『ブラックボックス』

うどん

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〜第2章〜

51.『〜ポチの鎖編〜男と女 前編』

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よつばはしおんから服を借りる。
よつ「ありがとうございます。」

ダボダボのシャツにズボン。

よつ「・・・しおんさんってやっぱり男の子なんですね。」

しお「な、なに言ってるんですか!?」

よつ「勃ってたのバレバレですよ?」
よつばはしおんの股間を指差す。

しお「ち、ちがッ!!…」

よつ「けど残念。ワタシの身体はご主人様のモノなので♡みつれさんを助け出したらみつれさんに慰めてもらってください。」

しお「僕とみつれさんはそういう関係では無いです!」

よつ「あれ?そうだったんですか?ワタシはてっきり……」
よつばは2人が恋人関係だと思っていたようだ。

しお「みつれさんはただのパートナーです。男女の関係はありませんよ。」

よつ「そうだったんですね。失礼しました。」
よつばは深く頭を下げる。

しお「やめてください…。それより少しわかった事がありました。」

しおんはわかった情報をよつばに話した。

GPSが途切れた例の旧トンネル。
そこはテロリスト『シロサキ』の祖父の建設会社が施工した物だった。

そしてそこに秘密の隠れ家があると考え、
シロサキはそれを利用しアジトにしている可能性があるとしおんは考えた。

よつ「なるほど。でしたら相手は1人だけでは無いですね。」

しお「中が分からない限り、侵入も強行突破も難しいのが現状です。」

しおんは俯いた。

いくらよつばが腕っぷしが強いとはいえ、相手は複数の可能性があるしスイは銃も持っている。
2人での救出には希望がみえなかった。


よつ「・・・みつれさんのメモにあった『リン』ってのは誰です?」
しおんはみつれのメモを思い出した。

しお「そうだ!リンさんに応援を頼めばあるいは!?」

スマホを出し、リンに連絡しようとしたが手が止まる。

よつ「・・・しおん?」

しお「リンって人は…みつれさんのお友達で…警察です。」
警察っていうワードを聞いてよつばの顔色が変わった。

しお「よつばさん。アナタは一応行方不明者です。リンさんに素性がバレればいずれカオリさんに辿り着くかも知れない。」

よつ「・・・それは困りますね。」
警察のリンによつばの素性がわかればカオリに辿り着く。そしてカオリは逮捕される。
それは2人にとって避けたいことだった。

よつ「そのサツの応援があれば、ワタシはうごけなくなりますね。」

しお「そういうことです…。」

よつ「ワタシはここまでということでしょうか?」

しお「リンさんに応援を頼めばそうしたほうがいいですね。」
みつれにとってもカオリを警察に渡す訳にはいかない。

よつ「・・・分かりました。じゃあこうしましょう。」

 よつばはしおんにある提案をした。

よつ「みつれさんを助けるまで、ワタシは『よつば』では無く、別人として動きます。」

しお「いや…それでもバレちゃうんじゃあ……」

よつ「ワタシは偽名を使って動きます。それにワタシが行方不明になってるのは遠い県での話です。まぁそもそも半グレの行方不明者なんて
誰も相手にしません。大丈夫です!」

しお「そこまでして……」

よつ「ワタシはご主人様に全力でアナタをサポートしろと言われてます。それがご主人様の望みですから。」

しお「よつばさん…。分かりました。ではよろしくお願いします。」

よつばはニコッと笑った。

よつ「じゃあワタシはどういう人物でいきましょうか?」
よつばは警察のリンに怪しまれないように自身の設定を考える。

しお「ウチの新人…てことにしましょうか。それなら僕と居ても問題ありません。」

よつ「そうですね。それでいきましょう。名前は『みつば』でいきます。」
少し楽しそうなよつば。

しお「今日はもう遅いですからリンさんへの連絡は明日しましょう。悠長かもしれませんが、恐らくみつれさんも覚悟の上です。確実に救出出来るように最善を尽くしましょう。」
しおんは立ち上がった。

しお「よつばさんはどうしますか?カオリさんのところに戻りますか?」

よつ「しおんさん。今のワタシは『みつば』です。みつれさんを助け出すまではご主人様のところには戻りません。それをしたらワタシはご主人様の望みに背くことになります。」

しお「そ、そうですか。でしたらここに泊まってください。なにも無いところですが。」
しおんはハハハと笑い、泊まるよう提案する。

よつ「ありがとうございます。」
よつばは深々と頭を下げる。

しお「僕はシャワー浴びてきます。くつろいでいてください。あっ!パソコンには触らないようにしてくださいね。」

よつ「分かりました!しおん先輩!!」
ふふふっと笑うよつば。
少し雰囲気が和んだ気がした。




情報が少ない今、コン詰めても仕方がない。
冷静さを取り戻したようにみえるしおんだが、内心は焦っている。
しおんは一度焦る気持ちをリセットしようと風呂に入った。。。



しお「ふぅ……」
湯船に浸かるしおん。
ここ最近はバタバタしてたせいかゆっくり湯船に浸かるのも久しぶりだった。


しお「ん?」
湯船の端に見覚えの無い髪ゴムが置いてあった。

しお「((あぁ…よつばさんのか。忘れてったんだな…。あがった時に渡すかぁ。))」

髪ゴムはおそらくよつばのだろう。
よつばの髪ゴムを手に取り、じっと見つめる。

ふと先ほどのよつばの裸を思い出した。

しお「ッ!?///」
しおんに邪な気持ちがよぎる。

しおんも男。
同年代の女の裸体をみたらそういう気持ちにもなってしまうのは自然だ。

しお「((あぁぁぁダメだダメだ!!))」
しおんはバシャっと立ち上がった。

すると浴室のドアが開いた。

よつ「しおんさん。そこにワタシの髪ゴム知りませんか………あっ。」

しお「あっ。」

5秒程見つめ合う2人。
やがてよつばの目線はしおんのそそり立つ股間のほうへ向く。

しお「ッ!?ちがッ!?これは!!」
慌てて前をおさえるしおん。

よつ「・・・しおんさん。」
よつばは服を脱いで浴室に入る。

しお「えっ!?ちょ!?よつばさん!?」
突然の出来事の連続で困惑するしおん。


よつば「ワタシで良ければこの身体…好きに使ってください。」
よつばはしおんの手を取って胸に当てる。


しお「だ…だめですよ!冗談なら怒りますよ?」
しおんは手を振りほどこうとするがビクともしない。

よつ「冗談ではありません。ワタシはご主人様にしおんさんを全力でサポートするように言われてます。それにしおんさんのソレがそうなってるのはワタシのせいですよね?」

しお「そ…それは……」

よつ「それと今のワタシは『みつば』です。アナタの欲望、ワタシの身体で満たしてください。」

よつばは掴んでるしおんの手を自分の秘部に移動させる。

しおんはここまでされて我慢が出来なかった。

しおんはよつばを抱き締めた。
しお「・・・今夜だけ…お願いします。」

よつ「はい。でも好きになってはダメですよ?ワタシはご主人様一筋なので♡」


2人は浴室を出てしおんの部屋に入っていった。。。

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