30代主婦死んでもないけど神の使徒してます

ミカンとヤギの人

生まれは、村人。

しかも、開拓民。

気候が良いので、森を開拓して作物用の水源が確保できれば村は富むと思う。

いや、村というより領主だな。

スキルで買い物ができるが、何も持っていなかったので買うことが出来なかった。

初めて買うことができたのは、１２歳になり冒険者登録ができたから、ゴブリンを倒しまくり、銀貨数枚を手に入れて砂糖を購入した。

そのまま売るのは憚られたので、ベッコウ飴にして街で販売。しこたま儲ける。

そのお金でミカンの苗木を買った。

この世界、高い割に果物が美味しくない。

前世で食べたミカンの味が忘れられなかった。

また、糖分もビタミンCも豊富なミカンは冬の保存食に最適で、雪が降るまで取れるし、氷室に保存すれば長く持つので村の特産にならないかと思い購入。

すぐには育たないが、数年後にはこの土地にもミカンがたわわに実るだろう。

魔物に取られないように、散歩がてらゴブリンの数を減らす。あいつら、どこにでも増えよる。ミカンの一個たりとも渡すものか！

栄養状態の悪いこの村の子どもたちは痩せている。風邪を引いたら、回復できずに死んでしまうことも多い。こんなふざけた環境で死ぬものか！

栄養改善したくて、ヤギを購入した。もっと欲しかったけど、買えたのは２匹だけ。増やしていこう。ヤギのチチは粥にしてローテーションで各家に差し入れをする。

ベッコウ飴売って、今度は豚や牛を買おう。

王都では砂糖の流通が良くなり安くなりそうだ。稼げるうちに稼いでおこう。

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貧乏な開拓村を嫌ってはいるが、村人みんな家族感覚でみんなを豊かにしたいと思っている熱い男。