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序章 Let's talk about justice
8ターン目/連合軍と魔王軍
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同日。世界各地で、ペンドラゴン王国と同規模の魔王軍による侵攻作戦が展開された。
他国は成す術もなく蹂躙され、その領土は魔物たちの巣窟へと生まれ変わる。
かくして、世界地図は暗黒へと塗り替えられていく。
―――暗黒時代の始まりである。
そして―――。
国王を失ったペンドラゴン王国は、エルザ姫が即位。その再興の旗印として、魔王軍打倒を掲げる。
これまでの【外交旅団】の活躍も相俟って、その旗本には各国の有力者たちも揃い踏み、ペンドラゴン王国を中心とした【連合軍】が創立されることになった。
こうして、【連合軍】と【魔王軍】。
2大勢力の対立が明確化。世界を舞台に各地で戦いの火蓋が切って落とされた。
そんな渦中で、勇者タローを筆頭とする飛鳥。グリフィン。ハッカイ。
以上四名を中心とした【勇者パーティー】は、魔王軍へ対抗するための主戦力として大いにその真価を発揮し、遊撃的に世界各地を飛び回る。
そんな彼等の前に現れる、【魔王軍七武将】たち。
勇者タローはかつてない戦いを強いられることになっていく。
◆◆◆
―――黒紫の閃光が、無音の極小点から一気に膨らみ、鳴動する。
●【闇魔法】×【斬撃】×【敵全体】
▼魔剣公は 呪文を唱えた!【成功】
「滅殺漆黒剣ッッ!!」
稲妻を帯びた斬撃がまるで大蛇のように流動しながら、巨大化し、荒野を一気に疾駆する。
真っ暗な曇天の下、荒れ狂う豪雨にさらされた連合軍所属の歴戦の戦士たちは一同に防御や回避行動を取るが、無情にも滅殺漆黒剣は百単位の人間を薙ぎ払う。
「怯むな!前へ!!」
隊長格たちの号令と共に、連合軍兵士たちは一斉に動きだす。
近接系は剣や槍、斧、鈍器、徒手空拳を掲げる。弓兵たちが自身で、もしくは援護により属性付与された高威力過多な射撃を行い、魔法使いたちが一斉に詠唱を行い、多様な属性の魔術を射出する。
その圧倒的物量は、ただ一点。
たった一人目掛けて、集束する。
魔剣公ヴァシレウス。
魔王軍七武将の1人であり、最強の魔剣士。
銀髪の髪に上半身裸。右腕には紫の籠手を嵌めて、その手には真っ黒な剣を握っている。
彼はあろうことか単騎で、連合軍の軍勢に乗り込んできたのであった!
「さぁ、奏でろ!乱舞のメロディを!!」
その慟哭を合図に、魔剣公は走り出す。
●【無属性】×【転換】×【武器】
▼魔剣公は 呪文を唱えた。【成功】
「竜鱗剣!!」
手に携えた黒い剣が姿を消し、改めて白い突起物だらけのかろうじて大剣に見えなくてもない武装が出現する。
魔剣公はくるりと横回転し、竜鱗剣を横一線に振り抜く。
突起物が炸裂し、ヴァシレウスの周囲の宙へと拡散する。
飛散した突起物群はまるで妨害弾のように、属性付与矢や魔術攻撃の雨から防護。突起物に触れた攻撃が次々と爆破していき、その爆破が次々と畳み掛けてくる遠距離攻撃をさらに防護し、また爆破を連鎖してとい
●【無属性】×【転換】×【武器】
▼魔剣公は 呪文を唱えた。【成功】
「輪廻転生! 因果応報!」
剣がまた交代し、炎と氷の双剣が出現する。
高速連続斬撃。朱色と白っぽい青色の光が交互に交錯し、竜鱗剣が撃ち漏らした幾多の遠距離攻撃を次々と叩き斬る。
霧散する魔法。叩き折れる槍や矢。様々な色彩の点滅を放ちながら、だが着々と魔剣公は連合軍へと近づいていく。
雄叫びが、地を鳴動させる。
連合軍近距離戦用兵士たちが一斉に、勇猛にヴァシレウスへと飛び掛かっていく。
▼魔剣公は 呪文を唱えた!
▼魔剣公は 呪文を唱えた!
▼魔剣公は 呪文を唱えた!
ヴァシレウスは次々と、その手に持つ魔剣を変更させ、次々と敵を斬っていく。
▼魔剣公は 呪文を唱えた!
▼魔剣公は 呪文を唱えた!
▼魔剣公は 呪文を唱えた!
▼魔剣公は 呪文を唱えた!
▼魔剣公は 呪文を唱えた!
縦に。横に。袈裟に。幾多に。一閃に。
縦横無尽。花鳥風月。天衣無縫。
あっちこっちで血飛沫が舞い、足元の泥水が飛散し、絶命が木霊する。
まるで竜巻が突っ込んできたような勢いで、次々と屈強な戦士たちが四方八方へと吹き飛ばされていく。
――――――不意に、魔剣公が刮目する。
刃と刃が激突し、刹那の火花が生じると共に拮抗。
つまり、同等の好敵手が現れたことを指しているのだ。
「御相手をつかまつろう。なんちって――――」
黒髪ポニーテールの巫女服姿の女。
その眼光は鋭利に研がれ、その手に握る日本刀のように妖艶で美しかった。
「アタイは飛鳥。勇者パーティー所属の剣士」
直感する。強敵の到来。
魔剣公は嬉しさのあまり、白い歯を剥き出し、ニチャリと粘着質な笑みを思わずこぼす。
「―――――推して参る!」
彼女の発声と共に、拮抗した剣をお互いが振り抜く。両者は弾き飛ばされ、地を滑走。強制的に距離が空く。
そして、再び――――
両者ともに。
眼前の敵目掛けて、容赦なく斬りかかっていくのだった。
飛鳥には現在、幾多もの強化魔法が掛けられていた。
腕力。防御力。魔法耐性。速度。などなど。
連合軍の魔法使いたちの総力を挙げて、仕上げられた総戦闘能力。
名付けて、【全強化魔法集約】。
それらを統御しているのは、グリフィンだった。
「大賢者ホグワーツ!整合作業が追いつきません!ご助力を!」
「却下」
“勇者パーティー”の後方担当グリフィンの周囲では、大量の魔方陣がモニターのような機能を果たし、忙しなく点滅している。これらの制御をグリフィンは一人で奮闘していたが、それらにも限界が近づいていた。
一方、大賢者ホグワーツは鼻くそをほじりながら、それを気だるげに眺めているだけである。
「この戦場にて、おまえさんにはその規模の魔術における大演算と処理方法を体感し、獲得してもらう。当然、失敗は仲間の死に直結するであろう。…………死ぬ気でやれ」
「ひぃぃいいいっ!!」
グリフィン、涙目。
「ひぃぃいいいっ!!」
一方、主戦場であるヴァシレウスの周囲でも同じような悲鳴が起こっていた。
「逃げろ逃げろ!そっちへ行ったぞーーー!」
兵士たちが次々と吹き飛ばされ、絶叫しながら逃げ惑う。
魔剣公と女剣士。
双方が高速戦闘をおっぱじめ、連合軍兵士たちを巻き込みながら、あっちこっちで剣劇を繰り広げる。
一撃一撃で空間が破裂し、衝撃波が巻き起こる。その移動速度はまるで瞬間移動のように、次々と転移。まるで爆撃のような無節操さで理不尽に迫り来る危機的状況を必死に予測しながら、連合軍兵士たちはドッジボールを回避する子供のような挙動で、ただひたすたらに叫んでいた。
「フハハハハハ!いいぞ、もっとだ!」
一方、ヴァシレウスは愉悦に踊っていた。
これほどまでの強敵に巡り会うことが出来ようとは。その圧倒的強さの前に呆気なく敗北を喫した【魔王】を除いて、無敗を誇る自分がここまで高揚したのはいつ以来ぶりだろうか。
眼前の敵/飛鳥の剣技はあまりにも美しかった。潔い剛の太刀筋と柔軟性に富んだ技の種類。
まさに花鳥風月。それらをギリギリのところで封殺する自分の技量にもまた、魔剣公は酔いしれ、ナルシシズムを感じながら高揚する。
一方、飛鳥もまた、自身の能力が限界突破を果たして、未知の領域へ突入している感覚にひどく興奮していた。一点集中による剣の冴えは、これまでの鍛練や経験則による剣筋から明らかに逸脱した、しかしガムシャラなものではなく卓越した軌道を描き、それらから万能感と新たなインスピレーションを獲得する。
破壊と創造。アポトーシス。
彼女の剣技は今、新たなる次元へと突入しようとしていた。
「!?」
しかし、時間切れ。
夢は終わる。
すべての強化魔法が消失し、飛鳥は我に帰る。
グリフィンの整合作業が追いつかず、ついには許容範囲外を起こしたのだ。
その異変にヴァシレウスも気付き、愁いの面影を残しながら、彼女目掛けて渾身の一撃を振るう。
死。女剣士は自身の敗北を悟る。
「爆鳳导弹拳!」
刹那、魔剣公の胸部に強烈な衝撃が迸る。
突如現れたハッカイの拳が炸裂したのだ。
発勁による運動エネルギー伝導が槍のようにヴァシレウスを貫き、そのまま後方へ強引に引っ張るようにその肉体を弾き飛ばす。
「選手交代!わいに任しときィ!」
他国は成す術もなく蹂躙され、その領土は魔物たちの巣窟へと生まれ変わる。
かくして、世界地図は暗黒へと塗り替えられていく。
―――暗黒時代の始まりである。
そして―――。
国王を失ったペンドラゴン王国は、エルザ姫が即位。その再興の旗印として、魔王軍打倒を掲げる。
これまでの【外交旅団】の活躍も相俟って、その旗本には各国の有力者たちも揃い踏み、ペンドラゴン王国を中心とした【連合軍】が創立されることになった。
こうして、【連合軍】と【魔王軍】。
2大勢力の対立が明確化。世界を舞台に各地で戦いの火蓋が切って落とされた。
そんな渦中で、勇者タローを筆頭とする飛鳥。グリフィン。ハッカイ。
以上四名を中心とした【勇者パーティー】は、魔王軍へ対抗するための主戦力として大いにその真価を発揮し、遊撃的に世界各地を飛び回る。
そんな彼等の前に現れる、【魔王軍七武将】たち。
勇者タローはかつてない戦いを強いられることになっていく。
◆◆◆
―――黒紫の閃光が、無音の極小点から一気に膨らみ、鳴動する。
●【闇魔法】×【斬撃】×【敵全体】
▼魔剣公は 呪文を唱えた!【成功】
「滅殺漆黒剣ッッ!!」
稲妻を帯びた斬撃がまるで大蛇のように流動しながら、巨大化し、荒野を一気に疾駆する。
真っ暗な曇天の下、荒れ狂う豪雨にさらされた連合軍所属の歴戦の戦士たちは一同に防御や回避行動を取るが、無情にも滅殺漆黒剣は百単位の人間を薙ぎ払う。
「怯むな!前へ!!」
隊長格たちの号令と共に、連合軍兵士たちは一斉に動きだす。
近接系は剣や槍、斧、鈍器、徒手空拳を掲げる。弓兵たちが自身で、もしくは援護により属性付与された高威力過多な射撃を行い、魔法使いたちが一斉に詠唱を行い、多様な属性の魔術を射出する。
その圧倒的物量は、ただ一点。
たった一人目掛けて、集束する。
魔剣公ヴァシレウス。
魔王軍七武将の1人であり、最強の魔剣士。
銀髪の髪に上半身裸。右腕には紫の籠手を嵌めて、その手には真っ黒な剣を握っている。
彼はあろうことか単騎で、連合軍の軍勢に乗り込んできたのであった!
「さぁ、奏でろ!乱舞のメロディを!!」
その慟哭を合図に、魔剣公は走り出す。
●【無属性】×【転換】×【武器】
▼魔剣公は 呪文を唱えた。【成功】
「竜鱗剣!!」
手に携えた黒い剣が姿を消し、改めて白い突起物だらけのかろうじて大剣に見えなくてもない武装が出現する。
魔剣公はくるりと横回転し、竜鱗剣を横一線に振り抜く。
突起物が炸裂し、ヴァシレウスの周囲の宙へと拡散する。
飛散した突起物群はまるで妨害弾のように、属性付与矢や魔術攻撃の雨から防護。突起物に触れた攻撃が次々と爆破していき、その爆破が次々と畳み掛けてくる遠距離攻撃をさらに防護し、また爆破を連鎖してとい
●【無属性】×【転換】×【武器】
▼魔剣公は 呪文を唱えた。【成功】
「輪廻転生! 因果応報!」
剣がまた交代し、炎と氷の双剣が出現する。
高速連続斬撃。朱色と白っぽい青色の光が交互に交錯し、竜鱗剣が撃ち漏らした幾多の遠距離攻撃を次々と叩き斬る。
霧散する魔法。叩き折れる槍や矢。様々な色彩の点滅を放ちながら、だが着々と魔剣公は連合軍へと近づいていく。
雄叫びが、地を鳴動させる。
連合軍近距離戦用兵士たちが一斉に、勇猛にヴァシレウスへと飛び掛かっていく。
▼魔剣公は 呪文を唱えた!
▼魔剣公は 呪文を唱えた!
▼魔剣公は 呪文を唱えた!
ヴァシレウスは次々と、その手に持つ魔剣を変更させ、次々と敵を斬っていく。
▼魔剣公は 呪文を唱えた!
▼魔剣公は 呪文を唱えた!
▼魔剣公は 呪文を唱えた!
▼魔剣公は 呪文を唱えた!
▼魔剣公は 呪文を唱えた!
縦に。横に。袈裟に。幾多に。一閃に。
縦横無尽。花鳥風月。天衣無縫。
あっちこっちで血飛沫が舞い、足元の泥水が飛散し、絶命が木霊する。
まるで竜巻が突っ込んできたような勢いで、次々と屈強な戦士たちが四方八方へと吹き飛ばされていく。
――――――不意に、魔剣公が刮目する。
刃と刃が激突し、刹那の火花が生じると共に拮抗。
つまり、同等の好敵手が現れたことを指しているのだ。
「御相手をつかまつろう。なんちって――――」
黒髪ポニーテールの巫女服姿の女。
その眼光は鋭利に研がれ、その手に握る日本刀のように妖艶で美しかった。
「アタイは飛鳥。勇者パーティー所属の剣士」
直感する。強敵の到来。
魔剣公は嬉しさのあまり、白い歯を剥き出し、ニチャリと粘着質な笑みを思わずこぼす。
「―――――推して参る!」
彼女の発声と共に、拮抗した剣をお互いが振り抜く。両者は弾き飛ばされ、地を滑走。強制的に距離が空く。
そして、再び――――
両者ともに。
眼前の敵目掛けて、容赦なく斬りかかっていくのだった。
飛鳥には現在、幾多もの強化魔法が掛けられていた。
腕力。防御力。魔法耐性。速度。などなど。
連合軍の魔法使いたちの総力を挙げて、仕上げられた総戦闘能力。
名付けて、【全強化魔法集約】。
それらを統御しているのは、グリフィンだった。
「大賢者ホグワーツ!整合作業が追いつきません!ご助力を!」
「却下」
“勇者パーティー”の後方担当グリフィンの周囲では、大量の魔方陣がモニターのような機能を果たし、忙しなく点滅している。これらの制御をグリフィンは一人で奮闘していたが、それらにも限界が近づいていた。
一方、大賢者ホグワーツは鼻くそをほじりながら、それを気だるげに眺めているだけである。
「この戦場にて、おまえさんにはその規模の魔術における大演算と処理方法を体感し、獲得してもらう。当然、失敗は仲間の死に直結するであろう。…………死ぬ気でやれ」
「ひぃぃいいいっ!!」
グリフィン、涙目。
「ひぃぃいいいっ!!」
一方、主戦場であるヴァシレウスの周囲でも同じような悲鳴が起こっていた。
「逃げろ逃げろ!そっちへ行ったぞーーー!」
兵士たちが次々と吹き飛ばされ、絶叫しながら逃げ惑う。
魔剣公と女剣士。
双方が高速戦闘をおっぱじめ、連合軍兵士たちを巻き込みながら、あっちこっちで剣劇を繰り広げる。
一撃一撃で空間が破裂し、衝撃波が巻き起こる。その移動速度はまるで瞬間移動のように、次々と転移。まるで爆撃のような無節操さで理不尽に迫り来る危機的状況を必死に予測しながら、連合軍兵士たちはドッジボールを回避する子供のような挙動で、ただひたすたらに叫んでいた。
「フハハハハハ!いいぞ、もっとだ!」
一方、ヴァシレウスは愉悦に踊っていた。
これほどまでの強敵に巡り会うことが出来ようとは。その圧倒的強さの前に呆気なく敗北を喫した【魔王】を除いて、無敗を誇る自分がここまで高揚したのはいつ以来ぶりだろうか。
眼前の敵/飛鳥の剣技はあまりにも美しかった。潔い剛の太刀筋と柔軟性に富んだ技の種類。
まさに花鳥風月。それらをギリギリのところで封殺する自分の技量にもまた、魔剣公は酔いしれ、ナルシシズムを感じながら高揚する。
一方、飛鳥もまた、自身の能力が限界突破を果たして、未知の領域へ突入している感覚にひどく興奮していた。一点集中による剣の冴えは、これまでの鍛練や経験則による剣筋から明らかに逸脱した、しかしガムシャラなものではなく卓越した軌道を描き、それらから万能感と新たなインスピレーションを獲得する。
破壊と創造。アポトーシス。
彼女の剣技は今、新たなる次元へと突入しようとしていた。
「!?」
しかし、時間切れ。
夢は終わる。
すべての強化魔法が消失し、飛鳥は我に帰る。
グリフィンの整合作業が追いつかず、ついには許容範囲外を起こしたのだ。
その異変にヴァシレウスも気付き、愁いの面影を残しながら、彼女目掛けて渾身の一撃を振るう。
死。女剣士は自身の敗北を悟る。
「爆鳳导弹拳!」
刹那、魔剣公の胸部に強烈な衝撃が迸る。
突如現れたハッカイの拳が炸裂したのだ。
発勁による運動エネルギー伝導が槍のようにヴァシレウスを貫き、そのまま後方へ強引に引っ張るようにその肉体を弾き飛ばす。
「選手交代!わいに任しときィ!」
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