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        ハル


 怒涛の日々が過ぎ、今僕は、ベッドの住人になっています。
ハルです。

 何故僕がベッドの住人になっているのかと、、、

まず、ヴィーちゃんと陛下の結婚式が無事迎えられ、盛大に豪華で、幸せなままで、終えました。
もうね、ヴィーちゃんが、とにかく綺麗で可愛くてね、ウェディングドレスが凄かった!
こちらでも、ドレスは白なんだよ。
そのドレスが、キラキラしてて、ベールがすっごく長くて、とっても綺麗だったんだよ。
もうね、感動しちゃって。。。
ずっと泣きっぱなし。
「次は、ハルちゃんの番ね!」
と、ヴィーちゃんに言われて、笑顔で、「うん、ヴィーちゃん。僕に優しくしてくれてありがとう。ヴィーちゃん!陛下とお幸せに!本当におめでとう!」
ありがとう、と幸せな笑顔のヴィーちゃん
は、僕と抱き合った。
その後披露宴で、僕からヴィーちゃんに、ピアノのプレゼント。
ヴィーちゃんは、泣きながらでも、とても綺麗な幸せな笑顔で
「ハルちゃん、ありがとう!私、一生忘れないわ!大好きよ!ハルちゃん!」
そう言って僕を抱きしめ離れないヴィーちゃんを、陛下とジークが必死になって剥がそうとするのが、可笑しくて、皆が笑ってと、とても暖かく幸せな空間だったよ。

お父様もお母様も、領地から来てたから、僕は嬉しくて、あんな話やこんな話を、2人が領地に帰るまで、沢山したんだ。
そしたら、やっぱりパンケーキの事が、いたく気になったみたいで、早速作り方を教えてあげて、食べさせてあげたの。
その時の2人の顔ってば、もう可笑しくてもう、お腹抱えて笑っちゃった!
あんまりに僕が笑うもんだから、
「ハル、笑い事ではないぞ!」
「えっ?」
「そうよ、ハルちゃん。これはお店が開けるわよ!凄く人気が出るでしょうね。どうする?ハルちゃん?」
「えっ?えぇっと、、、どうする?」
「ハルが店を出したいと言うなら、今すぐ出せるぞ?」
お父様。。。
「ううん、僕が店を出す事はないよ。このパンケーキは、僕のいた所では、誰でも作れるし、専門のお店があったくらいの、特に珍しい物でもないしね。だから、もし誰かこれを食べて、自分で作る事はいいと思うし、色々な人が自分で工夫して食べてもいいし。」
だよね。向こうでは、子供でも作れるし、パンケーキのお店も、沢山あったしね。
お店だって、色々な個性があったり、映えスポットになったり。
懐かしいな。


「そうか。ハルは欲がないな。まぁ、そんなハルだから皆ハルの事好きなんだがな」
ありがとう。お父様。
僕も、お父様大好きだよ!
お母様も、大好き!
「ハルちゃん。そうね。これまで大変だったものね。これからは、ジークと一緒に楽しく幸せに暮らしなさいね。」
「はい。お母様。ありがとう。」
「また、2人で領地に遊びにおいで。待ってるからな。」
お父様とお母様が僕を抱きしめてくれた。
本当に2人共、優しいな。
嬉しくて涙が出てしまう。
ありがとう。大好きだよ。

そして、お父様お母様は領地に帰って行った。
今度は、寂しくて涙がポロリ落ちた。


やっぱり、ここの所忙しくて、やっとゆっくり出来るなぁ~
と、おもって気を抜いた途端に、ベッドに直行することになりました。

熱が続いて、怠くて、とにかく眠くて。
ジークは、心配でオロオロしてる。
それを、構うのも億劫で、心の中でごめんねぇ~と、思いながら放置してる。

さすがに、いつもと違うと感じたのか、ジークが侍医のモーリス先生を呼んだみたいだ。

ふと、目を開けるとモーリス先生が、ベッドの横に座っていて、僕の手首を持って脈を測っていた。
「あ、先生。こんにちは。」
「はい。こんにちは。気分はどうですか?」
モーリス先生は、柔らかい笑顔で僕に聞いた。
「今は、大丈夫です。」
「そう、良かった。ジークは相当慌ててたよ。君を見つけた時と同じ様にね。」
「ふふっ、そうですか。あれ?ジークはどこに?」
そう言えば、いつも側にいたのにどこ行ったんだろう?
「あぁ、側に居たかったみたいだけど、僕が追い出したんだ。」
「えっ?お、追い出した?」
「そう。ちょっとね、ハル君に聞きたい事があったからね。」
「聞きたい事ですか?」
「そう。ハル君、いつもの体調不良とは違うんじゃないかな?」
「えっ?えーっと、違う?んー?そう、そうかもしれませんね。いつもは、一晩ゆっくり寝れば大抵治りますね。今回は、寝ても寝ても、眠くなります。身体も怠いですね。」
モーリス先生は、少しだけ考えると、
「うん、間違いないね。ハル君。おめでとう!懐妊だね。」
はっ?先生が何を言ってるか、一瞬訳が分からなかったけど、懐妊。と、口に出して言ってみると、じわじわ嬉しさが湧き上がる。
「先生。本当に?間違いない?」
「うん、まだ安定期に入ってないから、無理はしないようにね。」
「はい!ありがとうございます。」
嬉しい!嬉しい!
ジークと僕の子供。
僕は、そっとお腹を撫でる。
「ジークには、自分で伝える?」
「はい!僕が伝えたいです。」
「ん、分かった。それでは、何かあればすぐに連絡してね。くれぐれも無理はしないようにね!」
「はい!ありがとうございます。気をつけます。」

モーリス先生が部屋から出て、すぐにジークが入って来た。



僕は、ジークにどう伝えようか、ニマニマしながら、ジークを見つめた。
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