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〜第3章〜
73.『〜しおんの過去編〜みつれとの出会い』
しおりを挟む祖父「・・・『みつれ』という女じゃ。」
祖父はみつれの名前を出した。
しお「『みつれ』・・・その人は今どこに?」
祖父「まぁ待て。その女は今テロ組織に監禁されておる。近々助け出す予定じゃ。そしてお前に会わせる。」
祖父はしおんにみつれのことを説明した。
テロ組織に家族を殺され、復讐する為に軍人になった。
しかし上司に裏切られ、その組織に売られた。
今は監禁されて見世物にされていることをしおんに語った。
しお「そんな酷いことを……」
祖父「昨晩、その女に会いに行ったよ。かなり疲弊していたが、ワシの言葉で希望が持てたようじゃった。しおん、お前のことも伝えておる。彼女と手を組んで目的を果たせ。」
しお「・・・その人と組んでどうしたらいいの?」
祖父「探偵業でも便利屋でも開きなさい。資金はワシが援助する。自ずとテロ組織の足取りを掴めるじゃろう。お前の技術ならな。」
祖父はしおんに道筋を示した。
祖父「とにかく近いうちに彼女は救出する。お前と会わせた後はお前たちでやるんじゃ。」
しお「・・・ありがとう。じいちゃん。」
しおんは祖父に礼を言った。
祖父「こうなったのはアイツの親であるワシにも責任がある。まぁワシはもう極道を引退した身じゃが、出来ることは協力させてもらうぞ。」
祖父は笑った。
祖父「とりあえずまた連絡するからの。お前は今出来ることをやれ。」
祖父が腰を上げる。
しお「じいちゃん。ありがとう。」
祖父「立派になったな。しおん。」
祖父はしおんの肩をポンと叩いた。
しおんに見せた顔はいつもの優しい祖父の顔だった。
祖父は帰っていった。
しお「((今出来ること…か……))」
しおんは今出来ることを考えながら祖父の連絡を待った。
数日後、祖父から連絡が来た。
みつれの救出に成功したらしい。
しおんは指定された場所に向かった。
そこにみつれが立っていた。
みつ「・・・君が……しおん君?」
2人は初めて顔を合わす。
みつれはやつれてはいたが、目はしっかり生きていた。
しお「はい。そうです。……あなたが、みつれさん…ですね?」
みつれは頷いた。
みつ「君に協力するように君のお爺さんに言われた。これからよろしく頼む。」
みつれはしおんに頭を下げた。
しお「こ、こちらこそよろしくお願いします!」
みつ「君のお爺さんからこれを預かってる。好きに使えと言っていた。」
みつれはボストンバッグをしおんに渡した。
中には大量の現金と事務所の契約書が入っていた。
しお「じいちゃんはみつれさんと探偵業でも便利屋でも開けって言ってた。多分これを使ってってことでしょう。」
みつ「便利屋か……。ならお爺さんの言う通り、2人でやろう。とりあえずここで話すのは……場所を変えよう。」
しお「そうですね。一旦この事務所に行ってみましょう。」
2人は祖父が用意した事務所に向かった。。
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