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眠れない夜
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アシュレイは騎士団宿舎の廊下を自室へ戻る為、歩いていく。長期の魔物討伐の疲れは少し残るものの、彼にとっては大した問題ではなく、自分が留守の間莉人に何もなかっただろうか···と、そちらの方が気になり帰路を急ぎ馬を飛ばしてきた。予定より一日早く着きはしたが、宿舎に着いたのは夜半過ぎだった。宿舎の中も静まり返っている。
「アシュレイ」
部屋のドアが開き、顔を覗かせたグレースに小声で声をかけられアシュレイは足を止めた。
「まだ起きていたのか」
「ええ。遠征、お疲れ様でした。明日の帰還だと聞いてましたが、随分お早いお帰りで」
そんなにリヒトが心配でしたか?と、グレースに聞かれ、分かりきった事を聞くなと眉を顰める。
「俺が留守の間、変わりはなかったか?」
グレースは頷き、
「リヒトが拐われた一件以来、表立って彼に手を出す者はいなくなりましたからね···。彼に手を出そうものなら、第一隊長に殺されると專らの噂ですよ」
と、クスクス笑う。アシュレイは嫌そうにジロリとグレースを睨んだ。
「何はともあれ、この宿舎の中であれば彼に危害を加える者はいないでしょうから、第一の誰かが彼に四六時中つく必要はないと思いますよ。彼も息が詰まってしまうのではないですか?」
「······分かっている」
そう言うと、アシュレイは再び歩き出した。
アシュレイの去っていく背中を見つめながら、グレースは溜息を吐いた。
本当に分かってるんですかねえ····
あまり束縛が過ぎると、彼に嫌われてしまいますよ
「アシュレイ」
部屋のドアが開き、顔を覗かせたグレースに小声で声をかけられアシュレイは足を止めた。
「まだ起きていたのか」
「ええ。遠征、お疲れ様でした。明日の帰還だと聞いてましたが、随分お早いお帰りで」
そんなにリヒトが心配でしたか?と、グレースに聞かれ、分かりきった事を聞くなと眉を顰める。
「俺が留守の間、変わりはなかったか?」
グレースは頷き、
「リヒトが拐われた一件以来、表立って彼に手を出す者はいなくなりましたからね···。彼に手を出そうものなら、第一隊長に殺されると專らの噂ですよ」
と、クスクス笑う。アシュレイは嫌そうにジロリとグレースを睨んだ。
「何はともあれ、この宿舎の中であれば彼に危害を加える者はいないでしょうから、第一の誰かが彼に四六時中つく必要はないと思いますよ。彼も息が詰まってしまうのではないですか?」
「······分かっている」
そう言うと、アシュレイは再び歩き出した。
アシュレイの去っていく背中を見つめながら、グレースは溜息を吐いた。
本当に分かってるんですかねえ····
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