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第三章 ボラン島と月夜姫
やっぱりここが自宅なんだ1
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大気圏に入って、日本列島が大きく見えてきた。
白いリムジンは日本に向けて降下を続けた。
そして、山の連なりが大きく見えてくると、いつものように勢い良く山の中へと降りていく。
運転席の翁じいは相変わらず嬉しそうだ。
昼間なので緑がやけに濃く見えていた。
段々とお屋敷に近づいていく。
ああ、見えてきた。
山の中に大きな塀に囲まれた草原とファミリーレストランくらいの日本家屋、あれ、その裏には大きな『蔵』があった。
そうか、太陽の加減によって見えたり見えなかったりするんだ。
ルナママが青いシールドを開けて、白いリムジンをオートパイロットで降下させると、玄関の前に停車させる。
そしてシールドが音も無く閉まった。
あれだけ地球人の嫌な面を見せられても、地球の自宅に戻るとホッとするのは何故だろう?
やっぱりここが私の家なんだ。
自動で車のドアが開いた。
私は久しぶりの地球の草原に足を踏み出すと、空を見て大きく背伸びした。
雲一つない青空が広がっていた。
「おかえりなさい」
月のペンダントが光って、ルナママの声が聞こえてきた。
「ただいまー」
クスッ、どこに行っても『ただいま』だ。
「月夜姫、疲れたでしょう」
運転席から降りて来た翁じいがそう言った。
「大丈夫。それより翁じいの方がお疲れさまだよ、少しゆっくりしようよ」
「そうですな、老体にはちょっぴりこたえました、なにせ宇宙でドライブですから、それも無重力、地球の重力が重たいですな、ふぁっふぁっふぁっ」
「そうだ。お屋敷のお風呂も大きいの? 」
「そういや月夜姫はまだ入った事がありませんでしたな、月の湯旅館ほど大きくはないですが、一度に十人くらいつかれる大きさです、それも岩風呂」
「岩風呂ー! 」
「はい、さらに温泉が湧き出してます」
「すっごーい! 」
「あ、そうそうお風呂にはちょっとした秘密もあります」
「秘密? 」
「はい、風呂の岩には加工がしてあり、それによって泉質が月の湯に近づけてあります」
「マジ? 」
「マジです。一気に疲れが取れます」
「ひゃー最高」
「マジ、最高です」
翁じいはそう言って笑った。
「さあ、帰りましょう」
「うん」
私は玄関を見た。
白字で徳竹と彫られた黒い表札が見えた。
私は徳竹月夜、鈴木じゃない。そう思えた。
「ルナママセンサーだして」
「月夜姫了解です」
そして石柱が現れた。
私が右手の銀色の三日月のお印をその上にのせると、白く光ってドアが開いた。
一歩中に入る。
ママとパパのホノグラムが迎えてくれる。
ただいまママ、パパ。
「そうそうホノグラムは結婚式で撮影されたものです。月夜姫もその時になったら撮影します」
翁じいが後ろでそう言った。
白いリムジンは日本に向けて降下を続けた。
そして、山の連なりが大きく見えてくると、いつものように勢い良く山の中へと降りていく。
運転席の翁じいは相変わらず嬉しそうだ。
昼間なので緑がやけに濃く見えていた。
段々とお屋敷に近づいていく。
ああ、見えてきた。
山の中に大きな塀に囲まれた草原とファミリーレストランくらいの日本家屋、あれ、その裏には大きな『蔵』があった。
そうか、太陽の加減によって見えたり見えなかったりするんだ。
ルナママが青いシールドを開けて、白いリムジンをオートパイロットで降下させると、玄関の前に停車させる。
そしてシールドが音も無く閉まった。
あれだけ地球人の嫌な面を見せられても、地球の自宅に戻るとホッとするのは何故だろう?
やっぱりここが私の家なんだ。
自動で車のドアが開いた。
私は久しぶりの地球の草原に足を踏み出すと、空を見て大きく背伸びした。
雲一つない青空が広がっていた。
「おかえりなさい」
月のペンダントが光って、ルナママの声が聞こえてきた。
「ただいまー」
クスッ、どこに行っても『ただいま』だ。
「月夜姫、疲れたでしょう」
運転席から降りて来た翁じいがそう言った。
「大丈夫。それより翁じいの方がお疲れさまだよ、少しゆっくりしようよ」
「そうですな、老体にはちょっぴりこたえました、なにせ宇宙でドライブですから、それも無重力、地球の重力が重たいですな、ふぁっふぁっふぁっ」
「そうだ。お屋敷のお風呂も大きいの? 」
「そういや月夜姫はまだ入った事がありませんでしたな、月の湯旅館ほど大きくはないですが、一度に十人くらいつかれる大きさです、それも岩風呂」
「岩風呂ー! 」
「はい、さらに温泉が湧き出してます」
「すっごーい! 」
「あ、そうそうお風呂にはちょっとした秘密もあります」
「秘密? 」
「はい、風呂の岩には加工がしてあり、それによって泉質が月の湯に近づけてあります」
「マジ? 」
「マジです。一気に疲れが取れます」
「ひゃー最高」
「マジ、最高です」
翁じいはそう言って笑った。
「さあ、帰りましょう」
「うん」
私は玄関を見た。
白字で徳竹と彫られた黒い表札が見えた。
私は徳竹月夜、鈴木じゃない。そう思えた。
「ルナママセンサーだして」
「月夜姫了解です」
そして石柱が現れた。
私が右手の銀色の三日月のお印をその上にのせると、白く光ってドアが開いた。
一歩中に入る。
ママとパパのホノグラムが迎えてくれる。
ただいまママ、パパ。
「そうそうホノグラムは結婚式で撮影されたものです。月夜姫もその時になったら撮影します」
翁じいが後ろでそう言った。
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