騎士隊長と黒髪の青年

朔弥

文字の大きさ
上 下
13 / 54
騎士隊長と黒髪の青年

13 ※

しおりを挟む
 ベッドに押し倒され、深く口づけられた莉人はアシュレイの想いに応えるように自ら舌を絡ませた。
「んっ····」
 絡み合う唾液が莉人の唇を濡らし、艶やかな色気を放つ。
 口づけを交わしたまま、太腿に触れていた手が内側に滑り込み、シャツの隙間から見え隠れする莉人の陰茎に指が絡みついた。
 ゆるゆると指が淫らに動かされ、指が動く度芽生える快楽に莉人は甘い声を洩らす。
「·····ぅん······ぁあっ·····」
 その甘い吐息さえ飲み込むようにアシュレイは激しく口づけた。
「んんっ······」
 苦しそうな声が洩れるが、快楽に焦れ、せがむ声も滲む。
 先から伝い始めた快楽の涙は、アシュレイの手の動きを手伝い、淫らな音をたてた。
 静かな部屋に響く淫猥な音が莉人の欲情を煽り、苦しい程のたかぶりをもたらす。
「リヒト·····まだイくな······」
 耳元で囁やき、アシュレイは莉人から離れるとベッドから降り、近くの机から何かを取り出し再び莉人の元へと戻る。
「何も考えられないくらいに、ここで俺を感じろ·····」
 ヒヤリとした液体が後孔に垂らされ、指で入口を撫でるように動いたかと思うと、中へと入り込んできた。とろみのある液体も手伝い、アシュレイの指はすんなりと莉人の中へ飲み込まれていく。
「っあ·····んぅっ·········」
 内壁をなぞる様に何度も抜き差しを繰り返しす。入口が解れてくると指を増やし、狭い道を広げるように動かした。莉人が傷つかないように優しく何度も繰り返す。
 前立腺を刺激され、莉人の下肢が淫らに揺れ動く。蜜を零す昂りも限界を迎えていた。
「アシュレ·····もう···イかせ·····」
 潤んだ瞳で懇願する。
「リヒト·····」
 アシュレイは名を口にすると、自身の猛ったものを莉人の後孔に宛てがった。そして、ゆっくりと莉人の中へ沈めていく。
「うっ·····っっ·······」
 確かな質量に、苦しげな吐息が莉人の口から零れる。だが、念入りに解された後孔はアシュレイを奥まで飲み込んだ。
「·····あぁっ·········」
 莉人が洩らした快楽を感じる喘ぐ声に、アシュレイは莉人が自分を受け入れてくれた事に安堵する。
「リヒト···愛してる······俺だけを見てろ····」
 アシュレイは緩やかに腰を動かし、時折、奥まで一気に突き立てた。
 リズムのつかめない動きに呼吸を乱され、淫靡いんびな快楽が莉人を襲う。
「ふっ····んぁっ······もぅ····」
 下肢を震わせ、切なくイきたいと強請ねだる。
 それに応えるように、アシュレイは激しく莉人の中を責め立てた。
「あっ·····ゃああっ·······」
 抑えきれない喘ぎ声が絶え間なく洩れ、アシュレイにより一層深く突き上げられた瞬間、莉人は絶頂を迎えた。同時に内壁が収縮し、アシュレイを締め付ける。
「くっ····」
 アシュレイは温かな締め付けに耐えられず、莉人の中に精を放った。
「リヒト·····」
 浅く呼吸を繰り返している莉人に優しく囁き、汗に濡れた前髪をいた。
 まだ快楽の余韻が残る瞳で莉人はアシュレイを見つめる。
「もう···お前以外の奴に触られるのは嫌だ····責任···取れよな」
 莉人の言葉にアシュレイは笑みを浮べた。そして莉人の手をとり、手の甲に口づけ囁いた。


 一生かけて

 リヒト····お前を愛し続けよう ────

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

腹違いの兄との息子に18年後さらに襲われる女オメガの話

知見夜空
恋愛
罪と知りながら禁忌を犯すことを前提とした話です。ヒーローは人の形をした悪魔というイメージで書いているので性格が悪く、ヒロインにもズルさと弱さがあります。 とても非道徳的な話なので、倫理観が強い方はお気をつけください(このお話はムーンライトノベルズとベリーズカフェにも投稿しています)。 以下、注意事項。 ・オメガバース風の世界観ですが、独自設定が多いです。 ・息子が出て来るまでの前置きが長く、他の男性との性描写があります。 ・近親相姦という題材的にR18にしましたが、直接的な性描写はありません。

私の愛する人は、私ではない人を愛しています

ハナミズキ
恋愛
代々王宮医師を輩出しているオルディアン伯爵家の双子の妹として生まれたヴィオラ。 物心ついた頃から病弱の双子の兄を溺愛する母に冷遇されていた。王族の専属侍医である父は王宮に常駐し、領地の邸には不在がちなため、誰も夫人によるヴィオラへの仕打ちを諫められる者はいなかった。 母に拒絶され続け、冷たい日々の中でヴィオラを支えたのは幼き頃の初恋の相手であり、婚約者であるフォルスター侯爵家嫡男ルカディオとの約束だった。 『俺が騎士になったらすぐにヴィオを迎えに行くから待っていて。ヴィオの事は俺が一生守るから』 だが、その約束は守られる事はなかった。 15歳の時、愛するルカディオと再会したヴィオラは残酷な現実を知り、心が壊れていく。 そんなヴィオラに、1人の青年が近づき、やがて国を巻き込む運命が廻り出す。 『約束する。お前の心も身体も、俺が守るから。だからもう頑張らなくていい』 それは誰の声だったか。 でもヴィオラの壊れた心にその声は届かない。 もうヴィオラは約束なんてしない。 信じたって最後には裏切られるのだ。 だってこれは既に決まっているシナリオだから。 そう。『悪役令嬢』の私は、破滅する為だけに生まれてきた、ただの当て馬なのだから。

油彩の箱庭

だいきち
BL
それは、擬態にも似ていた。 油彩の花畑の中で、佐一郎は蛹のように丸くなっていた。 望まれない体を憎むように追い詰める佐一郎を前に、その殻を不躾に破いたのは執事である久慈だった。 カンテラの光が揺れる中での、命の営み。 佐一郎を蛹だと馬鹿にする久慈の手によって、素直にされていく体。 油彩の花畑の中で、佐一郎が曝け出した真実とは何か 口にできない想いを抱えた二人が、互いを確かめるように狭い部屋で一つになる。 感情の底にあるのは愛情なのか、醜い執着なのか。 不遜が服を着ている執事久慈×己を愛せない画家の佐一郎 狭い部屋、偽りの花に埋もれながら、佐一郎が本当の意味で己を知る。 サクッと読める地獄BLはこちら!

王宮に咲くは神の花

ごいち
BL
中世風王宮ファンタジー 金髪と青い目を持つシェイドは、異国風の外見から王族とは認められていなかった。 ある夜、職務のために腹違いの弟である王太子ジハードのもとを訪れると、シェイドを嫌っているはずのジハードに迫られて――。 薄幸な主人公が色々な相手に襲われながら幸せを知る話。総受けR18。神話要素アリ。   神の現身と謳われる俺様攻×自己評価の低い美人受  表紙・挿絵は豚子さん(https://twitter.com/M_buibui)に描いていただきました。ありがとうございます。   ※以前他サイト様で投稿したものを改訂・加筆して投稿しています。全体に多少の改訂をかけ、最後数話分は丸々書き直しています。他サイト様で投稿したものから結末を変更しているので、あちらでご覧になられた方もよろしければ覗いてください。

2回目チート人生、まじですか

ゆめ
ファンタジー
☆☆☆☆☆ ある普通の田舎に住んでいる一之瀬 蒼涼はある日異世界に勇者として召喚された!!!しかもクラスで! わっは!!!テンプレ!!!! じゃない!!!!なんで〝また!?〟 実は蒼涼は前世にも1回勇者として全く同じ世界へと召喚されていたのだ。 その時はしっかり魔王退治? しましたよ!! でもね 辛かった!!チートあったけどいろんな意味で辛かった!大変だったんだぞ!! ということで2回目のチート人生。 勇者じゃなく自由に生きます?

料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓
恋愛
 隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。  どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。  巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。  転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。  そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。

英雄になった夫が妻子と帰還するそうです

白野佑奈
恋愛
初夜もなく戦場へ向かった夫。それから5年。 愛する彼の為に必死に留守を守ってきたけれど、戦場で『英雄』になった彼には、すでに妻子がいて、王命により離婚することに。 好きだからこそ王命に従うしかない。大人しく離縁して、実家の領地で暮らすことになったのに。 今、目の前にいる人は誰なのだろう? ヤンデレ激愛系ヒーローと、周囲に翻弄される流され系ヒロインです。 珍しくもちょっとだけ切ない系を目指してみました(恥) ざまぁが少々キツイので、※がついています。苦手な方はご注意下さい。

百合監禁調教予定のお話

RasK
恋愛
タイトル通り。 亀更新。感想とか応援コメント貰えたら喜ぶ。

処理中です...