兄と異世界と私

第一章

お話合い

　兄とこれからのことを話し合う。

　兄は、異世界無双したい。私は地に足をつけたい。平行線だ。

　兄は無双したいけど、私が心配。

　私は、地に足をつけた商売したいけど、兄を1人にするのが怖い。何か、やらかしそうで怖い。

　ん～取り敢えず、拠点を作ろう。兄も私も安心できる家。兄が私1人でも大丈夫と思うところに住み、兄はその周辺で冒険をする。

　正直、兄と住むのは微妙だが、なんせ怖い。気付けば悪気なくマルチ商法始めているような人だ。貴族に無礼を働いて一族郎党打首とかないよね？

　取り敢えず、周辺にそこそこ魔獣がいるけどを栄えているトルクヤ領の領都に向かう。急ぐ旅ではないので、数日はここでコロッケ無双をしたいと思う。


　あ、忘れずに、

　「ログイン！」

　今回は、銀色のまま。球が弾けて、手には綺麗な花が乗っていた。きゅうん。

　綺麗な花なので、兄のストレージに入れてもらう。時間停止なので、拠点が決まったら飾ろう。


　兄と話し、今日売るのはコロッケとアメリカンドッグとフライドポテト。アメリカンドッグには、ケチャップがついている。ホットスナックにハズレはないそう。

　フライドポテトは、ワックスペーパーで包まないので、コップを折ってその中に入れる。

　「それ、検尿カップやん！」

　兄、爆笑。いや、紙コップはオーバーテクノロジーだし、他の屋台が使っている葉っぱどこにあるかわからんし。と愚痴ったら、さすがコミュニケーションお化け、葉っぱの場所を聞いて買ってきた。

　でも、ポテトは包めず、結局検尿カップに入れた。

　めっちゃ売れて、銅貨2548枚。疲れた。

　翌日のログインボーナスで、金色の球で現金10万円が出てきた。ほっ、現金収入ありがたい。