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「おーっす、忍」
翌日、いつも通りに学校へ登校した忍に、翔は普段と変わりない朝の挨拶をかけてきた。
「……オハヨ」
「なーんだよ、昨日の事、まだ怒ってんの?」
机に鞄を置いた翔は、窓の外を向いてムスッとした忍の肩を抱いてきた。いつもながら馴れ馴れしい触り方だ。不快ではないが、鬱陶しいと思うのも事実である。
「別に、怒ってない。貰うもんは貰ったし」
「そっか。で、どうする? 今日もウチで遊ぶ?」
普段であれば答えはイエスの一択だが、昨日のアレがあってはどうしても警戒してしまう。
それが分かっているのか、翔は少し言い訳染みた誘い方をした。
「さすがにオレも、昨日の今日でまたアレを頼むつもりはないよ。みんなオレが金持ちだと思ってるみたいだけど、金持ちはオレの親であってオレじゃないからな。お小遣いだって忍たちと変わんないよ」
「そっか……」
安堵感と、そしてほんの少しのがっかり感を覚えた忍は、翔に向かってこれ見よがしに大きく溜息を吐いた。
――ん? がっかり?
「ああ、それと、今日は後から清水と正田も来るから」
「後から?」
「そう。一度自分の家に帰ってから来るってさ」
「ふーん。四人なら対戦ゲームが面白そうだね」
「ああ、一緒に遊ぼうぜ」
放課後、翔の家に着いてからものの十分もしないうちに、翔の家のインターホンが鳴らされた。どうやら清水と正田も来たらしい。
玄関に迎えに行った翔と一緒に、清水と正田が二階に上がって来た。いつもと同じように声を掛ける。
「おっすー」
「お、おう……」
「うん……」
――んん? なんか、二人の様子が……変、かな……?
翔の部屋に入って来た二人は、何故か妙にソワソワとしていた。このメンツで遊ぶのは珍しくないが、なんだか二人の様子に違和感を覚える。何かを隠しているような、そんな感じである。
だが、そんな変な気分を振り払うように、忍は努めて明るい声を出した。
「えーと、それじゃ、どのゲームで遊ぶ?」 四人いるから、二対二でサッカーとか……」
「わりい、忍。実はな……、コイツらに昨日の事、話しちゃったんだよ」
サッカーゲームのパッケージを手に取ってゲームを始めようとした忍を、翔がトンデモないことを言いながら遮った。
ゲームで遊ぶ気満々だった忍は、翔が何を言っているのか理解できず、瞬間的に頭が空白になる。
「……は?」
「そしたらさ、コイツらもやって欲しいってさ。さっきウチ帰ってシャワーも浴びてきてるからさ」
清水と正田の二人がソワソワしている理由がようやく分かった忍は、思わず大声で叫んでしまった。
「ふ、ふざっけんなー! 何でバラしちゃうんだよ!」
一人立ち上がり、ベッドに腰掛けている翔に詰め寄る。
「いやだってさー、スゲェ気持ち良かったからさ」
「だからって……」
「えー、ダメなの? ちゃんと三千円持って来たのに」
「うん。僕も持って来たし、シャワーも浴びてキレイにしてきたよ」
「……だそうだ。二人合わせて六千円だぜ?」
「うっく……」
その金額を出されて、忍は思わず考えてしまった。昨日の翔の分と合わせて九千円。二か月分のお小遣いに近い金額が、たったの二日で手に入る。
「お願い! ほら、三千円! エロマンガみたいな事、してみたいんだ!」
「僕も頼むよ!」
そう言って、清水と正田の二人はいきなり忍に向かって土下座した。二人の前には千円札が三枚ずつ並んでいる。合わせて六千円だ。
中学生にはまあまあの大金を前に、ゴクリと唾を飲み込んだ忍は、二人に分からないように溜息を吐くと、強めに言い放った。
「い……一回だけだぞ! 今日だけだからな!」
「マジで?」
「やった!」
土下座していた二人は、バネ仕掛けみたいな勢いで顔を上げた。そして立ち上がると、いそいそとズボンと下着を脱ぎ始める。
翔はそれを、ニヤニヤと眺めているだけだった。それが何となく面白くなくて、忍は少し挑発的に微笑んでみた。
「翔はいいの? 昨日と同じ、三千円くれれば、またシてあげるよ? 二本も三本も変わらないし」
「その数え方……。あー……、オレはいいや。昨日やってもらったしな。忍の方こそ、もうイヤなんじゃなかったのか?」
「はあ……もういいよ。貰うもんは貰えるし。えーと、何て言うんだっけ……? 毒の、毒が……」
忍は最近観たアニメのセリフを思い出そうとしたが、すぐに出てこない。
「毒を食らわば皿まで、だろ?」
「そうそれ!」
教えてもらって嬉しくなってしまったが、そもそも今の状況の原因は翔である事を思い出して、忍は再び憮然とした表情に戻った。
「おい、早くシてくれよ」
とっくに下半身裸になって待っていた清水が、少しイライラした感情を交えて求めてきた。さっきまで土下座していたとは思えないくらいに堂々と、元気に天井を向いている小振りな肉棒を忍に差し出している。
その大きさ、というか自分や翔と比べて小振りなサイズに、忍は意外な感じがした。
大体、忍たちの年頃であれば、他人に裸を見られるのを恥ずかしがるものである。中学校時代は移動教室やクラブの合宿などで、大きな浴場に集団で入る事はよくある。だが、大抵はタオルを腰に巻いて、可愛らしいモノを隠そうとする。水泳の授業で着替える時も、全員がバスタオルで鉄壁の防御を構築しながら見られないように着替えるものだ。
だから、自分以外のモノをあまりじっくりと見たことがない忍は、昨日見た翔のサイズが自分と同じだったため、みんな同じくらいだと思い込んでいた。
だが、清水と正田は興奮しているのか股間のモノを硬くして忍に見せつけているものの、それは自分や翔に比べてとても子供らしいサイズであった。
忍はチラリと翔の方を見た。しかし、ベッドに腰掛けたままの翔は、ニヤニヤと笑っているだけで何も言わない。この状況を作り出した当事者なのに、他人事みたいに楽しんでいるように見えて、忍はイラッときた。
そのイラ立ちは多分、忍が嫌々ながらクラスメイトのモノを咥えるのを、翔が楽しんでいるせいだ。だから、忍はそのイラ立ちを振り払うように、清水と正田の正面に跪いた。そして、自然に、当たり前みたいに二人に問いかけた。
「さて、どっちから?」
清水と正田は無言で向かい合った。下半身裸で少年二人が向き合っているのは中々シュールな光景だが、二人は真剣そのものだ。
「ジャ……ジャンケンな!」
「よーし!」
「「せーの! 最初はグー! ジャンケンホイ! あいこでしょ! あいこでしょ! あいこでしょ!」」
「ああ……っ」
「やったーっあ!」
激闘を制したのは、パーを出した正田だった。グーの拳を握りしめたまま、清水は相変わらず下半身丸出しで天井を仰いでいる。
「くっそー」
ただの順番なんだから、そんなにがっかりしなくてもと忍は思ったが、清水は随分としょんぼりしている。だからというワケではないが、正田のモノを咥える前に、忍は清水のモノに軽く触れた。そして意識して可愛く言ってみた。
「ちょおっと待っててね」
語尾にハートマークでも付けるような気持ちで言ったのだが、それが奏功したのか、頬を赤くした清水はそれ以降、何も言わずに大人しく座り込んだ。
「じゃ、じゃあ、頼むよ、忍クン」
「オッケー」
何やらこの状況が楽しくなってきた忍の声は、さっきよりも明らかに弾んでいた。友達のモノを咥えるなど、普通の事ではない。それはとてもイヤらしいことなのだ。
男と女がセックスをするのは知っている。女が男のモノを口で気持ち良くする事も知っている。さらに、女同士でエッチする事も知っているのだ。ならば男同士では? 多分これも、とてもエッチな事のはず。
昨日は翔に言われるまま、三千円に目が眩んで友達を口でイかせてしまったが、改めて思い返すと、自分がトンでもなくエロい事をしているのに気が付いた。しかも今は、二人の友達にフェラチオをせがまれている。もしも自分が女の子だったら、これはとてもエロいシチュエーションに違いない。いや、女の子でなくても、十分にエロいシチュエーションだ。
不思議な昂りを覚えた忍は、さしたる抵抗も感じずに正田のモノを口に含んだ。
「あ……ふわ……」
正田は忍と変わらない背格好で小柄だ。ランドセルを背負えば、そのまま小学生で通ってしまうだろう。女の子のような変声期前の声で喘ぐ正田は、忍の頭を押さえて膝をガクガクと震わせた。そしてあっという間に果ててしまう。正直、あっという間過ぎて、拍子抜けした気分だ。
「あああっ! はあ……あ……」
忍の口の中に、粘ついた汁が注ぎ込まれる。しかしそれは、翔が吐き出したものよりサラサラとして匂いも薄かった。
口の中に正田の精液を溜め込んだ忍は、翔の部屋の中を見回した。と、翔がティッシュを目の前に差し出してくれた。それを手に取って口の中の粘ついた液体を吐き出す。
「はいよ」
「あ、ああ、サンキュ」
続けて出されたペットボトルの水を受け取った忍は、口の中をすすぐようにしてゴクゴクと水を飲んだ。
「……随分と用意がいいんだな、翔」
少し呆れた表情を見せる忍。
一方、忍の口でイかされた正田は、萎えたモノを隠す事もせずに座り込んでいた。そして茫然としたように忍と翔のやり取りを眺めている。
「よお、そんなに気持ち良かったのか?」
順番待ちの清水が、待ちきれないといった風に聞いてきた。
「うん。すっげぇ良かった。自分でするより全然違う」
「そ、そうか。じゃあ、今度こそ俺な」
そう言って、清水は忍の隣に腰を下ろすと、脚を大きく広げた。翔より一回り太い肉棒を見せつける。
忍や翔のサイズがフランクフルトなら、正田は細長いアスパラガス、清水はそれより少し短いものの太さはあるウィンナーというところか。どちらにしろ、忍や翔よりは小さいから、口に含んでも困るような大きさではない。
「ふふ、なーにー? そぉんなにボクに舐めて欲しいのぉ?」
三本目ともなると、忍の心理的な抵抗感は全く無くなっていた。これがイジメられて無理矢理という事であれば、吐き気を催すような行為ではあっただろう。しかし、忍も、他の三人も、お金という即物的な理由があるにせよ、同意してこのイヤらしい行為をしているのだ。イジメのような陰惨な雰囲気はまるで無かった。
「あったりまえだろ? そんな気持ち良さそうなの見せられたらガマン出来ねーよ。ほら、早く!」
「分かったよ。せっかちさんだなぁ」
「うお……っ!」
忍が清水のモノを咥えると、友達の腹筋がキュッとすぼまったのが見えた。同時に、ウィンナーの硬さが増す。正田よりも分かりやすい反応だ。
忍はより舐めやすいように、清水の足の間で身体を真っ直ぐに友達へ向けると、お尻をグイっと突き上げた。四つん這いから上半身だけを伏せているような態勢だ。犬が伸びをしているような姿が近いだろうか。そんな忍の媚態を翔はベッドに腰掛けて見つめていた。それはそれで気になるのだが、より気になるのは清水の反応だ。
「おお、すげぇ……、マジすげぇ……。ふ、はあ……。もっと先っぽ……、そう先っぽ舐めてくれよ」
あっという間にイッてしまった正田と違って、清水には余裕があるらしい。正田に比べてイクのに時間がかかりそうな予感を覚えながら、忍は自分の舌に力を込めて友達の肉棒を舐め続けた。
「……ねえ、忍クン」
「ふは?」
清水のモノを咥えながら、忍は正田の呼びかけに答えた。口の中はそのままに、視線だけを隣に回り込んだクラスメイトに向ける。
「お尻、触っても良い? もう千円出すからさ」
「ふえあ?」
翌日、いつも通りに学校へ登校した忍に、翔は普段と変わりない朝の挨拶をかけてきた。
「……オハヨ」
「なーんだよ、昨日の事、まだ怒ってんの?」
机に鞄を置いた翔は、窓の外を向いてムスッとした忍の肩を抱いてきた。いつもながら馴れ馴れしい触り方だ。不快ではないが、鬱陶しいと思うのも事実である。
「別に、怒ってない。貰うもんは貰ったし」
「そっか。で、どうする? 今日もウチで遊ぶ?」
普段であれば答えはイエスの一択だが、昨日のアレがあってはどうしても警戒してしまう。
それが分かっているのか、翔は少し言い訳染みた誘い方をした。
「さすがにオレも、昨日の今日でまたアレを頼むつもりはないよ。みんなオレが金持ちだと思ってるみたいだけど、金持ちはオレの親であってオレじゃないからな。お小遣いだって忍たちと変わんないよ」
「そっか……」
安堵感と、そしてほんの少しのがっかり感を覚えた忍は、翔に向かってこれ見よがしに大きく溜息を吐いた。
――ん? がっかり?
「ああ、それと、今日は後から清水と正田も来るから」
「後から?」
「そう。一度自分の家に帰ってから来るってさ」
「ふーん。四人なら対戦ゲームが面白そうだね」
「ああ、一緒に遊ぼうぜ」
放課後、翔の家に着いてからものの十分もしないうちに、翔の家のインターホンが鳴らされた。どうやら清水と正田も来たらしい。
玄関に迎えに行った翔と一緒に、清水と正田が二階に上がって来た。いつもと同じように声を掛ける。
「おっすー」
「お、おう……」
「うん……」
――んん? なんか、二人の様子が……変、かな……?
翔の部屋に入って来た二人は、何故か妙にソワソワとしていた。このメンツで遊ぶのは珍しくないが、なんだか二人の様子に違和感を覚える。何かを隠しているような、そんな感じである。
だが、そんな変な気分を振り払うように、忍は努めて明るい声を出した。
「えーと、それじゃ、どのゲームで遊ぶ?」 四人いるから、二対二でサッカーとか……」
「わりい、忍。実はな……、コイツらに昨日の事、話しちゃったんだよ」
サッカーゲームのパッケージを手に取ってゲームを始めようとした忍を、翔がトンデモないことを言いながら遮った。
ゲームで遊ぶ気満々だった忍は、翔が何を言っているのか理解できず、瞬間的に頭が空白になる。
「……は?」
「そしたらさ、コイツらもやって欲しいってさ。さっきウチ帰ってシャワーも浴びてきてるからさ」
清水と正田の二人がソワソワしている理由がようやく分かった忍は、思わず大声で叫んでしまった。
「ふ、ふざっけんなー! 何でバラしちゃうんだよ!」
一人立ち上がり、ベッドに腰掛けている翔に詰め寄る。
「いやだってさー、スゲェ気持ち良かったからさ」
「だからって……」
「えー、ダメなの? ちゃんと三千円持って来たのに」
「うん。僕も持って来たし、シャワーも浴びてキレイにしてきたよ」
「……だそうだ。二人合わせて六千円だぜ?」
「うっく……」
その金額を出されて、忍は思わず考えてしまった。昨日の翔の分と合わせて九千円。二か月分のお小遣いに近い金額が、たったの二日で手に入る。
「お願い! ほら、三千円! エロマンガみたいな事、してみたいんだ!」
「僕も頼むよ!」
そう言って、清水と正田の二人はいきなり忍に向かって土下座した。二人の前には千円札が三枚ずつ並んでいる。合わせて六千円だ。
中学生にはまあまあの大金を前に、ゴクリと唾を飲み込んだ忍は、二人に分からないように溜息を吐くと、強めに言い放った。
「い……一回だけだぞ! 今日だけだからな!」
「マジで?」
「やった!」
土下座していた二人は、バネ仕掛けみたいな勢いで顔を上げた。そして立ち上がると、いそいそとズボンと下着を脱ぎ始める。
翔はそれを、ニヤニヤと眺めているだけだった。それが何となく面白くなくて、忍は少し挑発的に微笑んでみた。
「翔はいいの? 昨日と同じ、三千円くれれば、またシてあげるよ? 二本も三本も変わらないし」
「その数え方……。あー……、オレはいいや。昨日やってもらったしな。忍の方こそ、もうイヤなんじゃなかったのか?」
「はあ……もういいよ。貰うもんは貰えるし。えーと、何て言うんだっけ……? 毒の、毒が……」
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教えてもらって嬉しくなってしまったが、そもそも今の状況の原因は翔である事を思い出して、忍は再び憮然とした表情に戻った。
「おい、早くシてくれよ」
とっくに下半身裸になって待っていた清水が、少しイライラした感情を交えて求めてきた。さっきまで土下座していたとは思えないくらいに堂々と、元気に天井を向いている小振りな肉棒を忍に差し出している。
その大きさ、というか自分や翔と比べて小振りなサイズに、忍は意外な感じがした。
大体、忍たちの年頃であれば、他人に裸を見られるのを恥ずかしがるものである。中学校時代は移動教室やクラブの合宿などで、大きな浴場に集団で入る事はよくある。だが、大抵はタオルを腰に巻いて、可愛らしいモノを隠そうとする。水泳の授業で着替える時も、全員がバスタオルで鉄壁の防御を構築しながら見られないように着替えるものだ。
だから、自分以外のモノをあまりじっくりと見たことがない忍は、昨日見た翔のサイズが自分と同じだったため、みんな同じくらいだと思い込んでいた。
だが、清水と正田は興奮しているのか股間のモノを硬くして忍に見せつけているものの、それは自分や翔に比べてとても子供らしいサイズであった。
忍はチラリと翔の方を見た。しかし、ベッドに腰掛けたままの翔は、ニヤニヤと笑っているだけで何も言わない。この状況を作り出した当事者なのに、他人事みたいに楽しんでいるように見えて、忍はイラッときた。
そのイラ立ちは多分、忍が嫌々ながらクラスメイトのモノを咥えるのを、翔が楽しんでいるせいだ。だから、忍はそのイラ立ちを振り払うように、清水と正田の正面に跪いた。そして、自然に、当たり前みたいに二人に問いかけた。
「さて、どっちから?」
清水と正田は無言で向かい合った。下半身裸で少年二人が向き合っているのは中々シュールな光景だが、二人は真剣そのものだ。
「ジャ……ジャンケンな!」
「よーし!」
「「せーの! 最初はグー! ジャンケンホイ! あいこでしょ! あいこでしょ! あいこでしょ!」」
「ああ……っ」
「やったーっあ!」
激闘を制したのは、パーを出した正田だった。グーの拳を握りしめたまま、清水は相変わらず下半身丸出しで天井を仰いでいる。
「くっそー」
ただの順番なんだから、そんなにがっかりしなくてもと忍は思ったが、清水は随分としょんぼりしている。だからというワケではないが、正田のモノを咥える前に、忍は清水のモノに軽く触れた。そして意識して可愛く言ってみた。
「ちょおっと待っててね」
語尾にハートマークでも付けるような気持ちで言ったのだが、それが奏功したのか、頬を赤くした清水はそれ以降、何も言わずに大人しく座り込んだ。
「じゃ、じゃあ、頼むよ、忍クン」
「オッケー」
何やらこの状況が楽しくなってきた忍の声は、さっきよりも明らかに弾んでいた。友達のモノを咥えるなど、普通の事ではない。それはとてもイヤらしいことなのだ。
男と女がセックスをするのは知っている。女が男のモノを口で気持ち良くする事も知っている。さらに、女同士でエッチする事も知っているのだ。ならば男同士では? 多分これも、とてもエッチな事のはず。
昨日は翔に言われるまま、三千円に目が眩んで友達を口でイかせてしまったが、改めて思い返すと、自分がトンでもなくエロい事をしているのに気が付いた。しかも今は、二人の友達にフェラチオをせがまれている。もしも自分が女の子だったら、これはとてもエロいシチュエーションに違いない。いや、女の子でなくても、十分にエロいシチュエーションだ。
不思議な昂りを覚えた忍は、さしたる抵抗も感じずに正田のモノを口に含んだ。
「あ……ふわ……」
正田は忍と変わらない背格好で小柄だ。ランドセルを背負えば、そのまま小学生で通ってしまうだろう。女の子のような変声期前の声で喘ぐ正田は、忍の頭を押さえて膝をガクガクと震わせた。そしてあっという間に果ててしまう。正直、あっという間過ぎて、拍子抜けした気分だ。
「あああっ! はあ……あ……」
忍の口の中に、粘ついた汁が注ぎ込まれる。しかしそれは、翔が吐き出したものよりサラサラとして匂いも薄かった。
口の中に正田の精液を溜め込んだ忍は、翔の部屋の中を見回した。と、翔がティッシュを目の前に差し出してくれた。それを手に取って口の中の粘ついた液体を吐き出す。
「はいよ」
「あ、ああ、サンキュ」
続けて出されたペットボトルの水を受け取った忍は、口の中をすすぐようにしてゴクゴクと水を飲んだ。
「……随分と用意がいいんだな、翔」
少し呆れた表情を見せる忍。
一方、忍の口でイかされた正田は、萎えたモノを隠す事もせずに座り込んでいた。そして茫然としたように忍と翔のやり取りを眺めている。
「よお、そんなに気持ち良かったのか?」
順番待ちの清水が、待ちきれないといった風に聞いてきた。
「うん。すっげぇ良かった。自分でするより全然違う」
「そ、そうか。じゃあ、今度こそ俺な」
そう言って、清水は忍の隣に腰を下ろすと、脚を大きく広げた。翔より一回り太い肉棒を見せつける。
忍や翔のサイズがフランクフルトなら、正田は細長いアスパラガス、清水はそれより少し短いものの太さはあるウィンナーというところか。どちらにしろ、忍や翔よりは小さいから、口に含んでも困るような大きさではない。
「ふふ、なーにー? そぉんなにボクに舐めて欲しいのぉ?」
三本目ともなると、忍の心理的な抵抗感は全く無くなっていた。これがイジメられて無理矢理という事であれば、吐き気を催すような行為ではあっただろう。しかし、忍も、他の三人も、お金という即物的な理由があるにせよ、同意してこのイヤらしい行為をしているのだ。イジメのような陰惨な雰囲気はまるで無かった。
「あったりまえだろ? そんな気持ち良さそうなの見せられたらガマン出来ねーよ。ほら、早く!」
「分かったよ。せっかちさんだなぁ」
「うお……っ!」
忍が清水のモノを咥えると、友達の腹筋がキュッとすぼまったのが見えた。同時に、ウィンナーの硬さが増す。正田よりも分かりやすい反応だ。
忍はより舐めやすいように、清水の足の間で身体を真っ直ぐに友達へ向けると、お尻をグイっと突き上げた。四つん這いから上半身だけを伏せているような態勢だ。犬が伸びをしているような姿が近いだろうか。そんな忍の媚態を翔はベッドに腰掛けて見つめていた。それはそれで気になるのだが、より気になるのは清水の反応だ。
「おお、すげぇ……、マジすげぇ……。ふ、はあ……。もっと先っぽ……、そう先っぽ舐めてくれよ」
あっという間にイッてしまった正田と違って、清水には余裕があるらしい。正田に比べてイクのに時間がかかりそうな予感を覚えながら、忍は自分の舌に力を込めて友達の肉棒を舐め続けた。
「……ねえ、忍クン」
「ふは?」
清水のモノを咥えながら、忍は正田の呼びかけに答えた。口の中はそのままに、視線だけを隣に回り込んだクラスメイトに向ける。
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