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破章の壱 How to Stop Worrying and Start Living

15ターン目/ワールドセントラルタワー

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 ◆◆◆

「よく来たな。
 ブラックCEO自ら出迎え、大袈裟に歓迎の意を体現ボディランゲージする。

 それは過去。
 世界の中心/ワールドセントラルタワー。
 “経済による平和パクス=エコノミカ”の象徴。
【株式会社ダークネス】の本社にして、ブラックCEOの根城。
 地上高829m。階数163階。
 総工費1兆5000億money (この世界共通の通貨。1money→1円)。

 グリフィン。ハッカイ。飛鳥。
 そしてホグワーツ。

 以上4名が集められたのは、セントラルタワー頂上にある荘厳な会議室。

 彼等は、【世界大戦】の最終決戦―――
 魔王城にて、確かにその息の根を―――
 その命の鼓動に終止符とどめを刺された筈だった!

 だが、しかし――――
 勇者パーティーは生きていた。
 否、

 勇者特権のひとつ/【起死回生ハッピートリガー】。
 勇者個人のみと思われていたその効能は、しかしその実仲間たちにも適用されるようで、彼等は現にこうして甦りを果たしている。

「その肝心のやないかい」
 ハッカイが不服そうに鼻を鳴らす。

「彼にはしばらく眠りについてもらっている。今勇者が目覚めるのは得策ではないからな」
 然もありなんと言った様子で、ブラックCEOが答える。

 勇者を殺すことは、事実上不可能だ。
 彼は寿命以外で死すことをこの世界に許されていない。
 だがしかし、だ。

 これまで体験した勇者の死に様は、大きく別けて2つに分類される。
 即ち、である。
 、どーゆー理屈か最寄りにある人里の教会に設置されたから
 一方、それらを回収して教会に持って行かなければ、のだ。

 現在、勇者が眠っているという表現は、この後者の性質を利用したものであることは容易に想像ができる。
 、だ。

?」
 眉を潜めながら、飛鳥あすかが気になった台詞を反芻する。

 ブラックCEOにとって、
 勇者という存在は邪魔な筈である。
 復活の阻止に成功しているならば、これを維持することこそが妥当な判断というものだ。

 しかし彼の言い分から察するに、
 どうやらブラックCEOは、のようだ。

 
 そんな彼女の疑問に、ブラックCEOは解答する。

「そうだ。俺は今、この世界に新たな固定観念ステレオタイプを構築しようとしている。その完成までに勇者にはしばらく退場を願いたい」

「新たな固定観念ステレオタイプ、ですか?」
 問いかけるのは、グリフィンだ。

「そのために、今日諸君にはここに来てもらったのだ」
 ブラックCEOは淡々と述べる。
「諸君には、我々【株式会社ダークネス】が経営する民間軍事会社PMC/【強制解決ソリューションズ】の隊長格として、それぞれ従事してもらいたい。報酬は勿論弾もう。貴様たちの実力は直に相手をした俺が一番よく知っている」

 そう言って、ブラック社長がテーブルへと案内する。
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