すると、ココナはジョウジの顔を見上げた。
「ジョウジさん! いい匂いですニャ! 美味しそうですニャ! 食べたいですニャ!」
目を輝かせ、ジョウジに訴える。彼はため息をつき、頷いた。
「ああ、いいよ。ただし食べ過ぎるな」
そう言った後、今度は男の方に視線を移す。
「あんた、何者だ? 何が目的だよ?」
ジョウジの問いに、男は笑みを浮かべる。
「俺の名はチャック。お察しの通り、ライカンさ。なあ、あんたら……この辺りで、他のライカンを見たのか?」
「ら、らいかん?」
訝しげな表情になるジョウジ。らいかん、なる言葉は知らない。この世界では有名なのだろうか。
すると、チャックと名乗った男は苦笑した。
「何か、会話が噛み合ってないみたいだなあ。あんた、ちょっと変だぜ。まずは、落ち着いて話そうよ」
チャックから聞いた話は、驚くべきものだった。
ライカンとは……人間に似てはいるが、狼のような姿に変身できる生物であり、この世界でも最強の種族だという。人間とは対立しており、その数は減少している。
数日前にジョウジとココナが出会ったのは、そのライカンらしい。
さらにチャックは言ったのだ。自分もライカンだ、と。
「じゃあ、お前もあんな姿になれるのか……怪物、あ、すまん……その、狼みたいな姿に……」
ジョウジは、すぐに言い直す。怪物呼ばわりは、どう考えても失礼だろう。すると、チャックは笑みを浮かべた。
「気を使わなくていいよ。あんたら人間から見れば、俺たちは怪物みたいに見えるのも仕方ないさ。ただな、覚えておいてくれ……俺たちから見れば、あんたら人間こそが怪物なんだよ。鉄の武器と圧倒的な人数と魔法で、他の生き物を片っ端から殺していく。俺たちライカンは、いずれ人間によって絶滅させられるだろうさ」
チャックはそこで言葉を止めた。訝しげな表情でジョウジを見る。
「あんた、いったい何者だ? どこから来たんだよ? ちょっと物を知らなさ過ぎるぜ」
「あ、ああ……実は、頭を打ったらしくてな。気がついたら、この山にいたんだよ。記憶を失ってしまったらしい」
ジョウジは、とっさに思い付いた話で誤魔化した。自分が違う世界から来た……そんな話をしたところで、余計な混乱を招くだけである。ならば、適当な話で誤魔化した方がいい。
チャックは、じっとジョウジを見つめる。首を捻りながらも、再び語り出した。
「ふーん……何か怪しいが、まあいいや。ところでな、ここから少し歩いたところに、小さな村がある。セールイ村っていう、地図にも載ってないような村さ。まずは、そこに行ってみるんだな。二、三日くらいなら、泊めてくれるだろう」
「待ってくれ。この娘は、この辺りに村はなさそうだと言ってたんだが……」
言いながら、ジョウジはココナを指差す。彼女は、傍らで寝息を立てていた。
「ここからは、少し遠いからな。この子も気づかなかったのかもしれない。それに、ケットシーは人間との接触を避けているからな……人間の住む村には行きたくなかったのかもしれないよ。ケットシーも、人間たちには酷い目に遭わされているんだしな。ココナちゃんに悪気はなかったと思うよ。ただ、人間のあんたの前でこういうことを言うのは何だが、ほとんどの種族から、人間は嫌われているんだ。はっきり言うとな、ケットシーが人間にこんなに懐くのは珍しいんだぜ」
優しい目でココナを見ながら、しみじみと語る。
そんなチャックの姿を見ているうちに、ジョウジは心に痛みを感じた。人間である自分に懐いてくれたココナ。だが、別れなくてはならないのだ。
復讐のために。
「ま、ココナちゃんを責めないでやってくれ。明日、俺が村の近くまで案内してやるから。おっと、その前に……あんたらが会ったっていうライカンについて教えてくれ」
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