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忍び寄る魔の恐怖
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あれから、2ヶ月が経った。
2ヶ月の間は、セイラは苦手な数学にひたすら耐え学校生活に順応するようになってきた。今でも、苦しみの連続が続いている。
田舎暮らしの野暮でお転婆なセイラは、校則の厳しい良家のお嬢様が通うような学校は、ひたすら拷問でしかなかった。
勉強が嫌いだから、こうして異世界の魔女学校にやってきたものの、生徒の中には自分のことをエイリアンのような好奇な目で見て、ヒソヒソ話していた者は少なくはない。
その度に、セイラの心の中は、怒りと苦しみがぐるぐる不安定に入り混じる。そして、溜息が漏れてくるのだったら。
『叔父さん、叔母さん、元気ですか?私は、元気してます。毎日180度異なる異世界に移され、自分が異邦人みたいで頭がパンク思想です。勉強なんですが、折角、離れられると思ったら、一通りあるだなんて・・・絶望しかありません。学校生活は、まだまだ苦難続きです。 セイラ』
その夜ー、
セイラは、万年筆で手紙をしたため使い魔であるフクロウに渡し叔父の元へと飛ばせた。
「セイラ、遅いじゃないの・・?」
ベット越しから、ブリギットが、瞼を重たくさせたあくびをして起き上がった。
「さっき、叔父に手紙書いてたの。ねぇ、このあとちょっと、探検してみない?」
セイラは、軽くストレッチをして目を輝かせた。
「駄目よ。もう遅いし、この辺りは危険生物が潜んでるか、分からないもの…」
ブリギットは、強く首を振った。
「ちょっとだけ。そんなに怖いなら、私、一人で行くから。」
セイラは、早口になった。2ヶ月もの異なる生活に、セイラは慢性的なストレス状態になっていた。そして、いつもの好奇心という悪い癖が付いたようだ。
「・・・駄目よ・・・」
ブリギットは、困惑した顔をし立ちすくんだ。
すると、セイラが使っていた万年筆が転がり落ちた。
暗がりの向こう側から、ネズミが出現しセイラの万年筆を咥えて駆け回った。
「あ、待って、私の!」
「ネズミだわ・・・!」
「どうして、こんな所に・・?」
ネズミは、床をちょろちょろ素早く走り回る。廊下を突き抜け、窓の外へと出ていった。
セイラは、慌てて机の上のランプを手に取る。
そして、二人は、急いで部屋の窓を開け近くにあった大木に飛び降りた。そして慎重になってネズミを追って裏山の森の中へと向かった。
森の中に着くと、二人は辺りをキョロキョロ伺う。ネズミの姿は、とっくに消えて何処にも居なかった。
「ホント、何処いったのよ・・・?」
「ねぇ、それって、重要なものなの?」
「うん。お母さんの形見なの・・」
「分かった。一緒に探そう。」
二人は、微かに残ったネズミの足跡を頼りに霧の中へと足を踏み入れた。
しばらく歩き続けると、霧が濃くなっていき周りが見えなくなっていった。
「あれ・・?」
「どうしたの?ブリギット。」
「なんか、寒気がする。」
ブリギットは、ぶるぶる震えながら立ち止まった。
すると、霧の向こうから黒い影が姿を現した。
「だ、誰・・!?」
セイラは、ランプを霧の向こう側へと向けた。
ランプの明かりに照らされ、暗がりの奥の方から見慣れない服をした少女がゆっくりこちらに向かって歩いてくる。
少女は徐々に近づき、姿を顕にした。白黒のゴシックなメイド服のような格好をしており、145あるかないかの背丈だった。
ゴスロリの少女は、明らかにコチラをじっと見ているかのようだった。
「誰・・?何か、用・・?」
セイラは、ファなり再び尋ねた。
「…(ブツブツ)」
ーこの学校の生徒だろうか・・・?
しかし、セイラはゴスロリの少女に何処かしらに違和感を覚えた。
その子は、見慣れない1メートル程の長さの古めかしい杖を携えている。魔具店に行った事があるが、見かけた事はないー。材質からサイズまでが全く違う。
その杖は、所々にひびが入った薄茶色をしており先が渦巻きを成していた。しかも、塗装もマークもない。色合いから形まで、全く違う。
セイラ達の杖は、25センチから30センチ位だ。先は細く色は濃いめの茶色がベースだ。しかもニスで塗装をしており、魔具店のマークが刻まれている。
しかも、魔具店は学校の規定でそこしか許可されてない。
ー彼女は、別の学校の魔女なのだろうか
ー?
それとも、自分達は霧に包まれてるうちに過去へタイムスリップしてしまったとでも、いうのだろうかー?
その少女は、ゆらゆら左右に揺れながらゆっくり歩いてくる。
「ちょっと、待って…」
ブリギットは、瞳孔を震わせながら直視している。
「え・・どうしたの?」
目の前のゴスロリの少女は、背丈の3分の2程はある杖を携えブツブツブツブツ呟き続けた。
「ねぇ、ブリギット・・・?」
セイラは、不安になりブリギットの方を向いた。
ブリギットは、身体を硬直させたままピクリともしない。
「知り合い・・・?」
セイラは、ブリギットの肩を叩くが、彼女はマネキンのように固まっていた。
セイラは、正面を向いた。ゴスロリの少女は、ブツブツ謎の呪文を呟きながら杖を地面に垂直に立てくるくる回した。
すると、急に背筋が氷に打たれたかのようなひんやり感じる程の恐怖を感じた。
いや、それ以上ににホラー番組を見たり肝試しをした時のとは次元が遥かに違う、凍てつくような絶望を感じた。それは、ドライアイスのような乾いたような無機質な恐怖である。何処となく理由はわからない、ただ、とてつもなく重苦しいキリキリしたものを感じ
セイラとブリギットの全身は、硬直した。
ゴスロリの少女は、強めの口調で呪文を唱えた。
「イリヤ、アバダバ、レビオーザ…」
すると、少女の足元の周りを無数の影がおたまじゃくしのようにくるくる泳ぎ回った。
その影は、立体的に浮きそして、全長2メートル程のマネキンのような姿を成した。
ブリギットは、硬直したままゴスロリの少女の方へと歩み寄る。
「レーダ、リーム、ラーカ・・」
ゴスロリ少女は、声を益々高く呪文を唱えた。
影は、ゆらゆら揺らめくと身体をみるみる大きく揺らすと前のめりになる。
「ブリギット、駄目!!!」
セイラは、叫ぶとブリギットを
制した。
影は、益々大きくなると両腕を蛇のようにニョロニョロ伸ばした。
両腕は、二人をを包み込もうとする。
「ブリギット、逃げよ!!!」
セイラは、ブリギットの右腕を引っ張ると影に向かってランプを投げつけた。
「ギャーーーーーー」
ランプの光は影を一瞬で包み込んだ。影は、悲鳴を上げて前後左右に揺れた。
「光のある方、早く明るい方へ・・・」
セイラは、放心状態のブリギットの手を引くともと来た道を引き換えした。
一瞬、後方から強い光に眩しさを感じセイラはふり返った。
白い鳥のような奇妙な生き物が無数に渦を成し、黒い影を取り囲んだ。
黒い影は、再び金切声を上げた。それは、地響きのようなおぞましい悲鳴だった。
そして、粉々になり消滅した。
振り返ると、後方は白い靄で包まれ、その向こう側でゴスロリの少女はじっとコチラを見ているのが見えた。
セイラは、背後で身体全身がじわりじわりと凍っていくような奇妙な寒気を覚えた。
とある廃墟の暖炉の前で、アナベルが人形の髪をむしって遊んでいた。床に人形の髪が無数に散乱していた。
奥の暗がりの中から、ハスキーボイスの女がパイプふかしてやってきた。
「なんだい、いつもになく上機嫌じゃないか?」
アナベルは、ゆらゆら上下に揺れながらしきりに髪をむしり続ける。エプロンのポケットから、ネズミがチューチュー鳴きながら顔を出していた。
「見つけたかい?そのマリアって言う魔女の娘をー」
「・・・ミツケタ、ミツケタ、ミツケタ!」
アナベルは、身体をカクカク上下に揺らし早口で声を震わせニヤリとほくそ笑んだ。
2ヶ月の間は、セイラは苦手な数学にひたすら耐え学校生活に順応するようになってきた。今でも、苦しみの連続が続いている。
田舎暮らしの野暮でお転婆なセイラは、校則の厳しい良家のお嬢様が通うような学校は、ひたすら拷問でしかなかった。
勉強が嫌いだから、こうして異世界の魔女学校にやってきたものの、生徒の中には自分のことをエイリアンのような好奇な目で見て、ヒソヒソ話していた者は少なくはない。
その度に、セイラの心の中は、怒りと苦しみがぐるぐる不安定に入り混じる。そして、溜息が漏れてくるのだったら。
『叔父さん、叔母さん、元気ですか?私は、元気してます。毎日180度異なる異世界に移され、自分が異邦人みたいで頭がパンク思想です。勉強なんですが、折角、離れられると思ったら、一通りあるだなんて・・・絶望しかありません。学校生活は、まだまだ苦難続きです。 セイラ』
その夜ー、
セイラは、万年筆で手紙をしたため使い魔であるフクロウに渡し叔父の元へと飛ばせた。
「セイラ、遅いじゃないの・・?」
ベット越しから、ブリギットが、瞼を重たくさせたあくびをして起き上がった。
「さっき、叔父に手紙書いてたの。ねぇ、このあとちょっと、探検してみない?」
セイラは、軽くストレッチをして目を輝かせた。
「駄目よ。もう遅いし、この辺りは危険生物が潜んでるか、分からないもの…」
ブリギットは、強く首を振った。
「ちょっとだけ。そんなに怖いなら、私、一人で行くから。」
セイラは、早口になった。2ヶ月もの異なる生活に、セイラは慢性的なストレス状態になっていた。そして、いつもの好奇心という悪い癖が付いたようだ。
「・・・駄目よ・・・」
ブリギットは、困惑した顔をし立ちすくんだ。
すると、セイラが使っていた万年筆が転がり落ちた。
暗がりの向こう側から、ネズミが出現しセイラの万年筆を咥えて駆け回った。
「あ、待って、私の!」
「ネズミだわ・・・!」
「どうして、こんな所に・・?」
ネズミは、床をちょろちょろ素早く走り回る。廊下を突き抜け、窓の外へと出ていった。
セイラは、慌てて机の上のランプを手に取る。
そして、二人は、急いで部屋の窓を開け近くにあった大木に飛び降りた。そして慎重になってネズミを追って裏山の森の中へと向かった。
森の中に着くと、二人は辺りをキョロキョロ伺う。ネズミの姿は、とっくに消えて何処にも居なかった。
「ホント、何処いったのよ・・・?」
「ねぇ、それって、重要なものなの?」
「うん。お母さんの形見なの・・」
「分かった。一緒に探そう。」
二人は、微かに残ったネズミの足跡を頼りに霧の中へと足を踏み入れた。
しばらく歩き続けると、霧が濃くなっていき周りが見えなくなっていった。
「あれ・・?」
「どうしたの?ブリギット。」
「なんか、寒気がする。」
ブリギットは、ぶるぶる震えながら立ち止まった。
すると、霧の向こうから黒い影が姿を現した。
「だ、誰・・!?」
セイラは、ランプを霧の向こう側へと向けた。
ランプの明かりに照らされ、暗がりの奥の方から見慣れない服をした少女がゆっくりこちらに向かって歩いてくる。
少女は徐々に近づき、姿を顕にした。白黒のゴシックなメイド服のような格好をしており、145あるかないかの背丈だった。
ゴスロリの少女は、明らかにコチラをじっと見ているかのようだった。
「誰・・?何か、用・・?」
セイラは、ファなり再び尋ねた。
「…(ブツブツ)」
ーこの学校の生徒だろうか・・・?
しかし、セイラはゴスロリの少女に何処かしらに違和感を覚えた。
その子は、見慣れない1メートル程の長さの古めかしい杖を携えている。魔具店に行った事があるが、見かけた事はないー。材質からサイズまでが全く違う。
その杖は、所々にひびが入った薄茶色をしており先が渦巻きを成していた。しかも、塗装もマークもない。色合いから形まで、全く違う。
セイラ達の杖は、25センチから30センチ位だ。先は細く色は濃いめの茶色がベースだ。しかもニスで塗装をしており、魔具店のマークが刻まれている。
しかも、魔具店は学校の規定でそこしか許可されてない。
ー彼女は、別の学校の魔女なのだろうか
ー?
それとも、自分達は霧に包まれてるうちに過去へタイムスリップしてしまったとでも、いうのだろうかー?
その少女は、ゆらゆら左右に揺れながらゆっくり歩いてくる。
「ちょっと、待って…」
ブリギットは、瞳孔を震わせながら直視している。
「え・・どうしたの?」
目の前のゴスロリの少女は、背丈の3分の2程はある杖を携えブツブツブツブツ呟き続けた。
「ねぇ、ブリギット・・・?」
セイラは、不安になりブリギットの方を向いた。
ブリギットは、身体を硬直させたままピクリともしない。
「知り合い・・・?」
セイラは、ブリギットの肩を叩くが、彼女はマネキンのように固まっていた。
セイラは、正面を向いた。ゴスロリの少女は、ブツブツ謎の呪文を呟きながら杖を地面に垂直に立てくるくる回した。
すると、急に背筋が氷に打たれたかのようなひんやり感じる程の恐怖を感じた。
いや、それ以上ににホラー番組を見たり肝試しをした時のとは次元が遥かに違う、凍てつくような絶望を感じた。それは、ドライアイスのような乾いたような無機質な恐怖である。何処となく理由はわからない、ただ、とてつもなく重苦しいキリキリしたものを感じ
セイラとブリギットの全身は、硬直した。
ゴスロリの少女は、強めの口調で呪文を唱えた。
「イリヤ、アバダバ、レビオーザ…」
すると、少女の足元の周りを無数の影がおたまじゃくしのようにくるくる泳ぎ回った。
その影は、立体的に浮きそして、全長2メートル程のマネキンのような姿を成した。
ブリギットは、硬直したままゴスロリの少女の方へと歩み寄る。
「レーダ、リーム、ラーカ・・」
ゴスロリ少女は、声を益々高く呪文を唱えた。
影は、ゆらゆら揺らめくと身体をみるみる大きく揺らすと前のめりになる。
「ブリギット、駄目!!!」
セイラは、叫ぶとブリギットを
制した。
影は、益々大きくなると両腕を蛇のようにニョロニョロ伸ばした。
両腕は、二人をを包み込もうとする。
「ブリギット、逃げよ!!!」
セイラは、ブリギットの右腕を引っ張ると影に向かってランプを投げつけた。
「ギャーーーーーー」
ランプの光は影を一瞬で包み込んだ。影は、悲鳴を上げて前後左右に揺れた。
「光のある方、早く明るい方へ・・・」
セイラは、放心状態のブリギットの手を引くともと来た道を引き換えした。
一瞬、後方から強い光に眩しさを感じセイラはふり返った。
白い鳥のような奇妙な生き物が無数に渦を成し、黒い影を取り囲んだ。
黒い影は、再び金切声を上げた。それは、地響きのようなおぞましい悲鳴だった。
そして、粉々になり消滅した。
振り返ると、後方は白い靄で包まれ、その向こう側でゴスロリの少女はじっとコチラを見ているのが見えた。
セイラは、背後で身体全身がじわりじわりと凍っていくような奇妙な寒気を覚えた。
とある廃墟の暖炉の前で、アナベルが人形の髪をむしって遊んでいた。床に人形の髪が無数に散乱していた。
奥の暗がりの中から、ハスキーボイスの女がパイプふかしてやってきた。
「なんだい、いつもになく上機嫌じゃないか?」
アナベルは、ゆらゆら上下に揺れながらしきりに髪をむしり続ける。エプロンのポケットから、ネズミがチューチュー鳴きながら顔を出していた。
「見つけたかい?そのマリアって言う魔女の娘をー」
「・・・ミツケタ、ミツケタ、ミツケタ!」
アナベルは、身体をカクカク上下に揺らし早口で声を震わせニヤリとほくそ笑んだ。
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