『ブラックボックス』

うどん

文字の大きさ
上 下
39 / 187
〜第2章〜

㊲『闇医者と助手』

しおりを挟む




よつばから人捜しの依頼を受けた『カモミール』。
みつれとしおんは事務所へ戻った。


しお「じゃあ僕は情報を調べてみるよ。みつれさん先にお風呂入ったら?」

みつ「そうだな。そうするよ。」
みつれは風呂の準備をした。



しばらくモニターとにらめっこするしおん。



みつ「何かわかったか?しおん。」
みつれは風呂からあがったようだった。


しお「あまり情報は無いね……。なんせ元から謎が多い人だから…げっ!?」

振り向いたらみつれはタオルを肩にかけただけの素っ裸だった。

しお「み!みつれさん!服着て!!」
とっさにしおんは目をそらす。

みつ「別にいいだろ…」

しお「ダメ!!すぐ着て!!」
みつ「むぅ……しょうがないな。」

みつれは服を取りにいった。


しお「((ほんとそういうとこデリカシーが無いんだから……))」
しおんは顔を赤くしながらモニターを見つめる。

するとみつれが服を着て戻ってきた。
みつ「服着たぞ。それで、何かわかったか?」

しお「・・・。カオリさんの情報だけどほとんど出なかったよ。なんせ完全に裏社会の人間なんであまり確かな情報は無いね。昔は僕のじいちゃんの組を専属で診てたらしいけど、今は『羽曇組』という組のほぼ専属でやってるそうだね。」

みつ「ヤクザ専門の医者か……。てことは今回仕事であの街にいるって事は、相手はその辺のヤクザか?でもその辺にヤクザなんていないぞ。」

しお「そう。それで困ってる。ヤクザがいたら仕事相手はソレだし、すぐ見つけれると思ったんだけど、残念ながら違うみたいだね。」

みつ「そうなると、ヤクザ以外の相手か……。もしかして相手はテロ組織の人間じゃないか?」

しお「可能性はあるだろうね。けどテロ組織の人間でも普段はカタギとして過ごしてるのが多い。闇医者なんか使わなくても普通に医者に行けば済む話なんだけど…。」

みつ「・・・。助手の情報は分かったのか?」

しお「よつばさんね。ちょっと変わった経歴があったよ。」

しおんはよつばの情報をモニターに映した。

しお「よつばさんは昔、遠い街で結構デカい半グレグループのリーダーだったんだ。」


みつ「あの娘が…半グレ?」
みつれは少し驚いた。

しお「これはSNSでも多くの書き込みがあるからまぁ間違いないと思うよ。」

みつ「そんな半グレがなんで闇医者の助手を?」

しお「ここからがちょっと面白いんだけど、その数十名以上いる半グレグループは当時の女子高生2人によって壊滅させられたんだ。」

みつ「なんだそりゃ?漫画みたいな話だな。」
みつれは少し笑ってしまう。

しお「ほんとにね。けどその女子高生の1人は『羽曇組』の組長の孫だったんだよ。」

しおんは続けて話す。

しお「名前は『みずき』。どうやらグループを潰す前に自宅で襲撃されたらしい。恐らくそれの報復だろうね。よつばさんとは中学の時から因縁があったようだよ。」


みつ「報復でグループ壊滅とは凄いな。」

しお「グループを潰されたよつばさんはその後『羽曇組』に拉致されたらしい。それ以降は行方不明とされているね。中には死んだってウワサもある。」

みつ「それで今は闇医者の助手をしてると…。繋がるようであまり繋がらない気がするな。」

しお「多分色々あって助手をしてるんだろうね。そこはいくら調べても情報が出なかったよ。」

しおんはモニターの画面を切り替える。

しお「わからないことが多いね。後はあの街の防犯カメラをハッキングして観るかだね。それと、もうちょっとよつばさんに聴き込まないと。」

みつ「・・・そうだな。」

すると、しおんのスマホが鳴った。
リンからの着信だった。

しお「あ、リンさんからだ。もしもし。」

リン「やぁ、しおん君。元気してる?」

しお「はい。僕もみつれさんも元気ですよ。」

リン「よかった。また仕事をお願いするよ。今データ送った。」

しお「あ、いやぁ…今他の仕事受けてて…」

リン「あれ?そうなの?初めてじゃん。私以外の依頼なんて。」

しお「おかげさまで。」

リン「でも、こっちも至急の案件なんだ。今データ見れる?」

しお「これですね。はいはい。」
しおんは送られてきたデータをモニターに映す。


みつ・しお「ッ!?」



リン「今回のターゲットは闇医者カオリの確保だよ。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

Flower Girls〜オトナになった君たち〜

うどん
キャラ文芸
うどん劇場◥█̆̈◤࿉∥ 『近所でちょっぴりウワサの姉妹』 『幼なじみといっしょに』 『思春期のかがりちゃん』 3作品のアフターストーリー。 成人式の後の同窓会。 20代になった新成人のうどん学園卒業生。 学級委員長だったこともあり、同窓会の幹事を任されるかがりは進行にあたふたしながらもこなしていく。 すると、ある女が話しかけてきた・・・ 一方で、昔話に花が咲き、盛り上がったひまわりといちごは、同性カップルを集めて飲みなおそうと提案する。 そこで、いちご×ゆき、ひまわり×みずき、かがり×かんなのペアが集結した。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...