潰瘍性大腸炎闘症記

国立編手術1回目

国立に入院してまずは体重を増やそうということになった。
手術に耐えられる体力をつけようって事。
医者としては55キロぐらいまで増やしたかったみたいだけど、
実際は50キロちょっと、+2キロで頭打ち。（元が48キロ）
入院したら即手術だと思ってたから、拍子抜けした。
で、手術の話を家族と聞いた。大雑把に説明すると手術は2回行う。
1回目は大腸を取り除きストーマーを作る。2回目で小腸と直腸をつなぐ。
ストーマーとは人工肛門のことでお腹に作るとのこと。

それに同意するなら契約書にサイン下さいと。

全く現実感がない。お腹に肛門？なんだそれ。てな具合。
そんな状況でも周りは着々と準備が進んでって
お腹の左右どっちに作る？って聞かれて、え！？ってなった。選べるの？？
てか、選ばさせる！？　　　　右手側選びました。
あと麻酔のｱﾚﾙｷﾞｰテストもやったなぁ。無事にパスしました。
肺活量も測ったな。全身麻酔でやるから人工呼吸機の関係で。
検査する人が拍子抜けするほど、肺活量は低かったらしい。

んで、唐突だった。看護師が来て
「刺青します」
え？なに？どゆこと？
看護師いわく、ストーマーを作る位置を油性ペンなどで書くだけだと
手術中に消えてしまいわからなくなるため刺青が必須なのだそうだ。
アート的なものではなくて目印として必要とのこと。ですよねーー
で、具体的にどうするのかというと、注射。インク？の入った注射を打つ。
円を描くように点を点々と。痛かったという記憶がない。
が体に色が入る精神的な気持ち悪さはきっちりと覚えてる。
ほうほう、これが刺青かと複雑な気持ちになりながらお腹を眺めたっけ。
手術中に好きな音楽流せますけどどうしますかって聞かれた。
え、全身麻酔だよね？どうせ聞こえないよね？てことでそのサービスは断りました。

手術当日、手術室までは専用のベッドに移されて運ばれた。
同室の方々に挨拶して、やっと開放される、という感じだった。
だって、大腸がなくなれば、トイレに走ることは無くなるからね。
手術室に入って手術台に横になってまずされたのが下半身麻酔。
これ、背中からカテーテルみたいななにかを腰まで通すんだけど
すっごくくすぐったいｗｗ背中はだめｗ
必死に堪えてるのに医者に怒られたよ。
動くんじゃない、今、危ないとこ通してんだから！
んなこと言われたって、こっちだってくすぐったいの我慢してんだよ、必死に！
て言いたかったけどくすぐったすぎて悶絶してました。
それも無事に終わり、点滴から麻酔が流される。
急にまぶたが重くなり抵抗ができないほどに。
目とじていいよ、と言われ目をつぶると・・・。

気がついたら回復室にいた。体中から管が沢山出てた。口にも管突っ込んであるし。
麻酔が中途半端に切れてるから記憶があいまい。
術後、最初に会ったのおかあさんだよね？っていったら、違ってたっていう、ね。
言われて思い出した、おばさんが回復室に顔だしてくれたんだった。
口に突っ込まれてた管は気持ち悪いからさっさと抜いてもらった。
吐き気がひどくて腹に力を思いっきり入れて吐いてた。
切り縫いしたとこには全く問題なかった。
一般病棟にもどってから看護師に言われたんだけど、
手術が終わって麻酔が切れて呼吸機はずしたら、喉をひきつらせて
もがき苦しんだらしい。
その看護師が呼吸してーーーーって叫んだくらい危なかったとか。
たまにあるらしいよ、こういうこと。
喉をひきつらせるのは、どうも癖らしい。

全く身に覚えがないわけだが。

親からは、お前の大腸見せられたぞ、と恨めしそうに言われた。
書類に見ないって書いたのに見せられたって。
ホルモン食えないかも、とも。実際は食ってるけどね。迷惑この上ない。（ホルモン大嫌い）
で、それをみせられながらもう少し遅かったら、って言われたそうです。
手術時間は12時間越え。朝10時に入って夜10時に出てこなかったそうで。
ああ、手術は腹腔鏡手術。当時ﾆｭｰｽでこの手術方法で人体実験が、と騒がれてたな。
練習もせずに腹腔鏡手術を人にして大失敗して死なせてしまったらしい。

手順は、お腹に数箇所穴を開けてそこからｶﾒﾗから手術器具から必要な全てを入れて行う手術。
医者の腕が問われる手術方法ではあるが患者の負担が少ないとのこと。
そして無事お腹にストーマーができました。あれ下腹部になにかある・・・
ストーマーは小腸の出口、ではこれは・・・
はい、直腸の入り口。えええええええええええ
どうすればいいの？？？このままでいいの？
最初は不安だったけどすぐに慣れてしまった。。。

術後、回復室で家族と団らん中に執刀医が訪れ一枚の書類を見せられた。
漢字の単語がびっしり書いてあって、麻酔が抜けきってない頭では処理しきれなかった。が
見つけてはいけないものを見つけてしまった。執刀医はこれを見せに来たのか。
標本って文字の先頭の□にチェックがついてた。

俺の大腸、標本になったのか・・・。
廃棄されるものだと思ってたが、看護師曰く
あの状態の大腸を腹腔鏡手術で摘出して成功したのは
最高の症例になるんじゃないか、と。