『ブラックボックス』

うどん

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〜第5章〜

144.『旧社員寮への侵入』

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要塞化している工場。
みつれとリンはハナを助け出すため、行くことを決意する。


するとしおんはある作戦をもちだした。


しお「旧社員寮は工場の南側にある。幸い塀は2.5m程。そこから侵入すれば旧社員寮はすぐそこだよ。」


みつ「2.5mなんかお前しか飛び越えれないだろ。そんなこと…………なるほど。」

みつれはリンの車を見て思いついたようだった。


しお「多分みつれさんが今思いついた通りだよ。みつれさんのバイクで塀を飛び越えるんだ。…リンさんの車を使ってね。」


リン「どういうこと?」


しお「映画とかでよくありますよね?車を台にしてバイクで飛ぶアレです。」


しおんの作戦は、リンの車を台にしてバイクで飛び越えて侵入するというものだった。


しお「みつれさんの運転技術なら大丈夫です。そのまま旧社員寮に侵入してハナさんを捜す……それしかありません。」


みつ「旧社員寮の見取り図は?」


しお「今送ったよ。旧社員寮は4階建て。1階ごとに10部屋ある。」


リン「つまり40部屋のうち1部屋にシロサキとハナちゃんが居るってことだね。」


リンも少し落ち着きを取り戻していた。


しお「そうです。そんなに大きくない寮ですがそれ故に正確な位置は分かりません。後は捜しまわるしか無いでしょう」


みつ「わかった。脱出はどうする?」


しお「その辺の車を奪うしかないね。それかそれこそ車を台にして塀をまた飛び越えるか。」


みつ「救出しても脱出が難しそうだな。車を奪うのが手っ取り早いか…」


3人はいい脱出方法が思いつかなかった。


リン「最悪私が1人で塀を越える。みっちゃんはハナちゃんを乗せてバイクで脱出して。」


みつ「どっちかだろうな。お前がバイクか私がバイクか…。」


リン「・・・しおん君、ありがとう。」

しお「お礼は帰ってから直接聞かせてください。絶対帰ってきてくださいよ2人とも。」


みつ「あぁ、もちろんだ。」


リン「行こう!みっちゃん!」


2人は工場へむかった。


工場の南側に近づき、2人は一度止まった。


リン「私の車を台に使うって、どう使うの?」


みつ「車を塀に停めてそれを踏んで飛び越える。それだけだ。」

みつれはサラッと言う。


リン「それだけだ…って簡単そうに言ってるけどそんなこと出来るの!?」


みつ「大丈夫だ、問題ない。」

リン「す、すごいね…。あ、みっちゃんにコレ、渡しておくよ。」


リンはみつれに銃を渡した。

みつ「いいのか?」


リン「私はまだ3丁あるから。」

みつ「お前……」

リンの本気度がわかったみつれ。


みつれはリンに車を塀につけるように指示をする。


リンは車を停め、みつれの後ろに乗る。

エンジンをふかし始めるみつれ。


みつ「・・・覚悟はいいか?リン。」


リン「うん。行こう。」

みつ「しっかり捕まってろ。後、着地の時は腰を浮かしとけ。」


みつれはスロットルをまわし、走り出す。


エンジンが唸り、リンの車に近づく。
するとみつれは前輪を浮かせて車に乗りあげる。

するとバイクは車に乗り上げ、宙に浮いた。


2.5mの塀を飛び越え、工場内に侵入した。


リン「ひぇ……」

リンはあまりのアクションに声がもれた。


バイクのエンジン音を聴きつけた組織の男がこちらに向かってきた。


みつれはバイクのスロットルを再びまわし、近づいてきた男に走り出した。

男は轢かれると思い、咄嗟に避けた。


みつれはそのままバイクを走らせる。

みつ「これが旧社員寮だな。」

みつれとリンはバイクを降り、旧社員寮に侵入する。

みつ「私が前に出る。援護してくれ。」


リン「了解!」


2人は廊下を進んでいく。



「なんだお前ら!?」


バイクの音を聴きつけた男が部屋から出てきた。

みつれはすかさず男の懐に入り、首にサバイバルナイフをあてる。


みつ「シロサキは何処だ?」

ナイフが少し首を触れ、血が出る。


「お、お前ら……こんなことしてただで済むと……」


みつ「じゃあもういい。寝てろ。」

みつれはナイフのグリップで男の顔を殴り、気絶させた。


みつ「次行くぞ。」

みつれは前に進む。


次の部屋のドアに手をのばそうとしたら勢いよくドアが開き、男が襲いかかってきた。

みつれは冷静に交わし、ナイフを腹部に刺す。


みつ「シロサキは何処にいる?」

グリっと刺したナイフを動かす。


「ぐぅ……このアマぁ……」


みつ「喋らないなら用は無い。」


みつれはナイフを深く突き刺した。

ナイフを抜いて男は倒れた。

リン「ッ!?伏せて!!」

リンは横から刃物を投げる男に気がついた。

2人は寮の手すり壁に身を隠した。


刃物は壁に刺さり、リンは飛び出して行った。


迫ってくるリンに焦る男。

リンは一瞬で懐に入り、男の顎を殴る。
すると男は脳震盪を起こしその場で崩れるように倒れた。


みつ「やるなぁアイツ。」


外の騒ぎを聞きつけて次々と部屋から構成員が出てきた。


リンは旧社員寮を見上げる。


そこにシロサキがいた。


リン「シロサキぃ!!!!」


リンが怒りをあらわにして叫ぶ。


シロサキはリンを見てニヤリと笑い、部屋に入っていった。


リン「待てッ!!!シロサキぃ!!」


リンは旧社員寮に戻ろうとする。


すると建物の影から人影が現れた。


リン「ッ!?………ハ、ハナちゃん!?」


現れたのはハナだった。


みつ「ッ!?」


驚いた2人。


リン「ハナちゃん!無事でよかった…早く脱出しよう!」


だがリンが声を掛けても返事が返ってこない。


ハナ「・・・」


リン「ハナ……ちゃん?」


ハナはずっとリンを見つめ、沈黙していた。。。
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