婚約者を奪っていった彼女は私が羨ましいそうです。こちらはあなたのことなど記憶の片隅にもございませんが。

 ハルネス侯爵家令嬢シルヴィアは、将来を嘱望された魔道の研究員。

 不運なことに、親に決められた婚約者は無類の女好きであった。

 研究で忙しい彼女は、女遊びもほどほどであれば目をつむるつもりであったが……

 挙式一月前というのに、婚約者が口の軽い彼女を作ってしまった。

「これは三人で、あくまで平和的に、話し合いですね。修羅場は私が制してみせます」 


 ※7千字の短いお話です。
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