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破章の弐 We're Wrong about the World
35ターン目/阿吽の呼吸
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即身仏。龍王教を信仰した僧侶たちのなれの果て。
無論、信徒の誰しもがこんな末路を辿るはずもなく、彼等は衆生救済を目的に自ら志願してその肉体を龍王に捧げた。
まさに献身の極致である。
それらは今もなお、孫娘である龍王姫に仕えており、文字通り滅私奉公。
彼女のために、そのすべてを顧みない地獄の兵卒なのだ。
「そりゃああーーーーーーーーーっ!!」
勇者、咆哮。
躊躇なく先陣を切るタロー。
背の長剣を抜剣し、たった一太刀で10体ほどの即身仏たちを一斉に薙ぎ払う。
その様は、まるでボウリングのストライク。
先制特攻した勇者の剣撃が波状となって旋風を巻き起こし、干からびた即身仏の肉塊を木っ端微塵に粉砕していく。
彼の視界には勇者特権/【全数値化】が集約され、まるで計器のような視覚情報が写し出されている。
敵情報。地図。体調管理。残存魔力。装備。etc。
不意に警告音が鳴り響き、視界が赤く点滅する。
当然、これらはタローにしか認知できない情報。8時の方向より敵の魔法が多々射出され、こちらに迫ってくるのを報知してくれたものだ。
勇者はこれに反応し、長剣に魔力を込める。
魔法無力化。
青白い輝きを伴った刃は、迫り来る幾多の魔法を次々と迎撃する。
炎弾。氷槍。風刃。稲妻。石礫。光矢。闇玉。
タローはこれらを驚異の動体視力で捉えきり、即応しながら続々と斬り伏せる。
その魔法攻撃に乗じて、近距離装備の即身仏たちが急速接近。
取り囲むような配置を取り、即座に勇者に襲いかかる。
初撃目は、槍による刺突。
弐撃目は、剣による袈裟斬り。
参撃目は、斧による兜割り。
肆撃目は、鉄爪による高速切り裂き。
タローは初撃目を剣で受け流し、擦過による火花を散らしながらその回転運動で回避。
続く弐撃目は切り払い、そのまま回し蹴りをお見舞いする。
参撃目もまた、回転運動で回避。そのまま小さく跳躍し、振り下ろされた斧を持つ敵の両腕を叩き斬る。
その勢いのまま、敵の鳩尾に肘打ちをぶつけ、距離が空いた瞬間に光魔法/ロケットパンチを放つ。
すぐさま肆撃目を剣で防御。もしくは身体を翻して躱しながら、臨機応変に対応し、そして最後に斬り伏せた。
そこから槍を持った即身仏が、再度攻撃を仕掛けてくるが、タローはその槍術を尽く受け流し、その懐に急速接近。
三連撃の斬撃をお見舞い。
最後に渾身の一撃を喰らわす。
さらにタローは光魔法/ロケットパンチを発動。背後から迫ろうとしていた剣を持った即身仏に叩きつける。
一方、魔王イスカリオテもまた、攻撃に転じていた。
●【闇属性】×【打撃】×【敵全体】
▼魔王は 呪文を唱えた!【成功】
【暗黒疾駆】発動!
勇者に向かって魔法を行使していた即身仏たちに、膨大な闇のエネルギーを纏って宙より突撃飛来。
まるで隕石のような体を成したその技は、地面に衝突すると共に大爆発を巻き起こし、黒い炎を燃焼させる。
即身仏の魔法部隊は全員木っ端微塵に吹き飛んていき、爆発の中央部では魔王がご満悦の笑みを浮かべている。
刹那、そんな魔王イスカリオテ目掛けて、一本の矢が飛翔する。
そして、それは一瞬にして弾かれた。
真っ二つに裂かれた矢が地に落ちる。
魔王の手には、逆手に握られた短刀。
瞬間、それを皮切りに無数の矢の雨が飛来する。
寺院の屋根から弓を持った即身仏たちが一斉に射ち放したものだ。
しかし魔王は接近する矢を次々と斬り払い、回避行動。
闇魔法【暗黒鞭打】を短刀を媒介に放ち、横一閃にて爆発と共に弓兵部隊を一掃する。
不意に背後から、
剣を握った近接戦闘要員の即身仏たちが三体、急襲。
一斉に、魔王目掛けて飛び掛かる。
刹那、発砲音。
それも妙なことに幾多の射撃が重なったような不協和音が響く。
イスカリオテのもう片方の手に握られたオートマチック式の拳銃。
速射連撃。硝煙を燻らせながら即身仏たちに向けられており、屍たちは身体に風穴を複数穿たれ、一瞬挙動が制止する。
その一瞬の隙を、魔王の短刀が容赦なく切り裂いた。
勇者と魔王は、
阿吽の呼吸で、
敵を次々と撃滅していく。
時には防御。時には攻撃。
お互いがお互いをカバーし合い、それはまるで舞踊のような自由さと様式美に則って、死者の軍団を無双する。
無論、信徒の誰しもがこんな末路を辿るはずもなく、彼等は衆生救済を目的に自ら志願してその肉体を龍王に捧げた。
まさに献身の極致である。
それらは今もなお、孫娘である龍王姫に仕えており、文字通り滅私奉公。
彼女のために、そのすべてを顧みない地獄の兵卒なのだ。
「そりゃああーーーーーーーーーっ!!」
勇者、咆哮。
躊躇なく先陣を切るタロー。
背の長剣を抜剣し、たった一太刀で10体ほどの即身仏たちを一斉に薙ぎ払う。
その様は、まるでボウリングのストライク。
先制特攻した勇者の剣撃が波状となって旋風を巻き起こし、干からびた即身仏の肉塊を木っ端微塵に粉砕していく。
彼の視界には勇者特権/【全数値化】が集約され、まるで計器のような視覚情報が写し出されている。
敵情報。地図。体調管理。残存魔力。装備。etc。
不意に警告音が鳴り響き、視界が赤く点滅する。
当然、これらはタローにしか認知できない情報。8時の方向より敵の魔法が多々射出され、こちらに迫ってくるのを報知してくれたものだ。
勇者はこれに反応し、長剣に魔力を込める。
魔法無力化。
青白い輝きを伴った刃は、迫り来る幾多の魔法を次々と迎撃する。
炎弾。氷槍。風刃。稲妻。石礫。光矢。闇玉。
タローはこれらを驚異の動体視力で捉えきり、即応しながら続々と斬り伏せる。
その魔法攻撃に乗じて、近距離装備の即身仏たちが急速接近。
取り囲むような配置を取り、即座に勇者に襲いかかる。
初撃目は、槍による刺突。
弐撃目は、剣による袈裟斬り。
参撃目は、斧による兜割り。
肆撃目は、鉄爪による高速切り裂き。
タローは初撃目を剣で受け流し、擦過による火花を散らしながらその回転運動で回避。
続く弐撃目は切り払い、そのまま回し蹴りをお見舞いする。
参撃目もまた、回転運動で回避。そのまま小さく跳躍し、振り下ろされた斧を持つ敵の両腕を叩き斬る。
その勢いのまま、敵の鳩尾に肘打ちをぶつけ、距離が空いた瞬間に光魔法/ロケットパンチを放つ。
すぐさま肆撃目を剣で防御。もしくは身体を翻して躱しながら、臨機応変に対応し、そして最後に斬り伏せた。
そこから槍を持った即身仏が、再度攻撃を仕掛けてくるが、タローはその槍術を尽く受け流し、その懐に急速接近。
三連撃の斬撃をお見舞い。
最後に渾身の一撃を喰らわす。
さらにタローは光魔法/ロケットパンチを発動。背後から迫ろうとしていた剣を持った即身仏に叩きつける。
一方、魔王イスカリオテもまた、攻撃に転じていた。
●【闇属性】×【打撃】×【敵全体】
▼魔王は 呪文を唱えた!【成功】
【暗黒疾駆】発動!
勇者に向かって魔法を行使していた即身仏たちに、膨大な闇のエネルギーを纏って宙より突撃飛来。
まるで隕石のような体を成したその技は、地面に衝突すると共に大爆発を巻き起こし、黒い炎を燃焼させる。
即身仏の魔法部隊は全員木っ端微塵に吹き飛んていき、爆発の中央部では魔王がご満悦の笑みを浮かべている。
刹那、そんな魔王イスカリオテ目掛けて、一本の矢が飛翔する。
そして、それは一瞬にして弾かれた。
真っ二つに裂かれた矢が地に落ちる。
魔王の手には、逆手に握られた短刀。
瞬間、それを皮切りに無数の矢の雨が飛来する。
寺院の屋根から弓を持った即身仏たちが一斉に射ち放したものだ。
しかし魔王は接近する矢を次々と斬り払い、回避行動。
闇魔法【暗黒鞭打】を短刀を媒介に放ち、横一閃にて爆発と共に弓兵部隊を一掃する。
不意に背後から、
剣を握った近接戦闘要員の即身仏たちが三体、急襲。
一斉に、魔王目掛けて飛び掛かる。
刹那、発砲音。
それも妙なことに幾多の射撃が重なったような不協和音が響く。
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速射連撃。硝煙を燻らせながら即身仏たちに向けられており、屍たちは身体に風穴を複数穿たれ、一瞬挙動が制止する。
その一瞬の隙を、魔王の短刀が容赦なく切り裂いた。
勇者と魔王は、
阿吽の呼吸で、
敵を次々と撃滅していく。
時には防御。時には攻撃。
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