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第6章
決戦 2
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「ここを通ったんか? 」親分が言った。
「へえ、浮き輪を持って走り抜けました」
「どっちに」
「左です」
三人衆は裏口から裏通りへと出た。
そこは、大人がすれ違うのがやっとの幅の裏道だった。
「やっぱり裏道があったんだ」一が言った。
「どうりでガキどもの姿を町で見かけない訳だぜ、裏道通ってんだ」親分が納得した。
「おい二、浮き輪を持ってたんだな」
「へい、持ってやした」
「という事はプールか? 」
「じゃあ帰りもここを通りますかね」一が呟いた。
「たぶんな、待ち伏せするか…」
『へい』一と二が声を揃えた。
「こうしちゃいられねぇ、どこかでロープとナイフでも買ってこい! 」
親分がとうとう本気になった。
「でも、もう駐車場代しか残ってないっす」二が言った。
「アホウ、身代金たんまり貰えば一ヶ月でも二ヶ月でも留めてもお釣りがくるわ! はよ行ってこい! 俺は階段の下で見張りをしてるからな」
『へい』
一と二は親分から有り金全部受け取ると、お店へと向かった。
「とうとう運が向いて来たぜ」
親分はどんとが使っているパイプ椅子を広げると、コンクリート階段の下で座った。
ちょうど日影になって気持ちよかった。
「へえ、浮き輪を持って走り抜けました」
「どっちに」
「左です」
三人衆は裏口から裏通りへと出た。
そこは、大人がすれ違うのがやっとの幅の裏道だった。
「やっぱり裏道があったんだ」一が言った。
「どうりでガキどもの姿を町で見かけない訳だぜ、裏道通ってんだ」親分が納得した。
「おい二、浮き輪を持ってたんだな」
「へい、持ってやした」
「という事はプールか? 」
「じゃあ帰りもここを通りますかね」一が呟いた。
「たぶんな、待ち伏せするか…」
『へい』一と二が声を揃えた。
「こうしちゃいられねぇ、どこかでロープとナイフでも買ってこい! 」
親分がとうとう本気になった。
「でも、もう駐車場代しか残ってないっす」二が言った。
「アホウ、身代金たんまり貰えば一ヶ月でも二ヶ月でも留めてもお釣りがくるわ! はよ行ってこい! 俺は階段の下で見張りをしてるからな」
『へい』
一と二は親分から有り金全部受け取ると、お店へと向かった。
「とうとう運が向いて来たぜ」
親分はどんとが使っているパイプ椅子を広げると、コンクリート階段の下で座った。
ちょうど日影になって気持ちよかった。
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