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第三章 ボラン島と月夜姫
これがイガジウム!?3
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凄い、何百年も探して誰も見つけられなかった隕石を、私たちが見つけたんだ。
凄い、凄すぎる!
でも、感慨に浸っている暇などない。空気に触れていると素性が変わってしまうかも知れない。
慎重に慎重に、ここから先は機械に頼った方が良さそうだ。
「鉄ちゃん待って、採取ポットを使うよ」
「それはどれ? 」
「道具箱に入ってるガラスの包みたいなやつ」
「分かった」
鉄ちゃんは道具箱を開けると、採取ポットの上部に取り付けられている把手を持って、イガジウムの前に持っていく。
そしてスイッチを入れた。
「はいルナママ」
掘削機のマイクに向かって叫ぶと間髪入れずルナママが反応した。
「はい月夜姫」
「これがイガジウムよアームで採取して」
「了解しました」
ルナママの遠隔操作で採取ポットからアームが伸びてくると、慎重に素早くアームはイガジウムを取り出して、蓋を開けたポットの中に入れた。
そしてプシュー、中のエアーを抜くと、中は真空になった。
透明な採取ポットの中でイガジウムは宙に浮かび眩い黄色の光を放っていた。
「やったー」
思わず鉄ちゃんと向き合うと、鉄ちゃんに抱きついた。
やっぱり岩壁鉄はガッチリと硬かった。
うーん、最高!
鉄ちゃんの胸板に顔を押し付け、すりすりした。
と、その時だった。聞いた事もない声が響いた。
「いやー待ってましたよこの瞬間、15年も待たせてやがって! 」
——誰?
私は鉄ちゃんから離れると、声がした坑道に目を凝らした。
そこには、白髪のボサボサ頭に口髭、白衣を着て手には拳銃を持っている鬼塚原左門二が立っていた。
「貴様は鬼塚原、なんでここにいるんだ」
私は緊張しながらも臨戦態勢に入った。
凄い、凄すぎる!
でも、感慨に浸っている暇などない。空気に触れていると素性が変わってしまうかも知れない。
慎重に慎重に、ここから先は機械に頼った方が良さそうだ。
「鉄ちゃん待って、採取ポットを使うよ」
「それはどれ? 」
「道具箱に入ってるガラスの包みたいなやつ」
「分かった」
鉄ちゃんは道具箱を開けると、採取ポットの上部に取り付けられている把手を持って、イガジウムの前に持っていく。
そしてスイッチを入れた。
「はいルナママ」
掘削機のマイクに向かって叫ぶと間髪入れずルナママが反応した。
「はい月夜姫」
「これがイガジウムよアームで採取して」
「了解しました」
ルナママの遠隔操作で採取ポットからアームが伸びてくると、慎重に素早くアームはイガジウムを取り出して、蓋を開けたポットの中に入れた。
そしてプシュー、中のエアーを抜くと、中は真空になった。
透明な採取ポットの中でイガジウムは宙に浮かび眩い黄色の光を放っていた。
「やったー」
思わず鉄ちゃんと向き合うと、鉄ちゃんに抱きついた。
やっぱり岩壁鉄はガッチリと硬かった。
うーん、最高!
鉄ちゃんの胸板に顔を押し付け、すりすりした。
と、その時だった。聞いた事もない声が響いた。
「いやー待ってましたよこの瞬間、15年も待たせてやがって! 」
——誰?
私は鉄ちゃんから離れると、声がした坑道に目を凝らした。
そこには、白髪のボサボサ頭に口髭、白衣を着て手には拳銃を持っている鬼塚原左門二が立っていた。
「貴様は鬼塚原、なんでここにいるんだ」
私は緊張しながらも臨戦態勢に入った。
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