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第6章

決戦 13

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 と、コントロールルームの中のももとさくらは着々と準備していた。これから使う装置は、何度も練習した事があるので、使い方はバッチリ分かっている──実戦で使うのは初めてだが…
 パソコンに接続されたジョイスティックをさくらが持つ、ももより妹のさくら方がゲームは上手い。
 ももはスイッチパネルの光線銃のスイッチをオンにした。
 パソコンのモニターが切り替わり、ターゲットマークと盗っ人三人衆の姿が映される。
「おねえちゃんどこねらう? 」
「うーん、怪我させないところ」
「オッケー」
 ジョイスティックでターゲットマークを移動させるさくら、そしてジョイスティックの赤いボタンを押した。
『発射! 』

 ──光線銃のスイッチが入ると、パティオの四方のビルの屋上に設置されている反射板が動いた──普段はパティオの内部を陽あたりよくする為に使われているあの反射板だ。
 東と西と北の反射板が反射角度を変えて、南の反射板へと向くと、南にある反射板が北へ向きを変え、その光を受け止める。ターゲッティングされて赤いボタンが押されると瞬時に全ての反射板が凹面鏡に形状を変え太陽光と熱を集め、南の反射板が角度を変えて盗っ人三人衆がいるシャッターの内部へ、太陽光線と熱を反射させた。

 ビーン!
 シュパッ!
 ばばばば!

 その熱は盗っ人三人衆の腰のあたりを横に走り、三人のジャージのゴムを焼き切った。
『ぎゃーーー』
 何が起きたかわからない盗っ人三人衆のズボンが落ちてパンツ一丁になった。
 と、ももはすかさず親分の足下に落ちたジャージにターゲットを移動させた。
 さくらはパソコンを扱い、出力をマックスに切り替えた。
「さくらいけ! 」
「うん」
 赤いボタンを押すさくら。
 ビーン、太陽の熱が光線となって親分の落ちたジャージに集まる。

 ──ぼふっ!

 親分のジャージが燃え出した。
「うわぁ! 」
 続いて、一と二の足下にずり落ちたジャージに光線と熱が集まると、
 ぼふっ! ぼふっ!
 燃えた。
『うわぁ、なんすか、なんすか! 』
 燃えたジャージの下を脱ぐ盗っ人三人衆。
 勢いよく燃えているジャージ
『……』
 下半身パンツ姿で放心状態の盗っ人三人衆。

『イェイ! 』
 コントロールルームでももとさくらが声を上げる。ももが光線銃のスイッチを切ると、反射板は元に戻った。
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