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〜第2章〜
㉟『謎の女からの電話』
しおりを挟む拉致事件から1週間。
みつれは無事退院した。
1週間ぶりに事務所兼自宅に帰るみつれ。
みつ「やっぱり病院よりこっちの方が落ち着くな。」
しお「みつれさんが留守の間、きっちり掃除しましたから。」
ドヤ顔をみせるしおん。
みつ「何から何まですまないな。しおん。」
しお「リンさんは今忙しいみたいで当分は依頼こないだろうね。」
みつ「警察署が爆破されたからな。後片付けやらあるし警察も色々大変だろうな。警察署爆破されてメンツが丸潰れだからな。」
しお「そのことなんだけど、少し分かったことがある。」
みつ「なんだ?」
しおんはタブレットの画面をみつれにみせた。
しお「警察署を爆破した爆弾を調べたんだ。この画像はリンさんに貰ったものなんだけど、この使われた爆弾から車のバッテリーの破片がみつかったんだ。」
みつ「バッテリーの破片?車のバッテリーが爆弾だったってワケか?」
しお「そう。それでその破片からなんとか製造元を割り出したよ。」
みつ「・・・凄いなお前。」
しお「もっと褒めていいよ。その製造元は2箇所に絞ったんだけど、その1箇所はシロサキが勤務してた工場があったんだ。」
みつ「なるほど。じゃあそこから盗んだんだろうな。」
しお「恐らくね。どういう作業勤務をしてたから知らないけど、シロサキなら盗むのは簡単だろうね。恐らくそれから爆弾を作ったんだよ。」
みつ「・・・」
しお「けど今はシロサキは全国指名手配中で工場も当然解雇。もうバッテリーを簡単に手に入れる
手段は無くなったね。」
みつ「・・・しおん。そこの工場では製造数と出荷数が合わないはずだ。その数はわかるか?」
しお「それも調べたよ。16個だった。」
みつ「ということは、シロサキはまだ爆弾に出来るバッテリーを多くても12個は持っているってことか。」
しお「そういうことになるね。」
2人は沈黙し考え出した。
現在シロサキが所有しているであろうバッテリーは12個。
リンを人質にして新たなテロをおこそうと思っていたんだろう。
すると今回の警察署爆破テロは偶然では無い。
つまりシロサキが捕まったのは計画のうち?
恐らく拉致する警察官は誰でもよかったんだろう。
みつ「・・・」
しお「・・・とりあえずこれ以上の情報は出なかったよ。」
みつ「分かった。ありがとう。」
しお「シロサキは僕達の顔を知っている。リンを救出したのはバレてないにしても、多分僕達を狙う可能性はあるね。」
みつ「そうだな。それと…『スイ』も私を狙ってるだろうな。」
みつれは手を握って震えを誤魔化していた。
しお「・・・その『スイ』って人、銃持ってたよね?てことは組織の中でも幹部的ポジションなのかな?」
みつ「わからない。なんせずっと死んでいたと思ってたからな……」
再び2人は沈黙した。
そうしていたらしおんのスマホが鳴った。
しお「ん?誰からだろ?もしもし。」
知らない番号から電話が掛かり、しおんは電話にでる。
「・・・あんた…しおんだな?」
電話の声は知らない女からだった。
しお「あの…どちら様ですか?」
「あんたの力を貸して欲しい。あんた、ヤクザの孫で便利屋やってんだろ?名前は…『カモミール』だったっけ。」
しお「・・・誰だあんた?」
「今日の20時、『サファイア』って店に来て欲しい。仕事を頼みたいんだ。…待ってるよ。」
しお「ちょ、ちょっと!」
一方的に電話を切られた。
みつ「どうした?誰からだ?」
しお「わからないよ。知らない女の声だった。仕事の依頼をしたいから20時に『サファイア』って店に来いって。」
みつ「『サファイア』?どこの店だそれ?」
しお「市外の店だよ。リンさんを救出しに行ったあの日スイから逃げた後、僕らがリンさんに助けて貰った場所だよ。」
みつ「そうだったのか…」
しお「どうする?ヤツらの罠かも知れないよ。向こうは僕のこと知っていた。僕のじいちゃんのことも。」
みつ「・・・行ってみないと分からないな。一応武装していこう。」
謎の女からの仕事の依頼。
2人は『サファイア』に行くことにした。
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