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第二十五話 再・新婚旅行5★
しおりを挟む「ふ…ぁ……」
口内に舌を差し入れられた。俺は驚いて舌を引っ込めかけたけど、おずおずとアーノルドの舌に舌を絡める。
ディープキスなんて何が気持ちいいんだろうと思っていたけど、実際にやってみるとなんだか気持ちいい。貪り合い、とどめにちゅっと吸われると、腰が砕けた。
立っていられなくなった俺をアーノルドは抱え、寝台に横たわらせる。その上に、覆いかぶさってきた。
「愛しているよ」
愛の睦言を囁きながら、アーノルドの手は俺の衣服を脱がしていく。貧相な裸体を披露することになって、俺は羞恥から顔を赤らめたけど、アーノルドは愛おしげな目で俺を見下ろす。
「綺麗だな、エディ」
「あ、あんまり見ないで下さい……」
ううっ、そんなにまじまじと見られたら、恥ずかしいだろ。
俺は自分ばかりが見られているのが癪で、俺もアーノルドの衣服に手を伸ばした。せめてもの抵抗で上半身を露にさせたけど……こいつの体は俺の貧相な体とは違う。剣術の鍛錬で鍛え抜かれた肉体美だ。す、すごい。着痩せするタイプだったのか。
「満足したか」
アーノルドは一笑してから、俺の乳首に吸い付いた。舌が突起に触れた瞬間、電流が走ったみたいになった。
「あっ、あぁん」
喘ぎ声がついもれて、俺は慌てて口元を押さえる。わわっ、なんてはしたない声を出しているんだよ、俺!
けれど、アーノルドは「もっと、聞きたい」なんてふざけたことを抜かして、俺の両手首をシーツに縫い付ける。乳首だけでなく、首筋や鎖骨のところにまでついばむようなキスをしてきて、俺は感じさせられた。
しばらく、俺の上半身を愛撫していたアーノルドだったけど、ふいに俺の下腹部まで移動した。俺の膝を立たせて割り、浮いたお尻にぬっと舌を這わせてくる。
俺は仰天した。なんてところを舐めているんだよ!
「そ、そんなところ、舐めちゃ……あぁっ」
とんでもないところを舐められていると思いつつも、口をついて出るのは甘い声。
アーノルドの舌は、窄まりを時々通り抜けて中に侵入してくる。痛くはないけど、なんだか変な感じだ。緩やかな快感が押し寄せてくるっていうか。
舌で念入りにほぐしてから、今度は指を挿し入れてきた。二本、挿れたところで菊穴をぐるぐると円を描くように掻き回す。
最初は緊張してガチガチだった俺も、丹念な愛撫に息も絶え絶えだ。
「……そろそろいいかな」
アーノルドは指を引き抜いた。代わりに後孔にあてがうのは、俺の粗末なものとは違う立派な雄芯。触れるだけでその重量感と太さを感じ、俺は少し怖気づいた。
い、いや、大丈夫だ。いざとなれば、赤ん坊を出産できる体なんだ。このくらい、どうってことない。……ないよな?
「挿れるよ」
正常位の体勢でぐっと先端を押し付けられると、そこが徐々に開く。丹念にほぐされたからなのか、それともオメガだからなのか、ゆっくりとアーノルドを受け入れ始めた。
覚悟していたような激痛ではない。強いて言えば、イタ気持ちいいといった感じ。
でも、俺の顔は恐怖で引き攣っていたんだろう。アーノルドは宥めるように頬や額にキスを落としてくれた。
「中まで入ったな。動いてもいいか」
「は、い」
恐る恐る許可を出すと、アーノルドはゆっくりと抽挿を開始した。
「あっ、やっ、んんっ」
抑えようと思っても、喘ぎ声が止まらない。
俺の体を貫く灼熱の雄芯。指とは比べ物にならないほどの重量感と質量感があって、奥のしこりを突かれると快楽も倍増だ。
「やぁああ、アーノルドへい、か……ああっ」
「なんだ」
俺はアーノルドの首裏に手を回し、しがみついた。
「好き。好きです」
よくよく考えると、初めての告白。
アーノルドは嬉しそうに笑い、俺にキスをした。
「俺も愛しているよ」
腰を打ち付けられるたび、頭が真っ白になる。激しい抜き差しを繰り返されていると、なんだか頭がぼぅっとしてきた。
「アーノルド……! アーノルド……!」
敬称なんて、頭からすっぼりと抜けてしまった。
でも、アーノルドはやっぱり嬉しそうだ。
「一生離さないよ。エディ」
その言葉を聞いた瞬間、俺の中がキュンと締まって、アーノルドの雄を締め付けた。アーノルドは「くっ……」と顔を歪ませる。
「あまり締め付けるな。出るだろう」
「いいよ……全部、俺の中に出して……」
すっかり素の口調になってしまった俺だけど、アーノルドの目は愛おしげだ。激しく腰をグラインドさせ、一息に俺を貫いた。
「あぁああああ!」
衝撃で果ててしまった俺と同時に、アーノルドも達する。俺の中に蜜液を吐き出した。ずるりと男根を引き抜き、アーノルドは俺の体を抱きしめる。
「気持ちよかった、エディ」
「俺も……」
この快楽に比べたら、俺の恐怖心なんて小さなものだったな。
好きな人と身も心も愛し合えた。それはとても深い幸福で俺の心を満たした。そしてそれはアーノルドも同じ思いなんだろう。俺たちは小さく笑い合った。
「幸せにするよ」
「うん」
俺はお前が傍にいてくれるだけで幸せだけどさ。
俺たちは触れ合うだけのキスをした。
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