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Lesson.4 ヒロイン封じと学園改革
99.騒動のあと
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「やっぱりヴィオラ嬢は近くにいるだけで背筋がのびちゃうね。」
マギア教授はフレエシアたちと再び合流すると、ヴィオラの前で一生懸命伸ばしていた背中の緊張を一気に解いた。
「あはは。それは、私も同じです。」
妹であるフレエシアも、ヴィオラを前にすると少し緊張する。
何より、あのスミレ色の瞳は時々何もかもを見透かしているような輝きを持つのだ。
「アンドレアス君は正気を取り戻した今からが地獄だな。」
「え? アンドレアス様、どうかしたの?」
フレエシアたちが振り返ると、ドレスアップをしたリナが立っていた。
「今、ヴィオラお姉様と話し合い中なんだよ。」
「そうなの? プリムラ嬢がヴィオラ嬢に引き合わせてくれるっていうから、気合入れて来たのに……。」
「そんなに時間はかからないと思うよ。
というか、君、本当はそういう話し方だったんだね。」
「うん。公爵令嬢の御前では失礼かもしれませんが。」
リナがにやりと笑みを浮かべながら話す。
「別に私は気にしないよ。
ただ、ヴィオラお姉様の前では令嬢モードの方が、仲良くなれると思うけどね。」
「忠告ありがとう。
ところで、こちらがマギア教授ね?」
「あ、そうそう。
先生、以前先生の研究室を訪ねてきていた、リナ・ロベルティ嬢だよ。」
マシューと話していたマギア教授が振り返り、リナを見る。
「やあ、初めまして。リナ嬢。
僕に魔道具の相談があったとか? どんな魔道具? 今持ってる?」
マギア教授の興味は、明らかにリナではなく魔道具へ向いている。
「あれ? マギア教授チャームされないじゃん。」
フレエシアががっかりした様子を見せる。
「どういうこと?」
マギア教授がきょとんとしている。
「ペンダント無しの先生も、チャームは脅威じゃなくたったってことだよ。
リナに魅了されたらどうなるのか、見たかったのに。
ディナルドもマシューも、ここにいる男は皆チャームが効かないんだから。」
「あなたもね。私のチャームは性別関係ないもん。
それにしても不思議……。
どうして、こんなにもチャームが効かないの?
こんなこと初めてだよ。」
実際に、リナの周りには彼女に魅了された人々が男女問わずちらちらとこちらの様子をうかがっていた。
「うーん。
それは申し訳ないけど、話せないんだ。
ただ、何だか大変だね。」
「普段は顔を隠して生活してるから、意外と大丈夫だよ。」
フレエシアがうっかりヒントを話すのではないかと期待したが、そう簡単には謎は解けない。
「お姉様! リナさん!」
プリムラが合流する。
「ローラとサラは?」
「ルドヴィク様が王宮内の庭園へ連れていってくださったわ。
他の貴族たちは入れない場所らしいから、ゆっくり休めると思うの。」
「そう。ローラの婚約者も危うくアイリに魅了されちゃうところだったしね。」
「私が来る前に、何が起こったの?」
真剣な顔をしてリナが尋ねると、フレエシアが改めてアイリとアンドレアスに起こったことを説明する。
「それで、アイリは今どこに?」
「あそこ。」
フレエシアが指をさした方向を見ると、アイリは見知らぬ男性とダンスをしていた。
「で、あれがアイリとのダンスの順番待ちの列で、あそこのアイリを睨みつけている令嬢の団体が列に並んでいる男性たちの婚約者たち。」
「ええ!? どういう状況を作ってるんだ、あの子は。」
「ただ、アイリも戸惑っているみたい。
全然楽しそうじゃないしね。」
確かに、アイリがダンス会場から抜け出そうとしても、半ば無理やり次の男性とダンスをさせられているように見えた。
「ダンス地獄みたいでかわいそうだけど、私たちが助けに行っても素直に聞かないだろうしね。」
フレエシアが気の毒そうにアイリを見つめる。
「あなたたちにとっては敵のようなものなのに、ざまあみろって思わないの?」
リナがそう疑問を口にすると、フレエシアは不思議そうな顔をした。
「そうは思わないかな。
あの子のことは嫌いだけど、困っている姿を見たいわけではないし。
ただ反省をして、もう妹たちに付きまとわなければそれでいい。」
フレエシアの言葉に、リナはふぅと息を吐きだす。
「あなたは本当に高潔な心をもっているんだね。
全然“悪役令嬢”なんかじゃないじゃん。
仕方がないから、私がアイリを助けてくるよ。
一応、友だちだったしね。」
リナはそう言うと、持っていたショールで顔を隠してダンス会場へ歩いていった。
マギア教授はフレエシアたちと再び合流すると、ヴィオラの前で一生懸命伸ばしていた背中の緊張を一気に解いた。
「あはは。それは、私も同じです。」
妹であるフレエシアも、ヴィオラを前にすると少し緊張する。
何より、あのスミレ色の瞳は時々何もかもを見透かしているような輝きを持つのだ。
「アンドレアス君は正気を取り戻した今からが地獄だな。」
「え? アンドレアス様、どうかしたの?」
フレエシアたちが振り返ると、ドレスアップをしたリナが立っていた。
「今、ヴィオラお姉様と話し合い中なんだよ。」
「そうなの? プリムラ嬢がヴィオラ嬢に引き合わせてくれるっていうから、気合入れて来たのに……。」
「そんなに時間はかからないと思うよ。
というか、君、本当はそういう話し方だったんだね。」
「うん。公爵令嬢の御前では失礼かもしれませんが。」
リナがにやりと笑みを浮かべながら話す。
「別に私は気にしないよ。
ただ、ヴィオラお姉様の前では令嬢モードの方が、仲良くなれると思うけどね。」
「忠告ありがとう。
ところで、こちらがマギア教授ね?」
「あ、そうそう。
先生、以前先生の研究室を訪ねてきていた、リナ・ロベルティ嬢だよ。」
マシューと話していたマギア教授が振り返り、リナを見る。
「やあ、初めまして。リナ嬢。
僕に魔道具の相談があったとか? どんな魔道具? 今持ってる?」
マギア教授の興味は、明らかにリナではなく魔道具へ向いている。
「あれ? マギア教授チャームされないじゃん。」
フレエシアががっかりした様子を見せる。
「どういうこと?」
マギア教授がきょとんとしている。
「ペンダント無しの先生も、チャームは脅威じゃなくたったってことだよ。
リナに魅了されたらどうなるのか、見たかったのに。
ディナルドもマシューも、ここにいる男は皆チャームが効かないんだから。」
「あなたもね。私のチャームは性別関係ないもん。
それにしても不思議……。
どうして、こんなにもチャームが効かないの?
こんなこと初めてだよ。」
実際に、リナの周りには彼女に魅了された人々が男女問わずちらちらとこちらの様子をうかがっていた。
「うーん。
それは申し訳ないけど、話せないんだ。
ただ、何だか大変だね。」
「普段は顔を隠して生活してるから、意外と大丈夫だよ。」
フレエシアがうっかりヒントを話すのではないかと期待したが、そう簡単には謎は解けない。
「お姉様! リナさん!」
プリムラが合流する。
「ローラとサラは?」
「ルドヴィク様が王宮内の庭園へ連れていってくださったわ。
他の貴族たちは入れない場所らしいから、ゆっくり休めると思うの。」
「そう。ローラの婚約者も危うくアイリに魅了されちゃうところだったしね。」
「私が来る前に、何が起こったの?」
真剣な顔をしてリナが尋ねると、フレエシアが改めてアイリとアンドレアスに起こったことを説明する。
「それで、アイリは今どこに?」
「あそこ。」
フレエシアが指をさした方向を見ると、アイリは見知らぬ男性とダンスをしていた。
「で、あれがアイリとのダンスの順番待ちの列で、あそこのアイリを睨みつけている令嬢の団体が列に並んでいる男性たちの婚約者たち。」
「ええ!? どういう状況を作ってるんだ、あの子は。」
「ただ、アイリも戸惑っているみたい。
全然楽しそうじゃないしね。」
確かに、アイリがダンス会場から抜け出そうとしても、半ば無理やり次の男性とダンスをさせられているように見えた。
「ダンス地獄みたいでかわいそうだけど、私たちが助けに行っても素直に聞かないだろうしね。」
フレエシアが気の毒そうにアイリを見つめる。
「あなたたちにとっては敵のようなものなのに、ざまあみろって思わないの?」
リナがそう疑問を口にすると、フレエシアは不思議そうな顔をした。
「そうは思わないかな。
あの子のことは嫌いだけど、困っている姿を見たいわけではないし。
ただ反省をして、もう妹たちに付きまとわなければそれでいい。」
フレエシアの言葉に、リナはふぅと息を吐きだす。
「あなたは本当に高潔な心をもっているんだね。
全然“悪役令嬢”なんかじゃないじゃん。
仕方がないから、私がアイリを助けてくるよ。
一応、友だちだったしね。」
リナはそう言うと、持っていたショールで顔を隠してダンス会場へ歩いていった。
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