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第三章 ボラン島と月夜姫
憎っくき鬼塚原左門二3
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『はいルナ、聞こえる』
「え、月菜女王様、この声は月菜女王様じゃありませんか? 」
『そうよ、難しい話は後で月夜に聞いて頂戴、正確には月夜の体を借りた魂です』
「魂………」
『今は時間が無いの、いいルナまずは坑道にバックでリムジンを入れて、トランクの冷蔵庫を人体を冷蔵庫保存できる温度に設定して今すぐ冷やして、それと49日間のタイマーを起動させてカウントダウンを始めて、よろしく』
「了解しました」
白いリムジンはルナの遠隔操作で起動すると、倒れている翁じいの横を通ってバックで坑道に突っ込んだ。バックミラーが弾け飛び、テールランプが岩にぶつかって割れてボディが傷だらけになるが、とにかく、物凄いスピードで坑道を進んで来ている。
ガガガガガガ!
私の頭の中でママが語りかけてきた。
「月夜よく聞いて、鉄ちゃんの魂は心臓が止まると同時にショックで体を離れました。つまり死にました。でも、49日間は現世に留まっています、それを過ぎて天国へいくともう体には戻れません」
「………」
「私たちの設計は完璧です。それはパパが手伝ってくれたお陰もあります」
「パパ、パパはどうしているの? 」
「今も私の横にいて月夜をちゃーんと見守っていますよ」
「そうなの! 」
「もちろんです。パパはいつも一生懸命な月夜を誇りに思っています」
「嬉しい」
「さあ、月夜、後はなにをすればいいのか分かりますね」
「うん」
「月夜なら、必ず全ての装置を動かせます。自分を信じて、鉄ちゃんを助けるのです。それができるのは月夜姫ただ一人です」
「やる、絶対やってやる」
もう泣くもんか、私は腕で涙を拭った。
ママが微笑んだ気がした。
キキキー、リムジンがバックで到着した。
『ルナ、トランクを開けて鉄ちゃんを収納して』
「了解しました月菜女王様」
リムジンのトランクが開くと、アームが飛び出し、鉄ちゃんの体をトランクの冷蔵庫に収納した。
『出発して、翁じいを車に乗せて外で待ってて』
「了解しました」
と、リムジンは外に向かって走り出した。
「月夜、大事な物を忘れないで」
ママが私にそう言った。
「分かった」
そしてイガジウム採取ポットを、二人で手に持った。
「さあ行きなさい、私はあなたの体から離れないといけません、こうしていられるのはほんの少しの時間です。頑張るんですよ、大切な人は自分で護るのです」
と、ママが離れようとした時、ペンダントが光ってルナの声がした。
「月菜女王様、一つだけ教えて下さい」
『なに? 』
「なぜ、こういう事ができるのですか? 」
「え、月菜女王様、この声は月菜女王様じゃありませんか? 」
『そうよ、難しい話は後で月夜に聞いて頂戴、正確には月夜の体を借りた魂です』
「魂………」
『今は時間が無いの、いいルナまずは坑道にバックでリムジンを入れて、トランクの冷蔵庫を人体を冷蔵庫保存できる温度に設定して今すぐ冷やして、それと49日間のタイマーを起動させてカウントダウンを始めて、よろしく』
「了解しました」
白いリムジンはルナの遠隔操作で起動すると、倒れている翁じいの横を通ってバックで坑道に突っ込んだ。バックミラーが弾け飛び、テールランプが岩にぶつかって割れてボディが傷だらけになるが、とにかく、物凄いスピードで坑道を進んで来ている。
ガガガガガガ!
私の頭の中でママが語りかけてきた。
「月夜よく聞いて、鉄ちゃんの魂は心臓が止まると同時にショックで体を離れました。つまり死にました。でも、49日間は現世に留まっています、それを過ぎて天国へいくともう体には戻れません」
「………」
「私たちの設計は完璧です。それはパパが手伝ってくれたお陰もあります」
「パパ、パパはどうしているの? 」
「今も私の横にいて月夜をちゃーんと見守っていますよ」
「そうなの! 」
「もちろんです。パパはいつも一生懸命な月夜を誇りに思っています」
「嬉しい」
「さあ、月夜、後はなにをすればいいのか分かりますね」
「うん」
「月夜なら、必ず全ての装置を動かせます。自分を信じて、鉄ちゃんを助けるのです。それができるのは月夜姫ただ一人です」
「やる、絶対やってやる」
もう泣くもんか、私は腕で涙を拭った。
ママが微笑んだ気がした。
キキキー、リムジンがバックで到着した。
『ルナ、トランクを開けて鉄ちゃんを収納して』
「了解しました月菜女王様」
リムジンのトランクが開くと、アームが飛び出し、鉄ちゃんの体をトランクの冷蔵庫に収納した。
『出発して、翁じいを車に乗せて外で待ってて』
「了解しました」
と、リムジンは外に向かって走り出した。
「月夜、大事な物を忘れないで」
ママが私にそう言った。
「分かった」
そしてイガジウム採取ポットを、二人で手に持った。
「さあ行きなさい、私はあなたの体から離れないといけません、こうしていられるのはほんの少しの時間です。頑張るんですよ、大切な人は自分で護るのです」
と、ママが離れようとした時、ペンダントが光ってルナの声がした。
「月菜女王様、一つだけ教えて下さい」
『なに? 』
「なぜ、こういう事ができるのですか? 」
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