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第4章
災害警報発令中 9
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野川は既に一メートル弱水位が上がり、濁流となっていた。しかし、まだダンボールハウスまで到達していない。
そんな中で教授はカップラーメンの昼食を食べていた。ペットボトルもあるし携帯コンロも持っているので、外にでるのはトイレくらいなものだ。
教授は、雨音と川の濁流の音に消されて、防災スピーカーの内容は全く聞こえていなかった。
それに、外からはダンボールハウスは見えていない。
ここに人が住んでいるなど、誰も気がつかないのだ。
──野川は無情にもジワリジワリと水位を上げている。
どんとは翼橋まで来ると、背の高い草を掻き分け、三メートル程の土手を滑るように降りて、一段下の平たい場所に降り立った。
「うわぁ!」
目の前は勢いづいた川が流れる──濁流に飲み込まれそうな不安が襲う。
だめだ、びびってなんかいられない!
周囲の草を掻き分け、橋の下でダンボールハウスを見つけるとドアらしきものを勢いよく開けた。
「教授! 」
「おーどんと君、どうした。外は雨が激しいのう」
「教授、駄目だよ逃げなきゃ」
「えっ? 」
「避難警報が出てるんだ」
「本当か」
「早く、早く」
教授は貴重品の入ったショルダーバッグを首にかけると立ち上がった。
そして、どんとが教授の手を取り、外に出た時、野川の濁流は平たい場所に溢れてきた。
「逃げよう! 」
「わかった、どんと君ありがとう」
と、草を掻き分けて進み、土手を上がろうとするが足元が滑って上手くいかない。
雨足は無情にも更に激しくなり、一気に水位が上がってくる。
長靴も教授のローファーも、傾斜のある土手に鬱蒼と茂った、雨で濡れた草の上を歩くのには適していない。
滑って上がれない、土手を上がれない。
そのうち濁流は膝くらいまでせり上がってきた。
二人はなんとか草にしがみついて凌いでいるが身動きが取れなくてなっていく。
川の流れは早い、腕の力が抜けた時、流されるのは必至だ。
防災本部の監視カメラの画像には、背の高い草が邪魔して、二人の姿が見えていない。
ごんちゃんには何が起きているか全く見えていなかった。
──ズルっ、教授の足が滑ってこけた。
教授の腕を握り、耐えるどんと。
「いい、ワシはいい、腕を離して独りで行くんだ」
「嫌だ、そんなの絶対嫌だ」
どんとは必死で涙を堪える。水位はどんどん上がってくる、腰のあたりまで来る。
どんとはなんとか教授を立ち上がらすと、土手の草むらに背中を押し付け、両足で踏ん張った。
教授も同じ格好になると、二人で流されないようになんとか耐える。
どうしよう? ──どんとと教授は恐怖で動けなくなった
──そこにボスが来た。
状況を一瞬で察知すると、ももとさくらに念を送った。
翼橋にいる、どんとと教授を助けてくれにゃー!
そんな中で教授はカップラーメンの昼食を食べていた。ペットボトルもあるし携帯コンロも持っているので、外にでるのはトイレくらいなものだ。
教授は、雨音と川の濁流の音に消されて、防災スピーカーの内容は全く聞こえていなかった。
それに、外からはダンボールハウスは見えていない。
ここに人が住んでいるなど、誰も気がつかないのだ。
──野川は無情にもジワリジワリと水位を上げている。
どんとは翼橋まで来ると、背の高い草を掻き分け、三メートル程の土手を滑るように降りて、一段下の平たい場所に降り立った。
「うわぁ!」
目の前は勢いづいた川が流れる──濁流に飲み込まれそうな不安が襲う。
だめだ、びびってなんかいられない!
周囲の草を掻き分け、橋の下でダンボールハウスを見つけるとドアらしきものを勢いよく開けた。
「教授! 」
「おーどんと君、どうした。外は雨が激しいのう」
「教授、駄目だよ逃げなきゃ」
「えっ? 」
「避難警報が出てるんだ」
「本当か」
「早く、早く」
教授は貴重品の入ったショルダーバッグを首にかけると立ち上がった。
そして、どんとが教授の手を取り、外に出た時、野川の濁流は平たい場所に溢れてきた。
「逃げよう! 」
「わかった、どんと君ありがとう」
と、草を掻き分けて進み、土手を上がろうとするが足元が滑って上手くいかない。
雨足は無情にも更に激しくなり、一気に水位が上がってくる。
長靴も教授のローファーも、傾斜のある土手に鬱蒼と茂った、雨で濡れた草の上を歩くのには適していない。
滑って上がれない、土手を上がれない。
そのうち濁流は膝くらいまでせり上がってきた。
二人はなんとか草にしがみついて凌いでいるが身動きが取れなくてなっていく。
川の流れは早い、腕の力が抜けた時、流されるのは必至だ。
防災本部の監視カメラの画像には、背の高い草が邪魔して、二人の姿が見えていない。
ごんちゃんには何が起きているか全く見えていなかった。
──ズルっ、教授の足が滑ってこけた。
教授の腕を握り、耐えるどんと。
「いい、ワシはいい、腕を離して独りで行くんだ」
「嫌だ、そんなの絶対嫌だ」
どんとは必死で涙を堪える。水位はどんどん上がってくる、腰のあたりまで来る。
どんとはなんとか教授を立ち上がらすと、土手の草むらに背中を押し付け、両足で踏ん張った。
教授も同じ格好になると、二人で流されないようになんとか耐える。
どうしよう? ──どんとと教授は恐怖で動けなくなった
──そこにボスが来た。
状況を一瞬で察知すると、ももとさくらに念を送った。
翼橋にいる、どんとと教授を助けてくれにゃー!
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