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二話
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「あ、あの……お坊ちゃま……?」
声をかけられ、自分だけの世界に浸っていたことに気づく。
俺は目の前に経つ若い男性を指さし、言い放った。
「そうだ!おま、お前!誰?!」
「お、お坊ちゃま。私のことをお覚えになっておられないのですか……?」
「あぁ!知らねぇから言ってんだよ!」
彼は溜息をつき、俺の頭に手を当て熱を測る動作をした。
「お坊ちゃま、本当に……私は不安で御座います……」
「は?」
「このような奇行に走るような方では無かったでしょう……寝室にお戻りになりますか?」
不安そうに言われ、俺は後退り距離を置いてしまう。
「いやいやいや!俺はあんたの事なんか知らないし!しかもお坊ちゃまって誰だよ!」
「何を仰っているのですか。貴方の事ですよ?」
「はぁ?知らねぇって。せめて自己紹介くらいしてくれよ……」
彼はまた溜息をつき、俺に向かって丁寧にお辞儀をした。
「アリアス、アリアス=ライラー。貴方の専属の執事でございます」
「は、はぁ……」
俺も流れでお辞儀をし、苦笑いをした。
「あの……アリアスさん、ここってどこなんですか?」
問うと、彼は俺に言い正し続けた。
「『アリアスさん』ではなく、『アリアス』でお願いします。貴方がどうであれ私は執事なので、そのような敬意など必要ありません。詳しい話はお坊ちゃまの自室でお話致しますので──」
「どうぞ、手を」
笑顔で手を差し伸べられ、俺はまるで王国の女王様のような扱いにただただ違和感を覚えていた。
声をかけられ、自分だけの世界に浸っていたことに気づく。
俺は目の前に経つ若い男性を指さし、言い放った。
「そうだ!おま、お前!誰?!」
「お、お坊ちゃま。私のことをお覚えになっておられないのですか……?」
「あぁ!知らねぇから言ってんだよ!」
彼は溜息をつき、俺の頭に手を当て熱を測る動作をした。
「お坊ちゃま、本当に……私は不安で御座います……」
「は?」
「このような奇行に走るような方では無かったでしょう……寝室にお戻りになりますか?」
不安そうに言われ、俺は後退り距離を置いてしまう。
「いやいやいや!俺はあんたの事なんか知らないし!しかもお坊ちゃまって誰だよ!」
「何を仰っているのですか。貴方の事ですよ?」
「はぁ?知らねぇって。せめて自己紹介くらいしてくれよ……」
彼はまた溜息をつき、俺に向かって丁寧にお辞儀をした。
「アリアス、アリアス=ライラー。貴方の専属の執事でございます」
「は、はぁ……」
俺も流れでお辞儀をし、苦笑いをした。
「あの……アリアスさん、ここってどこなんですか?」
問うと、彼は俺に言い正し続けた。
「『アリアスさん』ではなく、『アリアス』でお願いします。貴方がどうであれ私は執事なので、そのような敬意など必要ありません。詳しい話はお坊ちゃまの自室でお話致しますので──」
「どうぞ、手を」
笑顔で手を差し伸べられ、俺はまるで王国の女王様のような扱いにただただ違和感を覚えていた。
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