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       12、要


叔父さんが固まった。
まだ、伝えるべきではなかったのか。
そう考えていると。

「あ、あぁ、すみません。ビックリしてしまいまして。蓮を想ってくれる事は大変嬉しく思います。ですが、男同士と言うのは、、、あっ!いえいえ、偏見はありません。そうですか。」
叔父さんは、少し考えてから、
「わかりました。私は、蓮が幸せになれる事だけを願っています。本当に蓮は、優しい子です。誰よりも幸せになる権利がある子です。どうか、あの子を、蓮を幸せにしてやって下さい。お願いします。」
と、俺に頭を下げる。

「そんな!頭を上げて下さい。私は、そう出来たらいいと思っていますが、まだ、蓮君の気持ちはわからないですから。私は振られるかもしれませんよ。」
「大丈夫です。蓮は、あなたの事が好きですよ。でも…あの子は、身分差や、自分は相応しくない、とか、思っているでしょうね。それを突破するのは大変だと思いますが、あなたなら大丈夫な気がします。頑張って下さいね。そして蓮を誰よりも幸せにしてください。お願いします。」
叔父さんは、俺に笑顔でエールをくれた。
「ありがとうございます。頑張って蓮君を口説きます!」
俺も笑顔で返した。

その後、悲劇が起こる事を知らずに、2人微笑み合い、蓮君の話に花を咲かせるのだった。




叔父さんとの、会話の中で、蓮君の誕生日が近い事を知る。
20歳の誕生日だ。
プレゼントは、何がいいだろうかと、ここのところ、ずっと悩んでた。

宝石、時計、高価な物を喜ぶとは、思えない。
あの優しい性格なら、何をあげてもきっと喜ぶとは、思うが。
花が好きだから、花束。
いや、案外いけるかもしれない。
いつもは、作る方で、自分は貰った事はないのかも。
んー。悩む。。。

花束を渡して、告白する。
いや~ドン引きされたら、どうしよう?
泣くわ!絶対泣く!
叔父さんは、大丈夫って言ってくれたけど
25歳の男に告白されて、、、
蓮君は、優しいから、断り切れず、気まずくなるのは、嫌だし。
あぁぁ!どうすればいいかわからない。

そんな事を脳内で、一人会議してたら、
ふと、目の前の書類に、目が止まる。
これだ!
すぐに、橘を呼ぶ。

「橘、これ、蓮君と2人で行くから、連絡入れてくれ。」
「はい。かしこまりました。」


蓮君が、花の交換をしてる時に、俺は蓮君に声をかける。

「なぁ、蓮君?」
俺が声をかけると、クルリと振り向いて俺の方を見る。
「はい?どうしたんですか?」
コテリと、首を傾げる蓮君が、クソ可愛い

「あーえっと、蓮君は、星好き?」
キョトン顔が、可愛すぎる。
「えっ?星?お空の星ですか?」
なんて言い方!可愛いが過ぎるぞ!蓮君。
「そう!お空の……ふふっ!蓮君可愛いなぁー」
「なんで、笑うんですか!」
もう!とか、プンプンするのも可愛い。
「ごめん、ごめん。そのお空の星好き?」
「はい。好きですよ。ここら辺は、あまり良く星が見えないですけど……あっ!この前、テレビで見て、えっと、海外だったかな?凄く綺麗でした。」
「そう、それは良かった。蓮君、私と一緒に、星を見にいきませんか?」
「えっ?要さんと、僕?が?」
「私と一緒では、嫌かな?」
「い、いえ!イヤな訳ない…ですけど、僕と行っても楽しくない……ですよ?」
蓮君が少し寂しそうな顔で言う。
そんな訳ないだろう?絶対楽しいに決まってる!
「蓮君が嫌じゃないなら、一緒に行こう。私が蓮君と一緒に行きたいんだ。」
「いいんですか?要さんがよければ行きたいです!」
パァーッと笑顔で答えてくれる蓮君が可愛い!もう!大好きだ。
「良かった。実はね、私の会社が作った新しい施設の一部に、プラネタリユウムがあって、まぁ一応、国内で1番の大きさなんだけどね。それの公開前に、私が視察する事になったんだけどね。私の意見だけだとね、だから、蓮君の素直な意見も聞きたいなと、思って誘ってみたんだけど。」
「そうなんですね。嬉しいです。誘ってもらって。楽しみにしてますね。」
蓮君は、本当に嬉しそうに笑う。
なんて、素直で可愛い!!
ずっとこのまま笑っていて。
この笑顔を守りたい。

その後、いつ行くのか、どこにあるのか、話をして、行く日を言うと、
「あっ!この日僕の誕生日なんです。」
俺は、初めて聞いたように、
「そうなんだ!その日は、予定とか入ってなかった?大丈夫?」
「はい。何も予定はありません。ふふっ凄くいいプレゼント貰いました。あっ!まだなんですけど、、ふふっ」
「いや、嬉しいよ。喜んでもらって。じゃ蓮君の誕生日の時間を私に少し頂戴ね。」
「そんな、少しだけとか、、気にしないで下さい。本当に何も予定ないんですから」
「うん、ありがとう。楽しみだなぁ。」
「はい。楽しみです。」

あぁぁ、可愛すぎる!
これ、抱きしめたらダメかなぁ?
ダメだよな。
思わず手が出そうになり、慌てて腕を組む
あ、危なかった。
絶対、その日に告白する!
俺は、俺は、、、頑張る!!
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