純粋な男子高校生はヤクザの組長に無理矢理恋人にされてから淫乱に変貌する

5話

 車がどこかで止まった。
 ドアが開けられ、陸兎さんに手を差し出される。

 「もう立てそう？」

 そう聞かれ、俺は試しに座席に手をついて腰を浮かせてみた。
 さっきから時間が経ったからか腰は元に戻っていた。

 「あ、もう大丈夫みたいです」

 「そう、よかった。じゃあ、行こうか」

 背中を押され目の前のビルの中に入っていく。
 三階に上がったところで陸兎さんが、ドアをノックした。

 「組長、失礼します」 

 「え、陸兎さん今なんて……」

 「しーっ、黙って」

 彼はそう言って聞き流したが、俺はさっきの言葉を聞いて寒気がした。
 怖がる俺を尻目に陸兎さんはドアを開けて入っていった。
 
 「ほら、奏君も入って」

 声をかけられ、俺は顔を下に向けたままその部屋に入った。

 「やぁ、葉村くん。こんばんは」

 彼が組長と呼んだ男だろうか。
 ヤクザということもあり、俺は怯えて顔を上げることが出来ずにいた。

 「葉村君ってば」

 ずっと俺を呼ぶ声が聞こえる。
 俺は無反応でその場に立ち尽くす。
 俺が怖がっているのを察したのか俺の隣に歩み寄ってきた。