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③『告白』

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会場の別の部屋に移動したかがりとれな。


かが「準備室だけど…ここでいいかな?」


れな「うん。ありがと。」


かが「なにか飲む?お酒?」


れな「いや、大丈夫だよ。ありがと。」


そう?とかがりはお茶を差し出した。


かが「それにしても久しぶりだね。随分美人になって。今なにしてるの?」


れな「い、今は……雑誌モデルをちょっと……。けど今は休職中なんだ。」

れなは少し顔を赤らめて言った。



かが「えぇ!?モデル!?凄いよ!れなちゃん顔整ってるもんねぇ。羨ましいなぁ。」


そんなことないよと手をブンブン振るれな。


かが「いやぁ正直、れなちゃん来てくれるか心配してたんだよ。だから会えて凄い嬉しい!」


れな「私も会えて嬉しいよ。……あのね、かがりちゃん……」


れなは顔を俯き始めた。
額には薄らと汗をかいていた。


かが「ん?どうしたの?」


れな「・・・かがりちゃん……私ね……かがりちゃんのこと大好きだった。」


突然の告白だった。
突然のことでかがりは3秒程思考停止した。



かが「・・・えッ!?わ、私!?」


れな「うん。これだけは伝えたくて………。急にごめんね。」


かが「う、嬉しいよ!ありがとッ。」


かがりは少し顔を赤らめて微笑んだ。



れな「お、お願いがあるんだけど……いいかな?」


かが「なに?どうしたの?」


れな「・・・来週の日曜日、一緒に遊びたい……。か、かがりちゃんの、よ、予定が無ければだけど……」


かが「来週の日曜日……うん、大丈夫だよ!遊ぼう!」


れな「ほ、ホントに!?……う、嬉しい……」


少し涙目になっているれな。
そんなに嬉しかったのかとかがりは思った。


かが「じゃあ、れなちゃんの連絡先教えてよ!詳しい事はメッセージでしよう。」


れな「うん……!」


かがりとれなは連絡先を交換した。


れな「ごめんね。もう少しお話したかったけど、私そろそろ行かないとダメなの……」


かが「え!?そうなの?用事?」


れな「うん……でもかがりちゃんに会えてよかったッ。ありがとう。」


かが「私も会えて嬉しいよ!じゃあまた連絡するね!」


そしてれなは準備室を後にした。



かが「((れなちゃんがモデルかぁ……まぁ元が美人だから当然かぁ。……それにしても私のこと大好きだったなんて…照れるなぁ))」


思わず顔がにやけてしまうかがり。
スマホで時間を確認したかがり。


かが「いけない!戻らないと!」


かがりはスマホをしまい、準備室を後にした。




会場に戻り、準備に戻ろうと歩いていると後ろから声を掛けられる。



ゆき「あぁ~!!かがりん!!」


振り返るとゆきが抱きついてきた。


かが「わわっ!ゆきちゃん!?」


ゆき「久しぶりだねかがりん!!元気してたぁ?」


ゆきは同じクラスだった女の子で、かがりの初恋の相手だった。



かが「久しぶりだねゆきちゃんッ。元気だよ。ゆきちゃんも相変わらずそうだね。」


抱きついてきたゆきからは酒の匂いがした。


かが「ゆきちゃん結構飲んでるんじゃない?大丈夫?」


ゆき「全然よゆーだよっ!まだまだ飲めるよ!!かがりんは飲んでる?」


かが「私はほら、幹事だから飲めないんだぁ。」


それを聞いたゆきは少し残念そうな顔をした。



ゆき「そっかぁ~…かがりんと飲みたかったのになぁ~…」


ゆきは唇に指をあて上目遣いをする。


かが「((ッ!?か、可愛い………))」


学生時代、ゆきのことが好きだったかがりにとっては効果抜群だった。


かが「わ、私もゆきちゃんと飲みたかったけど……ごめんねっ。」


ゆき「むぅ………」


ほっぺを膨らませるゆき。
すると後ろからいちごの声が聞こえた。


いち「かがりちゃぁーん!!あっ!お姉ちゃんもいるじゃん!!」

ひまわりと肩を組んでやって来たいちご。


ゆき「いちごぉぉ聞いてよぉ~!かがりんが私との酒が飲めないってぇ~!」


かが「えぇーッ!!?違うよ!語弊があるよゆきちゃん!!!」


慌てて弁明するかがり。
だが、いちごはそんなことは聞いていなかった。


いち「お姉ちゃんそれアレだよ?……なんだっけ?アルコール……なんたら?」


ひま「『アルハラ』だよいちごぉ!ア・ル・ハ・ラ!」

ひまわりが得意気な顔をしていちごの頬を突っついた。


いち「わかってるぅ!!・・・って、そんなことよりさぁ~!二次会するんだけどかがりちゃんもおいでよ!!かんなは行くって言ってるよ!!」



もちろん嘘。

かんなは『かがりが行くなら行く』と言っただけで、『行く』とは言っていない。



かが「えぇ!?かんなちゃんも行くの!?………じゃあ、行こうかな。」


いち「ぃやったぁ!!じゃあかんなには言っとくから!!かがりちゃん幹事頑張ってねッ♪」


いちごは再びひまわりと肩を組みながら去っていった。


ゆき「・・・これで一緒に飲めるね。楽しみにしてるよ♡」


ゆきも2人を追いかけるように歩いていった。



かが「・・・ふぅ……。みんな相変わらずだね。」


かがりは少し微笑みながら準備に戻った。

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