【観覧注意】育児

ひさまま

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 何をやっても人よりできなかった。

 運動、スポーツ、人付き合い全滅だった。

 友達もいたけど、妹が怒るもんだから離れていった。少しくらいのお金はあげても良いと思ったけど。勝手に持って行かれた中に家族のお金もあったからだと思う。

 妹から馬鹿にされるけど、色々なものが見えた。小人や人の嘘色もわかった。裏山が燃えるようなオレンジになったのを見たけど、それは私だけで数日後祖父が死んだのて、山からのお迎えだと知った。

 妹に話して、お姉ちゃん黙っとけと言われた。

 名前を書けば入れる高校に入り、調理科を卒業する。高校卒業と同時に企業の工場に就職する。県外。

 不安で仕方なかった。入社3日目で辞めたい事を上に話した。親切な上司が、家まで連れて帰ってくれた。ありがたい。

 それからは、クリーニング工場で働いている。月、6万の給料。2万円を母に渡す。

 着るものに興味ないように見えているらしく、ばあちゃんに叱られいつのまにかタンスに服が増えているが、袖がキッチリしていないので着ない。重くて、キッチリした袖のものが良い。私にもこだわりがあるのだ。

 父が家に帰ってこなくなった。父は、私の全てが気に入らない。成績が悪いと怒鳴られ、シャンシャンしないと殴られた。

 仕方が無いので、父がいるときは部屋に篭る。怒鳴られたくも無いし、殴られたくも無い。お互いに顔を見ないのが良いだろう。父は自営業の会社に寝泊まりしているらしい。

 クリーニング屋に勤めて、20年。景気の影響で給料が5万ぐらいになった。

 その間に、妹が結婚をして、甥っ子も生まれた。特になんとも思わなかったが、母が私の小さい頃にそっくりだと言っていた。妹も細い目元がそっくりやけど、うちの家族はみんな目が細くて、妹の旦那も目が細い、パッチリなら誰の子よ!?と笑っていた。

 それから帰省するたびに大きくなる甥っ子にお小遣いを強請られる。毎回、1万円はきつい。

 父から家を追い出された。いや、ばあちゃんが死んで家が取り壊されるので、会社近くに家を建てるのだけど、父と20年で4回ぐらいしか会っていないので、母の勧めでクリーニング工場の近くのアパートを借りた。

 母には、1万円を渡し、晩御飯だけを持ってきてもらっている。昼は会社のお弁当。給料から引かれるので、手取りが4万円ちょいになった。

 妹がスマホを買ってくれた。CMで見るゲームをしてみたかったのでありがたい。月々のお金は、私のお金?から払われるので気にするなと言われた。

 でも、嬉しかったので妹の好きなパンを買って一緒に食べた。食べながら、父母の老後の話もする。

 なんだかんだで今の状況が気に入ってるし、この状況がずっと続くと思っていた。

 妹が帰った後に、母に言われた。母が死んだらどうするか?妹と一緒に住むか?

 私は、クリーニング工場でしか働けないと思う。友達では無いけど、一緒に働いている人は安心できる。

 母が死んでも、父とは住めない。


 母が死んだら、私もそのまま死にたい。



姉:就労A、軽度の知的とてんかん持ち。アパートは、年金で家賃、水道光熱費賄えています。
 
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