27 / 38
メテオの章
④ 夫が突然、豹変して……??
しおりを挟む
「起立! 礼!」
「「「ありがとうございました!」」」
ふぅ、今日も一日無事に……
──ガターン!!
「な、なに? ……あっ、ロイエ!」
終礼でみんなが立ち上がった時、椅子から転げ落ちた彼女。
昨日心配したとおりのことが……
『大丈夫? どこか打ったりは』
『だいじょうぶです……』
『保健室で休みましょう。さ、私に掴まって』
彼女は私の腕に手を添えた。その時だった。
『えっ? ルーチェ!?』
虚空を見上げた彼女が誰かの名を呼んだ。
『ロイエ? どうしたの?』
“ええっ。ぼ、僕がみえるの……!?”
ここで私の耳にも、ハスキーな青年の声が聞こえて。
その声のほうを振り向いたら、17歳ほどか、貴族青年の……御霊が。
目が合ってしまった。彼は表情に困惑の色を浮かべる。
『ルーチェっ……ルーチェ!!』
『あっ。ロイエ、落ち着いてっ』
『やっぱりあなただったのねルーチェ!』
彼女は空に向かって震える手を伸ばした。が。
『ロイエっ?』
ふっと意識を失った。私は彼女を抱きかかえ、まず脈を確かめる。そしてもう一度彼女が手を伸ばした先の空を見上げたら、そこでおずおずしていた青年は。
「消えた……」
背中を見せ、逃げるように空気に溶けていったのだった。
「今日もいつの間にか終わったわ……」
日々は目まぐるしく過ぎてゆく。
自室の大きな窓から見える月は、明々と地上を照らし、月光を浴びる庭園の植物は神秘的な美しさを見せている。
「ユニ様、どうぞこちらへ」
ベッドでラスの丁寧なマッサージを受け、少し微睡みかけた私はふと、ダインスレイヴ様の面影を脳裏に映した。
「ねぇラス、あの、ええと。今夜、彼はお帰りにならないかしら」
「お帰りになるというご予定は聞いておりませんが」
「そうよね。ここ数日はとりわけお忙しいと……」
「しかしあのお方は、執事室でどう伺っていようと、突如お帰りになられることもしばしば」
「ううん。いいの。今日は疲れているから、もう寝るわ」
眠気が心地いい。ああ私、ふんわり暖かな空気に包まれている。ラスの焚いてくれた香がもう効いてるのね……。
「ん……」
眠りが浅かったのか、私はしばらくしてふと覚醒した。
真上のベッドボードをふと見やると、
「? 伸びた影……。どこから?」
誰もいないこの部屋に不審な黒影が。私は真正面に向き直した。そこに、ぬおぉぉっと現れ、私を覆う、大きな幻影。
「きゃっ……きゃぁむぐっ」
口を押さえつけられた。化け物? 不審者? どうしましょう。絶体絶命……
『静かに! ユニヴェール、ただいま』
ん? その声は。
『◎▼@※△☆▲ひゃひゃ?』
『そうだ。私だ』
な、なぁんだ……。今宵はお帰りにならないと思っていたから。
『おかえりなさいませ、ダインスレ……えっ?』
な、なに!?
無言で私の寝巻の、胸元のリボンをほどく彼。
『何をなさるの、突然……』
私に覆いかぶさったままで。いつもなら隣に横たわるのに、様子がおかしい?
『たった今、障害を跳び越えようか。ユニヴェール』
『……は?』
暗がりの中、彼の大きな手が私の肩や腰を捕まえに忍び寄る。
『ちょ、ちょっと待ってくださいっ。どういうことですかっ』
『どうもこうもない。私たちは夫婦だ』
でも今までこんなこと一度も!
私は手足をばたつかせた。暗いので何がどうなっているか分からず、彼の手が触れそうになったら避けるように、身体をねじらせて。
『夫婦でも、心の準備というものがっ……』
『いつになったらできるんだその準備は! もう挙式から二月近くたっているんだぞ』
確かに初夜の日は、据え膳として役割を果たそうと心を決めていました。でもあの頃と今は少し違うというか、あんな気持ちでいられた自分が今では信じられないというか、とにかく、
『恥ずかしいですっ……』
『…………』
ぴたりと一瞬、彼は動きを止めた。
『あ、あの……。!?』
落ち着いて話をしてくれるのだと思ったら、先ほどより早急な手が私の寝巻の、スカートの裾をたくし上げてきて。
『ななな、何するんですかっ。待ってくださいと言って……』
『声が大きい!』
『えええ!?』
私の腰を掴んで寝巻を剥がそうとする。男性の圧倒的な力で。
ただし、私の抵抗を抑えつけながらだから、彼の大きな手も思い通りにならない様子。そんなおぼつかない手でまさぐられた私の脚とかお腹とか、声を我慢できないほどくすぐったい。
もう逃げられそうにない。どうすれば、……あぁっ、そこはダメっ……。
『いっ、いやあああああ』
『!!』
天蓋ベッドのカーテン内に私の叫びが響き渡る。
無我夢中であったが、ほどなくして私は彼の手が止まったことに気付いた。この衣服の中から、ごつごつした大きな手は退いてゆき……
『い、いやなのか……?』
彼は力なく、後ろによろめくのだった。
『ユニヴェールは……俺が嫌なのか……』
声からも悲壮感が漂う。
『待ってください。話を聞いてください』
項垂れた彼、身体は大きいのに雨にぬれそぼった子犬のように見える。
『嫌ではないのです。ただあまりに早急ではないですか。結婚して何日とかではなくて、まずその、か、会話といいますか……』
待って、私、何を言っているの? この期に及んでこんなこと言いだす自分、なんなの?
だって本来なら初夜の時点で、もう彼の好きなようにされていても……。
『ん。ああ……つまり、それはやっぱり、アレか』
『アレ?』
彼はこの場の緊張感をほぐすためか、一度咳払いをした。
『え、えい……』
『??』
『えいえええ、えっえいえ……』
どうしたんだろう。冷や汗をかかれている。目線も下に下がっている。
『エイ(魚)?』
『えいえいえん……』
『ダインスレイヴ様?』
『ああっダメだ……』
体格の立派な、この大きな方が、なんだか塩をかけられたナメクジのように弱々しく……
『言葉をあえて用意して発するだなんて、なんかダメだ!』
『どうしたのですか、ダインスレイヴ様、お具合でも? もう休まれたほうが』
『俺はっ、それを思った瞬間にしか言葉が出ないんだ!』
ちょっとよく分からない脳筋宣言と共に、両手を掴んで押し倒された。
「???」
……今日のダインスレイヴ様はやっぱりおかしい。決して嫌ではないけれど、このような状況で関係を進めてしまうのは……
『怖いのです……』
そう、怖いの。だって、こんなふうに自分以外の誰かと、これほど真剣に向き合うことは、私、生まれて初めてで。
身体だけではなくて心も、私のすべてを知られたら、受け入れてもらえるのかも分からなくて。
この頃では彼についてひとつ知るたびに、胸がジリジリと焦がれていく。心地よい焦燥感。私、まだこの場所に留まっていたいのかしら。
関係性に焦って、今、不用意に触れ合ってしまったら、自分が自分ではなくなってしまいそう。そんな気持ちを、どのように言葉にすればいいのだろう。
『やっぱり、サーベラスのがいいのか?』
ん?
『ラス??』
会話が成り立たないままで、彼は私の首筋に口づける。
「あっ……んん」
触れたところが急速に熱を帯び、想像していた以上に気持ちよくて、激しく打つ鼓動は私の奥の“真実の私”を目覚めさせようと揺さぶる。
『だっ、だめですっ』
耐えられないほどくすぐったい。なのに嫌じゃない。
彼からあふれる、これが男の人なんだと知らせる香りが、私の期待をかき立てて、どんどん抵抗する力を奪っていく。
彼の熱意を拒む理由が分からなくなる。
もう任せてしまっても……いいかしら。
「「「ありがとうございました!」」」
ふぅ、今日も一日無事に……
──ガターン!!
「な、なに? ……あっ、ロイエ!」
終礼でみんなが立ち上がった時、椅子から転げ落ちた彼女。
昨日心配したとおりのことが……
『大丈夫? どこか打ったりは』
『だいじょうぶです……』
『保健室で休みましょう。さ、私に掴まって』
彼女は私の腕に手を添えた。その時だった。
『えっ? ルーチェ!?』
虚空を見上げた彼女が誰かの名を呼んだ。
『ロイエ? どうしたの?』
“ええっ。ぼ、僕がみえるの……!?”
ここで私の耳にも、ハスキーな青年の声が聞こえて。
その声のほうを振り向いたら、17歳ほどか、貴族青年の……御霊が。
目が合ってしまった。彼は表情に困惑の色を浮かべる。
『ルーチェっ……ルーチェ!!』
『あっ。ロイエ、落ち着いてっ』
『やっぱりあなただったのねルーチェ!』
彼女は空に向かって震える手を伸ばした。が。
『ロイエっ?』
ふっと意識を失った。私は彼女を抱きかかえ、まず脈を確かめる。そしてもう一度彼女が手を伸ばした先の空を見上げたら、そこでおずおずしていた青年は。
「消えた……」
背中を見せ、逃げるように空気に溶けていったのだった。
「今日もいつの間にか終わったわ……」
日々は目まぐるしく過ぎてゆく。
自室の大きな窓から見える月は、明々と地上を照らし、月光を浴びる庭園の植物は神秘的な美しさを見せている。
「ユニ様、どうぞこちらへ」
ベッドでラスの丁寧なマッサージを受け、少し微睡みかけた私はふと、ダインスレイヴ様の面影を脳裏に映した。
「ねぇラス、あの、ええと。今夜、彼はお帰りにならないかしら」
「お帰りになるというご予定は聞いておりませんが」
「そうよね。ここ数日はとりわけお忙しいと……」
「しかしあのお方は、執事室でどう伺っていようと、突如お帰りになられることもしばしば」
「ううん。いいの。今日は疲れているから、もう寝るわ」
眠気が心地いい。ああ私、ふんわり暖かな空気に包まれている。ラスの焚いてくれた香がもう効いてるのね……。
「ん……」
眠りが浅かったのか、私はしばらくしてふと覚醒した。
真上のベッドボードをふと見やると、
「? 伸びた影……。どこから?」
誰もいないこの部屋に不審な黒影が。私は真正面に向き直した。そこに、ぬおぉぉっと現れ、私を覆う、大きな幻影。
「きゃっ……きゃぁむぐっ」
口を押さえつけられた。化け物? 不審者? どうしましょう。絶体絶命……
『静かに! ユニヴェール、ただいま』
ん? その声は。
『◎▼@※△☆▲ひゃひゃ?』
『そうだ。私だ』
な、なぁんだ……。今宵はお帰りにならないと思っていたから。
『おかえりなさいませ、ダインスレ……えっ?』
な、なに!?
無言で私の寝巻の、胸元のリボンをほどく彼。
『何をなさるの、突然……』
私に覆いかぶさったままで。いつもなら隣に横たわるのに、様子がおかしい?
『たった今、障害を跳び越えようか。ユニヴェール』
『……は?』
暗がりの中、彼の大きな手が私の肩や腰を捕まえに忍び寄る。
『ちょ、ちょっと待ってくださいっ。どういうことですかっ』
『どうもこうもない。私たちは夫婦だ』
でも今までこんなこと一度も!
私は手足をばたつかせた。暗いので何がどうなっているか分からず、彼の手が触れそうになったら避けるように、身体をねじらせて。
『夫婦でも、心の準備というものがっ……』
『いつになったらできるんだその準備は! もう挙式から二月近くたっているんだぞ』
確かに初夜の日は、据え膳として役割を果たそうと心を決めていました。でもあの頃と今は少し違うというか、あんな気持ちでいられた自分が今では信じられないというか、とにかく、
『恥ずかしいですっ……』
『…………』
ぴたりと一瞬、彼は動きを止めた。
『あ、あの……。!?』
落ち着いて話をしてくれるのだと思ったら、先ほどより早急な手が私の寝巻の、スカートの裾をたくし上げてきて。
『ななな、何するんですかっ。待ってくださいと言って……』
『声が大きい!』
『えええ!?』
私の腰を掴んで寝巻を剥がそうとする。男性の圧倒的な力で。
ただし、私の抵抗を抑えつけながらだから、彼の大きな手も思い通りにならない様子。そんなおぼつかない手でまさぐられた私の脚とかお腹とか、声を我慢できないほどくすぐったい。
もう逃げられそうにない。どうすれば、……あぁっ、そこはダメっ……。
『いっ、いやあああああ』
『!!』
天蓋ベッドのカーテン内に私の叫びが響き渡る。
無我夢中であったが、ほどなくして私は彼の手が止まったことに気付いた。この衣服の中から、ごつごつした大きな手は退いてゆき……
『い、いやなのか……?』
彼は力なく、後ろによろめくのだった。
『ユニヴェールは……俺が嫌なのか……』
声からも悲壮感が漂う。
『待ってください。話を聞いてください』
項垂れた彼、身体は大きいのに雨にぬれそぼった子犬のように見える。
『嫌ではないのです。ただあまりに早急ではないですか。結婚して何日とかではなくて、まずその、か、会話といいますか……』
待って、私、何を言っているの? この期に及んでこんなこと言いだす自分、なんなの?
だって本来なら初夜の時点で、もう彼の好きなようにされていても……。
『ん。ああ……つまり、それはやっぱり、アレか』
『アレ?』
彼はこの場の緊張感をほぐすためか、一度咳払いをした。
『え、えい……』
『??』
『えいえええ、えっえいえ……』
どうしたんだろう。冷や汗をかかれている。目線も下に下がっている。
『エイ(魚)?』
『えいえいえん……』
『ダインスレイヴ様?』
『ああっダメだ……』
体格の立派な、この大きな方が、なんだか塩をかけられたナメクジのように弱々しく……
『言葉をあえて用意して発するだなんて、なんかダメだ!』
『どうしたのですか、ダインスレイヴ様、お具合でも? もう休まれたほうが』
『俺はっ、それを思った瞬間にしか言葉が出ないんだ!』
ちょっとよく分からない脳筋宣言と共に、両手を掴んで押し倒された。
「???」
……今日のダインスレイヴ様はやっぱりおかしい。決して嫌ではないけれど、このような状況で関係を進めてしまうのは……
『怖いのです……』
そう、怖いの。だって、こんなふうに自分以外の誰かと、これほど真剣に向き合うことは、私、生まれて初めてで。
身体だけではなくて心も、私のすべてを知られたら、受け入れてもらえるのかも分からなくて。
この頃では彼についてひとつ知るたびに、胸がジリジリと焦がれていく。心地よい焦燥感。私、まだこの場所に留まっていたいのかしら。
関係性に焦って、今、不用意に触れ合ってしまったら、自分が自分ではなくなってしまいそう。そんな気持ちを、どのように言葉にすればいいのだろう。
『やっぱり、サーベラスのがいいのか?』
ん?
『ラス??』
会話が成り立たないままで、彼は私の首筋に口づける。
「あっ……んん」
触れたところが急速に熱を帯び、想像していた以上に気持ちよくて、激しく打つ鼓動は私の奥の“真実の私”を目覚めさせようと揺さぶる。
『だっ、だめですっ』
耐えられないほどくすぐったい。なのに嫌じゃない。
彼からあふれる、これが男の人なんだと知らせる香りが、私の期待をかき立てて、どんどん抵抗する力を奪っていく。
彼の熱意を拒む理由が分からなくなる。
もう任せてしまっても……いいかしら。
0
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
妻と夫と元妻と
キムラましゅろう
恋愛
復縁を迫る元妻との戦いって……それって妻(わたし)の役割では?
わたし、アシュリ=スタングレイの夫は王宮魔術師だ。
数多くの魔術師の御多分に漏れず、夫のシグルドも魔術バカの変人である。
しかも二十一歳という若さで既にバツイチの身。
そんな事故物件のような夫にいつの間にか絆され絡めとられて結婚していたわたし。
まぁわたしの方にもそれなりに事情がある。
なので夫がバツイチでもとくに気にする事もなく、わたしの事が好き過ぎる夫とそれなりに穏やかで幸せな生活を営んでいた。
そんな中で、国王肝入りで魔術研究チームが組まれる事になったのだとか。そしてその編成されたチームメイトの中に、夫の別れた元妻がいて………
相も変わらずご都合主義、ノーリアリティなお話です。
不治の誤字脱字病患者の作品です。
作中に誤字脱字が有ったら「こうかな?」と脳内変換を余儀なくさせられる恐れが多々ある事をご了承下さいませ。
性描写はありませんがそれを連想させるワードが出てくる恐れがありますので、破廉恥がお嫌いな方はご自衛下さい。
小説家になろうさんでも投稿します。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
不憫な侯爵令嬢は、王子様に溺愛される。
猫宮乾
恋愛
再婚した父の元、継母に幽閉じみた生活を強いられていたマリーローズ(私)は、父が没した事を契機に、結婚して出ていくように迫られる。皆よりも遅く夜会デビューし、結婚相手を探していると、第一王子のフェンネル殿下が政略結婚の話を持ちかけてくる。他に行く場所もない上、自分の未来を切り開くべく、同意したマリーローズは、その後後宮入りし、正妃になるまでは婚約者として過ごす事に。その内に、フェンネルの優しさに触れ、溺愛され、幸せを見つけていく。※pixivにも掲載しております(あちらで完結済み)。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる