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〜第1章〜
④『学校内の犯罪』
しおりを挟むしおんは酔ったみつれをおぶって事務所に戻る。
しお「みつれさん。もう着きますよ。」
みつ「ん……」
無事事務所兼自宅に到着し、
ソファーにみつれをおろすしおん。
しお「今水持ってきますから。」
みつ「待って…」
みつれがしおんの袖を引っ張り止める。
しお「み、みつれさん?」
みつ「横に座って。」
しお「は、はい。」
しおんはみつれの横に座った。
みつ「しおん…今日はありがと…」
みつれはしおんを見つめる。
しお「なにが?」
みつ「リンとケンカになりそうなところ止めてくれて…」
みつれが何時になくしおらしくなる。
しお「当たり前じゃん。リンさんは大事なお得意さんだし、2人は友達同士でしょ?」
みつ「・・・すまなかったな…」
しお「さっ!今日はもうお風呂入って寝てください。準備してくるから。部屋で待ってて。」
しおんは立ち上がり風呂場に向かった。
浴槽に湯をため、準備し終えたしおんはみつれのいる部屋に入る。
しお「みつれさん。風呂の準備出来たよ。早く入って……」
そこには服を脱ぎ捨ててベッドで寝ているみつれが居た。
しお「はぁ…そんな格好で寝ちゃって……」
しおんは脱ぎ捨てられた服を拾う。
しお「僕も男なんだから…目のやり場に困るよ…」
しおんはみつれに毛布をかけた。
しお「おやすみ。みつれさん。」
翌日。
みつ「うぅ……頭痛い…」
ふらふらと部屋から出てくるみつれ。
しお「おはよう。みつれさん。昨日飲み過ぎたせいだよ。」
白湯が入ったコップを手渡すしおん。
みつ「ありがとう…」
しお「そうそう。リンさんから新しい仕事もらいましたよ。」
みつ「わかった。説明して。」
しお「その前に服着てよ…。」
みつれは下着姿のままだった。
しお「じゃあ、仕事内容の説明ね。ターゲットは小児性愛者の男。この街の中学校の非常勤の教師。リンさんからの情報によると、放課後補習の名目で生徒を呼び出し、何らかの薬を飲ませたあと眠らせて性的暴行を加える。そして何事も無く生徒に触った痕跡を消し生徒を起こして帰らせる。…ということらしい。」
みつ「そこまで分かっていてなんで警察は動かない?」
しお「明確な証拠が無いらしいよ。なんせかなり徹底して痕跡を消してるらしくて、被害生徒も性的暴行を加えられたと思っていない。」
みつ「じゃあなんでそんな細かな情報が出てるんだ?」
しお「生徒の中に1人だけ薬に抗体があったらしくてその生徒からの証言らしいが、その生徒の身体からはターゲットの指紋などは出なかったらしい。」
しおんは生徒の写真を取り出した。
しお「名前はカエデちゃん。中学1年生で成績は普通。大人しめの子であまり目立った子では無いようだね。」
みつ「学校内での犯罪か……。ちなみに薬の成分なんかは出たのか?」
しお「いや、それらしいモノは出なかったらしい。」
みつ「・・・」
しお「テロ組織とは特に関係は無さそうだけど、どうする?」
みつ「恐らく関係は無いだろうが、胸糞悪い案件だな。いいよ。やろう。」
しお「そう言うと思ってたよ。僕の方でも情報を集めておいた。はい。」
しおんはみつれにファイルを渡す。
しお「では改めて。ターゲットの名前は「ウエノ」。非常勤の教師で1年生を担当。放課後に補習の名目で1人の生徒を呼び出し、薬を飲ませたあと眠らせて学校内の補習室で性的暴行を加える。その事は1人の被害生徒からの証言。その生徒の名前は「カエデ」ちゃん。1年生で成績は普通、大人しめの子で目立った子では無い。」
みつ「まずはこの子に聞き込みしたほうが良さそうだな。」
しお「そうだね。けど犯行現場が学校内だよ。ターゲットをどう取り押さえる?」
みつ「非常勤として潜入するか、直接犯行現場に乗り込むか……」
しお「ちょっと難しそうだね…。とりあえずカエデちゃんに話聞こうよ。自宅の住所はもう調べてる。」
みつ「そうだな。行こう。」
2人は支度し、被害生徒の自宅へ向かった。
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